北京オリンピック(五輪)に参加しているROC(ロシア・オリンピック委員会)のフィギュアスケート女子、カミラ・ワリエワ選手のドーピング問題で注目が集まる薬物のトリメタジジンは、どうすればロシアで買えるのか。モスクワの薬局で尋ねてみた。
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11日、モスクワ中心部の薬局を訪問し、「トリメタジジンを買えますか」と聞いた。
薬剤師の女性はコンピューターで検索し、すぐに、「ありますよ」と答えた。ロシア製のほか、ドイツ製など数種類を販売しているという。
「処方箋(せん)なしで問題なく買えます。心臓の働きを助ける薬で、よく売れています」
どれがいいか尋ねると、ロシア製を勧められた。カプセル60個で含有量は計80ミリグラム。値段は2272ルーブル(約3500円)だった。
説明書を読むと、1日1回、朝食時に服用すると書かれていた。
別の薬局ではドイツ製を勧められた。こちらも錠剤が60個入って含有量は計35ミリグラム。価格は少し安く、959ルーブル(約1500円)だった。こちらは1日2錠の服用だ。
インターネットで調べてみると、多くの販売サイトでも様々な種類が売られており、ロシアでは手軽に買うことができるようだ。
2016年、女子テニスの世界的スターだったロシアのマリア・シャラポワが陽性反応を示して知られるようになった薬物「メルドニウム」も同じカテゴリーに属し、効能もほぼ似通っている。
メルドニウムは血流を増し、持久力を向上させる効果があるとされ、ロシアでの登山家やスポーツ愛好家の中では服用するのは珍しくなかった。
それに比べると、トリメタジジンの効果はそれほど大きくないためか、スポーツ選手が服用するという話は聞かれない。(モスクワ=中川仁樹)