ソウル転倒事故、死者153人に 大統領が原因究明命じる
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[ソウル 30日 ロイター] - 韓国ソウルの繁華街、梨泰院で29日夜、ハロウィーンで集まった群衆が転倒するなどして、消防当局によると、少なくとも153人が死亡した。死者は今後も増える可能性がある。負傷者は82人で、このうち19人が重傷という。
尹錫悦大統領は30日に国を挙げて喪に服すると宣言。犠牲者に哀悼の意を表し、負傷者の速やかな回復を祈った。
側近と緊急会議を開き、負傷者の治療に必要な資源確保や事故原因についての徹底調査に向け対策本部の設置を命じた。
死者の多くは20代の女性。中国人、イラン人、ウズベキスタン人、ノルウェー人など外国人22人も死亡した。
事故は現地時間の午後10時20分ごろに発生。事故を目撃した人によると、警察は現場の統制が取れず、群衆はパニック状態に陥ったという。
ムン・ジュヨンさん(21)はロイターに対し、現場となった路地では事故発生前からトラブルの兆候があったとし、通常の10倍以上の混雑ぶりだったと語った。
ソーシャルメディアに投稿された映像には混乱した現場の様子が写っており、坂道になった狭い路地ですし詰めになった人々を救急隊員や警察が引き離そうとしている。
韓国では3年ぶりに新型コロナウイルスの行動制限がないハロウィーンだった。群衆の多くはマスクをつけ、仮装をしていた。
バイデン米大統領や中国の習近平国家主席など世界各国の首脳も哀悼の意を表した。
今回の事故は、2014年に高校生を中心に304人が死亡した「セウォル号」沈没事故以来最悪の惨事となった。