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日本人アナリストが大活躍 ケニア女子バレー東京オリンピック出場の舞台裏

アフリカを旅する
東京五輪出場を決め、だるまを持って喜び合うケニア女子バレーボール代表の選手たち。左手前が片桐翔太さん=ケニアバレーボール連盟提供

アフリカ東部にあるケニアの女子バレーボール代表が1月、東京五輪への出場を決めた。アフリカ予選を突破し、16年ぶりとなる出場を勝ち取った陰には、日本人コーチの後押しもあった。

アフリカ西部のカメルーンで15日から開催された五輪予選にはケニアのほか、カメルーンやエジプトなど5カ国が出場。ケニア女子代表は苦しみながらも初戦、2試合目に勝利し、第3戦で最大のライバルだったカメルーンとの一戦を迎えた。

高校時代に全国大会に出場した経験を持ち、昨年5月からデータ分析などを担当するアナリストとして帯同していた片桐翔太さん(32)は、試合当日の朝まで相手チームの特徴を分析。得点源だった選手のサーブの癖などをつかみ、監督らと対策を練った。

ケニア女子バレーボール代表を指導してきた片桐翔太さん=1月21日、石原孝撮影

「これが結構はまった」。地元ファンでほぼ満員となった会場でかけ声はほとんど届かない中、選手たちは粘り強い守備で相手の攻撃を防ぎ、フルセットの末に破った。五輪出場を確信した片桐さんは、人目をはばからず涙した。

選手やスタッフから「私たちは勝ったんだよ。泣くなよ」 とからかわれたが、チームの一体感は上昇。片桐さんがデータ分析以外にも、筋力トレーニングや技術面の指導を熱心にしてくれたことを知っていた。

ケニア女子バレーボール代表コーチのジャペス・ムナラさんと話し合う片桐翔太さん=1月21日、石原孝撮影

バイオレット・マクト選手(26)は「(片桐さんは)データと豊富な知識をもとに、私たちのレシーブやスパイク力を向上させてくれた」と笑みをみせた。9日にあった最終戦では、ナイジェリアを3―0で破り、抱き合ったり日本のだるまを持ったりして喜びを分かち合った。

片桐さんは「自分が生まれ育った日本で開催される五輪に参加できるのは特別。これまでにケニアのバレーボールの強化や普及に関わってきた日本の人たちにも、代表チームの活躍を見せたい」と意気込む。

サーブの練習をするケニア女子バレーボール代表のバイオレット・マクト選手ら=1月21日、石原孝撮影

実は、バレーボールでのケニアと日本の関わりは深い。1970年代後半から日本人が代表選手たちの指導や地域での普及活動を実施。国際協力機構(JICA)によると、片桐さんも含めて、青年海外協力隊員として派遣された日本人は1992年以降では延べ15人に上る。

代表コーチのジャペス・ムナラさん(56)は「多くの日本人が、何十年もケニアのバレーボールを強化してくれた。本当に感謝している」と語った。ケニア女子代表の五輪出場は2004年のアテネ大会以来3回目。チームの目標は、五輪での初勝利だ。

東京五輪出場を決めたケニア女子バレーボール代表=ケニアバレーボール連盟提供