日本選手団はジャンプ男子の小林陵侑(りょうゆう)選手が大会3日目のノーマルヒルで24年ぶりの金メダル、12日のラージヒルで銀メダルをそれぞれ獲得した。
大会8日目には、スノーボード男子ハーフパイプで平野歩夢が悲願の金メダルを獲得するなど前半戦でも大活躍した。
中日(12日)終了時点での総メダル数は10個(金2、銀3、銅5個)。過去最多となった前回大会(13個)では、前半が終わった段階で9個(金1、銀5、銅3個)を獲得しており、今回はそれを上回るペースだ。
後半戦には11日目の14日に1988年長野大会以来の金メダルを狙うスキージャンプ男子団体ラージヒルと、鬼塚雅(みやび)選手ら日本のトップ選手が出場するスノーボード女子ビックエアがそれぞれ予定されている。
12日目の15日には、高木菜那(なな)・美帆姉妹がチームを組み、連覇を狙うスピードスケート団体追い抜き(チームパシュート)があり、冬季オリンピック最高の20個に迫るメダル獲得も期待できる。
毎回、開幕前に各国・地域のメダル獲得数を予想しているアメリカのデータ会社グレースノートは北京大会の日本選手団のメダル数について、1月上旬の段階で金4個、銀4個、銅9個の計17個と予測した。
これを開幕直前の2月4日の段階で修正し、金3個、銀7個、銅9個の計19個、国・地域ランキングは10位に入るとした。
イギリスの大手ブックメーカーは、各競技・種目で金メダル獲得を予想する各選手・チームの優勝オッズデータを示しており、オリンピック後半戦でも日本人選手も上位に食い込んでいる。
ウイリアム・ヒルズは14日予選、15日決勝のスノーボード女子ビックエアについて、グレースノートが金メダルと予測した鬼塚選手を全体5番目の優勝オッズ10倍と提示。2021年W杯で初優勝した17歳の村瀬心椛(ここも)選手も10倍となっている。
この2人よりも良かったのが、前回平昌大会で4位に入った19歳の岩渕麗楽(れいら)選手で、全体4番目の7倍。トップは、大会3日目に行なわれたスノーボートスロープスタイル女子でニュージーランド初の冬季金メダルを獲得した20歳のゾイ・サドウスキー=シノット選手で、3.25倍だった。
1998年長野大会では、原田雅彦選手らが率いるジャンプ団体の日本チームがいずれも大飛行をして、金メダルを獲得した。北京大会の代表チームも好調の小林選手を筆頭に「日の丸飛行隊」の再来を狙う。
ウィリアム・ヒルズの優勝オッズでは、1番目にスロベニア代表チームをあげており2.5倍、次はオーストリア代表チームで3.75倍。3番目はドイツ代表チームで4倍。4番目はノルウェー代表チームをあげており、6倍。日本代表チームは全体5番目で金メダル確率は15倍となっている。
ブックメーカーの初期データは事前のW杯などでの成績をもとに計算しており、大飛行を見せて、日本ジャンプ陣の復活を見せてほしい。
日本選手団のメダル上積みで期待できるのが、スピードスケート女子だ。ベット・チャンネルというブックメーカーが詳細な優勝オッズデータを示している。
15日の女子チームパシュートでは、平昌大会で金メダルを獲得した日本代表チームが2.38倍と1番目の金メダル確率予想。しかし、平昌大会でもライバルだったオランダ代表チームが2.42倍と、データ上は僅差となっている。北京大会でも手に汗握るレース展開になるに違いない。
大会14日目の17日には日本人選手のワンツーフィニッシュが期待できる女子1000メートルがある。優勝オッズでは高木美帆選手が2.88倍で1番目。小平奈緒選手が6.82倍で4番目。ライバルのオランダユッタ・リールダム選手(3.93倍)、アメリカのブリタニー・ボウ選手(4.58倍)の2人が大きな壁となりそうだ。
大会16日目には平昌大会でマススタート初代女王に輝いた高木菜那選手が登場する。ベット・チャンネルは高木選手の2連覇について、全体4番目の7.92倍の優勝オッズデータを示している。
女子スピードスケートでは、オランダ勢が最大のライバルで、日本選手団が過去最多のメダル数を獲得できるかどうか、カギを握りそうだ。