2月24日から始まったロシア軍の軍事作戦では、ウクライナの東にあるロシア領と、北のベラルーシ領、ロシアが実効支配しているクリミア半島がある南方からそれぞれロシア軍が進軍。戦車や装甲車などの車両には白いスプレーでいくつかの記号が書かれていることがわかっている。
ウクライナ内務省の準軍事組織「国家親衛隊」は2月27日、Twitterで記号とその意味を投稿している。それによると、Zは「ロシアの東の部隊」、四角囲みのZは「クリミアから来た部隊」、Oは「ベラルーシからの部隊」、Vは「海兵隊」、Xは「チェチェンの部隊」、Aは「特殊部隊」という。
— НГУ (@ng_ukraine) February 27, 2022
また、ウクライナ内務省も同日、メッセージアプリ「テレグラム」で、Vのマークがついている車両はテロ行為をするためキエフに向かっている部隊だとして、見つけ次第通報するようにと国民に呼びかけている。
これに対し、ロシア国防省は3月3日、Instagramで大きなZの文字とともに、「勝利のために」という説明文をつけた。
ただ、同じアカウントではZとともに「忘れない」という文言が添えられた投稿もあり、真相は不明だ。
西側の専門家の間でも、これらの記号は「友軍同士の誤射を防ぐためではないか」などの憶測を呼んでいる。
ロシア政府が記号の意味を明らかにしない中、ロシア国民の中ではロシアの軍事作戦を支持するシンボルとしてZマークをとらえる動きが出ている。
カタールのドーハで3月5日にあった体操種目別ワールドカップでは、ロシア人選手が胸に白いテープでZマークをつけて出場。この選手は平行棒で3位になったが、表彰台でも外さなかった。国際体操連盟は、懲戒処分を検討するとしている。
20-летний российский гимнаст Иван Куляк вышел на награждение этапа Кубка мира по спортивной гимнастике в Дохе с буквой Z на форме. Он занял третье место в соревнованиях на параллельных брусьях pic.twitter.com/k0YqTV4gHO
— НТВ (@ntvru) March 6, 2022
人文字も現れている。ロシア紙「コメルサント」などによると、大都市カザンにある白血病の子ども向けホスピスで3月5日、患者やその親たち約60人が敷地でZを形作った。「ウクライナでのロシアの軍事作戦を支持するため」という。
これに対し、ウクライナではZが反ロシアのシンボルとなりつつある。ネットメディア「オボズレバテリ」によると、ウクライナ南東部のメリトポリ市で3月6日、反ロシアの集会が開かれ、プーチン大統領のかかしが焼かれるとともに、Zが入った侮蔑的な言葉を書いた横断幕を掲げたという。