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温暖化を加速させるメタンでカーボンニュートラル? 都市ガス会社による予想外の計画

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〓の装置〓。大阪ガスは水と二酸化炭素を使ってメタンを合成する研究開発を進めている
大阪ガスが研究開発を進めている、水と二酸化炭素を使って、メタンを合成する装置=6月、大阪市此花区、竹野内崇宏撮影

「メタネーション(合成メタン)の利点は、現在の都市ガスの成分とほぼ同じであること。導管や給湯器、コンロを換えずに有効活用できます」

この夏、大阪ガス(大阪市)が開いた記者説明会で、森田哲司・同社エネルギー技術研究所長が力を込めた。

同社の場合、ガス管で家庭に届けている都市ガスの9割(体積あたり)は、メタンだ。

天然ガスは、燃やした際に出る二酸化炭素(CO₂)が石炭より少ないため、燃料としての活用が拡大している。ただ、化石燃料には変わりがない。

そんな中、一条の光となっているのが、ガスを燃やした際などに出るCO₂を回収し、再生可能エネルギーの太陽光発電の電力などを使って、再びメタンを合成するメタネーションの取り組みだ。

合成メタンなら、燃やしても大気中のCO₂は実質増えず、「カーボンニュートラル」への貢献が期待されている。

現状では天然ガスが原料となっている都市ガスについて、大阪ガスは2030年に1%、業界全体でも2050年には90%を合成メタンに置き換える目標を立てている。

実証の場になりそうなのが、2025年の大阪・関西万博だ。

肉や野菜くずなど、万博会場内で出る生ゴミを発酵させてつくるメタンに加えて、会場内の大気から直接回収したCO₂や、再生可能エネルギーで作った水素をかけあわせてメタンを合成。一般家庭なら170世帯分に相当する、1時間あたり計7立方メートルのメタンを会場内で生み出して、会場の空調や厨房での調理に使ってもらう構想だ。

万博予定地から車で10分あまりの大阪ガスの研究所では、水とCO₂を電気分解して、メタンを直接合成する最新研究も進めている。再生可能エネルギー由来の電力から、85~90%の高効率でメタンを合成できる独自技術で、将来は「世界的に(展開が)期待できる」という。