検察は23日、曺国(チョグク)法相の自宅を家宅捜索した。白黒は最終的に法廷で明らかになることだが、検察の指揮権を持つ法相が検察の強制捜査を受けて自宅まで家宅捜索の対象になったのは初めてのことだ。候補者指名後、1ヶ月半の間、数多くの疑惑や国民からの非難にも耐えている曺法相だが、本当に退くべき時が来た。
まず、法相を務めるには法的な面で到底受け入れられない。曺法相は、娘や娘の高校の友人(檀国大学チャン・ヨンピョ教授の息子)のソウル大学公益人権法センターでの虚偽のインターン証明書発給を受けた嫌疑を受けている。インターン証明書は2013年、ソウル大学医学専門大学院入試で提出され、偽計による公務執行妨害の疑いが適用される可能性もある。一家の私募ファンド投資、熊東(ウンドン)学院訴訟疑惑などについても、曺法相が関与した疑いが指摘されている。
次に、道義的にも高位の公職に就く資格がない。曺法相は国会の聴聞会で私募ファンド投資の疑惑について「ブラインドファンドなのでどこに投資するのか分からなかった」と釈明した。しかしながら、妻のチョン・ギョンシム東洋大教授がコリンクの私募ファンド運用報告書に「ブラインドファンドなので投資者は投資対象を知らない」という内容を入れてほしいと要求したことが指摘されるなど、曺法相の釈明とは違う事情が次々に明らかになっている。曺法相がパソコンのハードディスクを交換した証券会社の社員に「妻を助けてくれてありがとう」と言ったという話もある。
そして、政治的責任を負うという意味でも曺法相は退くべきだ。内閣改造の発表後1ヶ月半の間、国中が曺法相をめぐる問題で騒ぎ、対立が深まった。国民は曺法相の言行不一致に疲れ切っている。文在寅大統領の選挙公約だった司法改革にも曺法相はふさわしくない。大きすぎる検察の権力を分散させるのは、検察の捜査を受けている曺法相がすることではない。
文大統領は多くの反対にも関わらず曺法相の任命を強行した。「(曺法相)本人の違法行為が明らかになったわけではない」と言う。法院(裁判所)が曺法相の自宅などの家宅捜索令状を出したのは、検察がすでに曺法相の嫌疑を立証する証拠をある程度確保していると見るべきだ。法的、道義的、政治的、そのどの論理でも曺法相は留まる名分がない。即刻退陣することだけが、曺法相に残された選択肢だ。
(2019年9月24日付東亜日報)
(翻訳・成川彩)