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英語は必要? 学習方法は? トークイベント「#日本人の英語力」都内で開催

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イベント「#日本人の英語力」の会場。英語を勉強中の人がたくさん集まった

英語ができないとだめ? 英語ができるってどういうこと? そんな日本人の英語の悩みにまつわる話題が満載のトークイベントが11月8日、都内で開かれた。主催は世界110か国以上で海外留学や語学研修、文化交流にまつわる事業を展開しているイー・エフ・エデュケーション・ファースト(日本法人イー・エフ・エデュケーション・ファースト・ジャパン株式会社、以下「EF」)。同日公開された「EF EPI 英語能力指数2019年版」を記念しての企画だ。

このイベント「#日本人の英語力」では、GLOBE+で好評連載中のコラムニスト、サンドラ・ヘフェリンさんがモデレーターを務め、EFジャパン代表取締役社長 サンチョリ・リーさん、ビジネス・ブレークスルー大学経営学部教授 青野仲達さん、日本財団ボランティアサポートセンター事務局長 沢渡一登さんがパネリストとして登壇した。

右から、ビジネス・ブレークスルー大学経営学部教授 青野仲達さん、サンドラ・ヘフェリンさん

公開された今年度版の指数によると、日本の英語力は100か国・地域中53位。英語能力レベルは5段階中の下から2番目となる「低い」という結果となった。

この結果について、サンチョリさんが「調査対象国が増えるにつれて日本は少しずつランクが下がっている」と分析。近年、大きな成長を見せる韓国の企業サムスンなどを例に挙げながら、日本の技術が世界に認められるためには、それをアピールするための英語力も不可欠だと指摘し、「英語力に比例して日本の経済力も落ちたらもったいない」と話した。

これに対して青野さんは、「わたしは、順位は関係ないとする立場。大事なのは、日本全体の順位がどうであれ、自分は英語を上達させるんだという強い意志。では、英語の上達のために何が必要かというと、自主性、必要性、効率性だと思う」との考えを述べた。

この意見に対してサンドラさんが、「世界の政治家が集まったとき、台本にない“スモールトーク”が苦手で取り残されているのは日本の政治家。英語の瞬発力、雑談力も身に着けられたらいいですよね」と言葉を挟むと、沢渡さんも「日本人は30歳を過ぎると英語を使う機会はどんどん減るから、喋る機会を積極的に持つことが大切」と同調。観光案内ボランティアを例に挙げ、「生きた英語を使うことで雑談力に磨きがかかることが、彼らのモチベーションになっている」と分析した。

左から、日本財団ボランティアサポートセンター事務局長 沢渡一登さん、イー・エフ・エデュケーション・ファースト・ジャパン代表取締役社長 サンチョリ・リーさん

とはいえ、ボランティアに参加するなどして自主的に英語力を伸ばそうとする人は一部だ。これについて青野さんは、「相手に伝えたいことがあれば、自然と英語力を必要とするもの。わたしはよく、『英語を学ぶことは必要でしょうか?』と聞かれるけど、そう聞いてくる人は、相手に対して『伝えたいこと』がないということだと思う」と話した。

また、「伝えたいこと」同様に「知りたいこと」があるかどうかも重要だ。自身の英語力は高くはないと話すサンドラさんは、「わたしは興味のあるテーマであれば、英語の記事も読むことがある。不思議なもので、興味がないテーマの英語記事はまったく理解ができないが、多少でも興味があると、文脈で推測もしやすいし、読むことを楽しく感じる」と自身の体験を明かした。

イベントは終始和やかなムードで進行

これを聞いた沢渡さんは、「2020年はオリンピックパラリンピックというとてもいい機会がある。相手に伝えて、相手を知るためにも英語を学ぶきっかけになるのでは」と提案。サンチョリさんは、「2011年の震災のときは、国内のニュースとCNNとで言っていることに違いがあった。英語がわかるといろんな情報を比較して、必要なことを知ることができる」と当時を振り返った。

最後にイベントの締めくくりとして、サンドラさんがパネリストに、英語のスキルを高めるためのアドバイスをたずねると、青野さんは、「英語上達に重要なことは、とにかく練習することと、英語というゲームのルールを知ること。最初に結論を述べ、その後、その根拠を複数、できたら3つは説明できるようになるといい」。続く沢渡さんが「旅行中、現地の人に助けられた経験がある人はわかると思うが、そうした体験は旅の一番の思い出として後々まで記憶に残りやすい。みなさんも、日本で困っている外国人を見掛けたら、積極的に声をかけてあげてほしい」と回答。サンチョリさんは「まず、自信を持つこと。すべてはそこから始まる。拙くても親切に話しかけることで、海外の方の日本人に対する印象も変わるはず」とアドバイスした。

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