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静まりかえる北朝鮮の「経済特区」 英国のインフルエンサーが訪問記

東亜日報より
平壌の風景

「これが本当に核戦争を起こす能力があるという国の経済特区なのか? 商取引でにぎわう中心地どころか、荒涼として静まり返っている。夕方になると犬の吠える声すら聞こえなかった」

英国の旅行作家兼ソーシャルメディアのインフルエンサー、トミー・ウォーカーさんは、今年2月末から3月初め、北朝鮮の羅先経済特区を訪れた感想を8日、オーストラリア最大のニュースサイト「ニュース・ドットコム」に掲載した。ウォーカーさんは、北朝鮮で長期間抑留された後、意識不明の状態で送還され、2017年6月に亡くなった米国のオットー・ワームビアさんが利用した北朝鮮専門旅行社「ヤング・パイオニア・ツアーズ」を通して北朝鮮に入った。

北朝鮮当局は羅先特区を「活発な貿易活動の中心地」と宣伝しているが、彼が経験した内容はまったく違った。道端には広告の看板が一つも見当たらず、政治のポスターばかりだった。外国人が流入する自由貿易地帯だが、娯楽施設はなく、夕方になれば人影がなくなった。ウォーカーさんは羅先を「過去のまま時間が止まった場所」と評した。

外国人にだけ開放されているという羅津市場で出会った北朝鮮の商人たちは2月末、ベトナム・ハノイの米朝首脳会談が決裂したにもかかわらず、「会談がうまくいけばいいのに」と的外れな話をした。外部の情報がまったく入ってこない北朝鮮の現実が垣間見えた瞬間だった。

ウォーカーさんは、銀行を探し、外国人の資格で数時間で口座を開設、銀行カードを手にした。しかし、銀行のウェブサイトやアプリはなく、オンライン・バンキングなど夢のまた夢だ。映画俳優のジャッキー・チェンら香港の投資家たちの資金で作られた羅津エンペラーホテルのカジノも1990年代の雰囲気が漂っていた。

一方、英国のタイムズ紙は同じ日、金正恩・朝鮮労働党委員長の指示により元山・葛麻地区に建設中の海岸観光地区のルポを載せた。観光業を通じた外貨獲得が死活問題の北朝鮮は、労働者に24時間交代の勤務をさせ、このような労働力の動員が劣悪な北朝鮮の人権問題をさらに深刻化させる可能性があると指摘した。金正恩委員長は当初、「金日成主席の誕生日である太陽節(4月15日)までに完成させるように」と指示した。しかしながら、経済難などで遅れ、来年の労働党創建記念日(10月10日)に完工予定が延期されたと報じられた。

(2019年6月10日付東亜日報 チョン・ミギョン記者)

(翻訳・成川彩)