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『恋愛プレイリスト』は再生回数6億超え! 韓国デジタルドラマの進化

東亜日報より

モバイルの領域超え、プラットフォーム拡大

「『片思いの合図』シリーズは制作費の数倍稼ぎました。オリジナルの知的財産(IP)の生産性を上げて百倍、千倍を売り上げるスーパーIPを作るのが目標です」(イ・ミンソクWHYNOT MEDIA代表)

「私たちの作品は、ソヨン高校、ソヨン大学など共通の空間背景で世界観を作っています。コンテンツが連結性を持つのでファンがどんどん拡大していきます」(パク・テウォンPlaylist代表)

「世界観の最強者」と呼ばれるマーベルや、ドラマ1話に数十億~数百億ウォンをかけるグローバルオンライン動画サービス(OTT)のことではない。国内のコンテンツ企業が作るデジタルドラマのことだ。ユーチューブで配信された頃はウェブドラマと呼ばれたが、最近はOTT、放送チャンネルまでプラットフォームが広がり、デジタルドラマと呼ばれる。

2016年に設立され、毎年5、6本ずつ30本余りのオリジナルドラマIPを作り続けてきたWHYNOT MEDIAは、デジタルドラマで初めて累積再生回数が1億回を超えた「片思いの合図」(2016~2017年)、2シーズンを合わせた累積再生回数が1億5千万回に達した「不良に目をつけられた時」(2019年)など、大ヒット作品を生み出した。シーズン4まで累積再生回数が6億回を超えた「恋愛プレイリスト」、10代の「文化大統領」役を果たす「A-Teen」を相次いでヒットさせたPlaylistは、それぞれの作品ごとにつながる世界観を軸にファン層を作り出した。

ユーチューブを中心にしたオンラインプラットフォームで配信されるデジタルドラマを10分程度で軽く楽しむ「スナックカルチャー」と表現した時代は終わった。2010年代初めに登場し、2015年から本格的に人気を集めるデジタルドラマは、速い展開と核心に集中した描き方、固定ファンを基盤に第2の飛躍に向けて準備中だ。動画コンテンツ消費プラットフォームがテレビからモバイルに転換され、デジタルドラマの視聴層は10代から30代以上に、ランニングタイムは10分程度だったのが30分以上に進化してきた。

世界観、ディテールまで…MZ世代に浸透

デジタルドラマの消費トレンドを主導するMZ世代(ミレニアル世代+Z世代)に浸透した主な要因は、モバイルで視聴するのに最適なコンテンツをいち早く提供したことだ。モバイルで動画を見る時、視聴者はテレビよりももっと高いレベルでのめり込む作品を求める。「テレビはつけておいて、他のことをしたりもするが、モバイルで動画を見る時には15秒のCMでも流れが途切れて視聴者が嫌がる。集中できることが重要だ」と話すのは、カカオMのモバイルコンテンツ本部長シン・ジョンス氏の説明だ。このために立てた原則は速い展開と核心部分に集中できるストーリーだ。デジタルドラマは10分程度のコンテンツの中に起承転結、最後の「クリップハンガー(盛り上がったところで次の展開が気になるようにする技法)」まで詰め込む。

再生回数1157万回を記録した「不良に目をつけられた時」シーズン1のエピソード1は、8分ほどの動画の中に女性主人公が自分にしつこく連絡してくる男子生徒をあきらめさせるため、オンライン上で見つけた男性の写真をSNSのプロフィール写真にして彼氏がいるように見せかけたところ、その写真の男性が同じ学校の不良だったという過程が息つく間もなく展開する。

速い展開の代わりに完成度は低いというのも昔の話だ。氾濫するデジタルコンテンツのなかで数百万の再生回数を記録し、ファンを獲得するにはリアルな世界以上のディテールと世界観が必要だ。これを最もうまく活用しているのがPlaylistだ。Playlistの作品にはソヨン高校、ソヨン大学、カフェ「リフィール」など、共通の背景が出てくる。「A-Teen」の主人公の高校生たちが、「恋愛プレイリスト」の背景だったソヨン大学を志望し、彼らが放課後に行くカフェ「リフィール」では「恋愛プレイリスト」の主人公たちがアルバイトをしている。Playlistのコンテンツに接した視聴者は自然と他のコンテンツにも関心を持つようになる。

ドラマの放映直後、韓国と日本でファンミーティングが開かれたほど、10代の間では熱狂的な人気を誇る「A-Teen」は、登場人物のビジュアルのみならず、性格やジェスチャー、習慣などについて「百問百答」を作ってキャラクターの特徴を具体化した。パク代表は「共感だけでなく、憧れの感情まで引き出して、10代が真似したくなるように作った。10代の利用の多いコミュニティーを調査して10代にインタビューし、キャラクターを綿密に設定した」と話す。

「10代だけが見る学園ドラマ」は昔の話

オンライン上で影響力を持つデジタルドラマの制作者たちは既存の「ウェブドラマ=10代が見る学園ドラマ」という固定観念を崩している。既存の5~15分程度から、25~35分程度のドラマが続々と出てきている。こうなれば、ユーチューブやネイバーTVなどのモバイルプラットフォームはもちろん、既存メディアやグローバルOTTにも拡大できる。

Playlistは今年1月、MBCとランニングタイム30分程度の「XX」を共同で制作し、同時に放映したのに続き、12月にはJTBCと30~40分の「LIVE ON」も共同制作し、同時放映中だ。WHYNOT MEDIAも来年グローバルOTTと手を組んでドラマ制作を準備中だ。

コストパフォーマンスのいい短いドラマからデジタルドラマにイメージが変わってきたコンテンツは、自然と収益性向上を主導している。これまで既存のドラマのように商品や企業を宣伝したり、PPL(間接広告)などで収益を上げてきたデジタルドラマは、海外での流通によって収益の多くを回収している。WHYNOT MEDIAとPlaylistは日本、中国、東南アジア、米国などのオンラインプラットフォームやOTTにコンテンツを販売している。WHYNOT MEDIAは上半期の作品の場合、全体の売り上げのうち海外販売が占める割合が飛躍的に伸びる見込みだという。

(2020年12月7日付東亜日報 キム・ジェヒ記者)

(翻訳・成川彩)