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「トリメタジジンありますか」 問題の薬、ロシアの薬局で買ってみた

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朝日新聞デジタル掲載
団体女子SPで演技を終え、コーチらと抱き合うROC(ロシア)のカミラ・ワリエワ(手前)=2022年2月6日、北京の首都体育館、細川卓撮影

 北京オリンピック(五輪)に参加しているROC(ロシア・オリンピック委員会)のフィギュアスケート女子、カミラ・ワリエワ選手のドーピング問題で注目が集まる薬物のトリメタジジンは、どうすればロシアで買えるのか。モスクワの薬局で尋ねてみた。

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 11日、モスクワ中心部の薬局を訪問し、「トリメタジジンを買えますか」と聞いた。

 薬剤師の女性はコンピューターで検索し、すぐに、「ありますよ」と答えた。ロシア製のほか、ドイツ製など数種類を販売しているという。

 「処方箋(せん)なしで問題なく買えます。心臓の働きを助ける薬で、よく売れています」

 どれがいいか尋ねると、ロシア製を勧められた。カプセル60個で含有量は計80ミリグラム。値段は2272ルーブル(約3500円)だった。

 説明書を読むと、1日1回、朝食時に服用すると書かれていた。

 別の薬局ではドイツ製を勧められた。こちらも錠剤が60個入って含有量は計35ミリグラム。価格は少し安く、959ルーブル(約1500円)だった。こちらは1日2錠の服用だ。

 インターネットで調べてみると、多くの販売サイトでも様々な種類が売られており、ロシアでは手軽に買うことができるようだ。

 2016年、女子テニスの世界的スターだったロシアのマリア・シャラポワが陽性反応を示して知られるようになった薬物「メルドニウム」も同じカテゴリーに属し、効能もほぼ似通っている。

 メルドニウムは血流を増し、持久力を向上させる効果があるとされ、ロシアでの登山家やスポーツ愛好家の中では服用するのは珍しくなかった。

 それに比べると、トリメタジジンの効果はそれほど大きくないためか、スポーツ選手が服用するという話は聞かれない。(モスクワ=中川仁樹)