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韓国の映画監督続々ハリウッド進出 『パラサイト』以降、多様性で注目

東亜日報より

「1987、ある闘いの真実」のチャン・ジュナン、「悪女/AKUJO」のチョン・ビョンギル、「ハウスメイド」のイム・サンス、「狩りの時間」のユン・ソンヒョン。最近1年の間にハリウッドに進出した監督たちだ。

昨年5月、チャン・ジュナン監督の長編デビュー作「地球を守れ!」が韓国での公開から17年を経てハリウッドでリメイクされるというニュースが報じられた。映画はカン・マンシク(ペク・ユンシク)がエイリアンだと信じているビョング(シン・ハギュン)が、カン・マンシクを通して地球を救う「アンドロメダ王子」に会おうとして起きるドタバタ劇。公開当時は興行には惨敗したが、想像力と問題意識がうまく合わさった「悲運の傑作」という評価を受けた。「ミッドサマー」を演出したアリ・アスター監督がプロデューサーを、チャン監督が演出を務める。

チョン・ビョンギル監督は昨年5月、米国3大エージェンシーの一つ、CAAと契約を結んだ。「悪女」で2017年カンヌ国際映画祭に招待されて以来、ICMパートナーズなどいくつかのハリウッドのエージェンシーからラブコールを受けたチョン監督が、本格的にハリウッドで活動を始める。「いくつかのハリウッドドラマや映画の企画開発が進んでいる。ドラマの中にはロサンゼルスに住む韓国人ギャング団の家族を描いたノワールも準備している。米国ドラマでありながら、主演はみんな韓国人」と打ち明けた。

「ハウスメイド」「蜜の味 テイスト オブ マネー」を作ったイム・サンス監督はヨルメエンターテインメントと米国の制作会社「2Wネットワーク」が制作するノワール「ソーホーの罪」の演出を担当する。ユン・ソンヒョン監督もハリウッドのエージェンシーと契約を結んだ。

韓国の監督たちのハリウッド進出ラッシュは、彼らの力量と作品が優れていることが一番の理由だ。加えて、昨年2月にポン・ジュノ監督の「パラサイト 半地下の家族」が第92回アカデミー賞で作品賞、監督賞、脚本賞、国際映画賞の四冠を達成したことも大きく影響している。これをきっかけに、韓国の創作者の需要が目立って増えたというのが、映画界の分析だ。

これまでは国際映画祭受賞などを通して海外で認知度が高まった監督だけがハリウッドに進出していた。パク・チャヌク監督はニコール・キッドマン主演の「イノセント・ガーデン」を作る前に「オールド・ボーイ」でカンヌ国際映画祭審査員特別グランプリを受賞し、キム・ジウン監督が映画「ラストスタンド」を作ったのも「甘い人生」「グッド・バッド・ウィアード」などで海外のファンを獲得していたから可能だった。

「パラサイト」以後、その流れは変わってきた。韓国映画が周辺から主流に位置付けられ、海外に知られていなかった韓国の監督にもハリウッドからラブコールが来ているのだ。CJ ENM映画事業本部コ・ギョンボム海外事業部長は「これまでもパク・チャヌク、イ・チャンドン監督らが海外の映画祭での受賞を通して実力を認められてきたが、彼らの作品はマニア層に受けていた。『パラサイト』以降は映画通だけでない一般の人たちも韓国映画、韓国の監督に関心を持ち、韓国のコンテンツに対する需要が爆発的に伸びている」と話す。コ部長は「ハリウッドの制作会社から『韓国の監督や脚本家と一緒に仕事がしたい』というオファーが積極的に来ている」とも話した。

「パラサイト」以降、主要海外メディアも先を争うように韓国の監督に注目した。米国の芸能媒体「ハリウッド・リポーター」は「ポスト・ポン・ジュノ」として「哭声/コクソン」のナ・ホンジン監督、「新感染 ファイナル・エクスプレス」のヨン・サンホ監督などを紹介した。英国の「ガーディアン」は「パラサイト」のアカデミー受賞後、「韓国映画に対する世界的関心が頂点に達した」として、「ペパーミント・キャンディー」や「おばあちゃんの家」など1990~2000年代の韓国映画と監督に改めてスポットライトを当てた。

文化的多様性を追求するハリウッドの流れも、韓国の創作者への関心を高めている要因だ。ネットフリックスなどオンライン動画サービス(OTT)を通して世界各国のコンテンツを楽しめるようになり、アカデミー賞が「白人だけのオスカー」などと批判を受けたこともあって、多様な人種や文化にまつわる物語が必要になってきたのだ。中国人家族の物語を描いた「フェアウェル」、米国に移り住んだ韓国人家族を描いた「ミナリ」に集まるハリウッドの関心も、文化的多様性に対する需要を示す事例だ。「フェアウェル」の主人公の韓国系女優オークワフィナ(本名ノーラ・ラム)は昨年ゴールデングローブ賞のミュージカル・コメディー映画部門主演女優賞を受賞した。「ミナリ」は海外の映画祭で59冠を果たした。

「パラサイト」を英語に翻訳した翻訳者で評論家のダルシー・パケット氏は「ハリウッドでは数年前から多様性を求める声が高まっていた。『グリーンブック』や『ムーンライト』など黒人が主演した映画にアカデミーが作品賞を授与し、俳優賞候補も人種を多様化しようという努力が見える。多様性に対する要求が高まるなか、韓国コンテンツに対する関心も高まっている」と分析した。

(2021年2月8日付東亜日報 キム・ジェヒ記者)

(翻訳・成川彩)