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日韓アイドルグループ「IZ*ONE」デビュー

現地発 韓国エンタメ事情
ソウル市の地下鉄弘大入口駅にファンが設置した矢吹奈子を応援する看板=成川彩撮影

最近、日本からの友人が来るたび、オーディション番組「PRODUCE48(プロデュース48)」の話題になる。日本のアイドルAKB48グループのメンバー(以下、AKBメンバー)が大挙参加した韓国のケーブルテレビMnetの番組だ。「日本のアイドルは韓国で受け入れられるのか?」「韓国での視聴率は?」などなど、現地の反応が気になるようだ。

96人の参加者のうち、最終的に「IZ*ONE(アイズワン)」というグループ名でデビューが決まったのは、12人。このうちAKBメンバーは、宮脇咲良(HKT48、最終順位2位)、矢吹奈子(HKT48、同6位)、本田仁美(AKB48、同9位)の3人だった。AKBメンバーが39人参加していたことから考えると、ちょっと寂しい結果だった。ただ、放送期間中にソウル市内で見かけた応援看板は、AKBメンバーの方が多かったように思う。ファンがお金を出し合って設置したものだ。江南(カンナム)駅の宮脇咲良、弘大入口(ホンデイック)駅の矢吹奈子、白間美瑠(NMB48)など、若者のよく通る地下鉄駅で、大きな看板が目に入ってきた。私自身、特にAKBのファンではなかったが、番組を見ながら、一生懸命韓国語で視聴者に語りかける姿を見ていると、応援したい気持ちに駆られた。

最終順位1位の結果を待つ宮脇咲良(左)とチャン・ウォニョン=Mnet「プロデュース48」より

1.1%でスタートした視聴率は伸び続け、最終回(8月31日放送)は3.1%に達した。午後11時スタートという時間帯にしては、かなり高い数値だ。

一方、私の耳には残念な反応も聞こえてきた。ある40代男性が、自宅で「プロデュース48」を見ていたら、中学生の娘が「お父さん、消して」と言ってきたという。娘の学校の友達の間で、「見ないようにしよう」と決めたらしい。どういうことか尋ねると、AKBメンバーの一部が靖国神社に参拝したり、旭日旗が描かれた衣装を着たことなどを理由に「AKBは右翼だ」という噂が広まっているという。「まさか」と笑っていたら、今度は、世界的に人気のK-POPグループ「防弾少年団」が、AKB48グループ総合プロデューサーの秋元康氏作詞の新曲を発表予定だったのを取りやめる事態になった。防弾少年団のファンらが秋元氏を「右翼作詞家」と指摘したためだ。音楽の世界にまで日韓の歴史問題が持ち込まれ、残念でならない。

とは言え、日本のアイドルが韓国のお茶の間をにぎわすなんて、以前は考えられないことだった。韓国では自国文化保護のため、日本の大衆文化の流入が制限されていた。1998年、金大中政権下で順次受け入れが始まった。流入が制限されていたといっても、いわゆる「海賊版」としては入ってきていた。かなりはやった日本の曲もあり、40〜50代とカラオケに行くとよく歌うのは、近藤真彦の「ギンギラギンにさりげなく」や五輪真弓の「恋人よ」だ。どういう経緯か知らないが、けっこう偏っている。「ギンギラギンってどういう意味?」と聞かれ、答えに窮することもしばしば。

デビューが決まり、視聴者に向かって韓国語で感謝を述べる本田仁美=Mnet「プロデュース48」より

話を戻すと、アイズワンのデビューは10月末ごろと予想されている。デビュー曲のセンターは、最終順位1位のチャン・ウォニョンが務める。14歳になったばかりという若さで、身長168センチのモデル体型。センターにはぴったりだ。個人的には、ぎりぎり12位でメンバー入りを果たしたイ・チェヨンのファン。ダンスが抜群にうまいことで番組当初から注目されたが、歌も相当な実力者だ。韓国での日本の大衆文化開放から20年、「アイズワン」の日韓での活躍に期待したい。