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シリコンバレーで日本語が熱い! 以前とは違う彼らが学ぶ理由

働くママのシリコンバレー通信
イラスト:tanomakiko

サンフランシスコ・シリコンバレー で日本語を学ぶ人たちが急増しています。

わたしが所属する北カリフォルニア・ジャパンソサエティは、1905年に設立された非営利団体で、日本とアメリカの相互理解を深めるためにさまざまなプログラムを開催しています。その一つに大人向けの日本語クラスの提供があります。現地の企業に無料で提供して頂いた会議室などを使ってシリコンバレーの全域に教室を設け、レベルも細かく分けて年間で100以上の講座を低価格で開講。現地の人が日本語を気軽に学べる環境を作っています。

現地の企業に無料で提供して頂いている会議室を利用してクラスを開講しています=北カリフォルニア・ジャパンソサエティ提供

どれくらい日本語学習人口が増加しているかというと、年間総受講者数が2年前の500人から850人以上にも増えました。これまでは初級クラスを受けた後、上のレベルのクラスに進まない受講生が多かったのですが、ここのところ中級、上級へと継続する人が増加。また、旅行に行く人が多くて人数が少なかった夏のコースも最近は逆に増えています。シリコンバレーは渋滞がひどいので、教室を市内各地に設けて通いやすいよう工夫もしました。プライベートレッスンの問い合わせもひっきりなしにあります。

男性生徒が圧倒的に多いのもシリコンバレーの特徴です。特に上級クラスに上がっていくと、男性比率が大きくなっていきます。シリコンバレーはエンジニアの街なので、彼らは一旦何かにめり込むと没頭する、思い切りハマる、というのがあるのかもしれません。私が日本で英会話や通訳の学校に行っていたとき、生徒はほとんど女性だったので、「逆だなあ」と思って見ています。いずれにせよ、語学というのはその国に興味を持ってもらい、持ち続けてもらう一番の入り口。仕事帰りに頑張って通い、勉強を続けている生徒さんをみて、とても嬉しく感じています。

ところで、「なぜ日本語をやりたいのか」と聞いてみたところ、下のような理由が主に挙がってきました。

 - 1年に1度は日本に旅行で訪日しているので、会話ができるようになりたい。東京や京都はもう行ったし、地方にも行くし、地元の人と話したい。
 - テラスハウスにはまっている。
 - 小さい頃から観ていたアニメ、ゲーム、または、J-POPなどのサブカルチャーの影響。
 - 日本人のガールフレンドが欲しい。
 - 日本の文化が好き。食文化、抹茶(Matchaブームはここ数年続いています)や歴史に興味がある。

また、「日本に1年留学した。LGBT、女性の地位向上促進がアメリカより遅れているから、そういった関連の仕事につきたい」と回答してくれた若い学生もいました。いずれは、日本に住んでみたい、働いてみたい、留学したい、という声もありました。

Apple や Google をはじめとして、IT企業で働いている生徒さんが大勢います。仕事で使うということはほとんどないんでしょうけれども、日本が好きで日本語を学んでる人が多いです=北カリフォルニア・ジャパンソサエティ提供

「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と呼ばれた70年代後半からバブル崩壊前にかけて日本語を勉強したアメリカ人は多いですが、今のこの日本語ブームとは受講の目的がかなり違っていることがわかります。以前は、「仕事で必要なので仕方なく」でしたが、今は「日本が好きだから」という人が圧倒的に多いです。サンフランシスコがある西海岸はアジア系が多く占めているので、日本に馴染みがある人が多いという要因もあるかも知れません。

サンフランシスコのようにジャパンタウンがあり、お茶や書道の教室があったり、アニメのコスプレのイベントがあったり、日本と触れ合う機会が多い都市は特別で、一般の地方都市ではこういったコンテンツが日本に触れ合う唯一のきっかけとなっていきます。ジャニーズのインターネット解禁で嵐もNetflix進出。彼らのドキュメンタリーが公開されるようになりました。音楽のストリーミングアプリのSpotify などでもJ-POPがたくさん聴けます。とは言え、日本国外では視聴できないオンデマンド番組もたくさんあります。お金を払っても観たい、聴きたい、というニーズは多いので、ジャパンファンを増やすためにもこういった壁はどんどん低くなっていくといいな、と希望しています。

週に1回で、6:00pm もしくは6:30pm から2時間のクラスです=北カリフォルニア・ジャパンソサエティ提供

生徒さんの中には、両親が中国、台湾、香港などからの移民で、自分はアメリカ育ち、中国語は親にやらされていたけど昔からあまり興味なくて、だけど日本語は熱心、という人も結構います。「ご両親はそのことに対してどう反応しているの?」と聞いてみると、「まあ、ちょっとがっかりしているかも。日本にしょっちゅう行くなら中国も寄ってきなさい、と言われることあるけど…」とのこと。私の10歳の子供も細々と日本語学習を続けていますが、他の言語やカルチャーに興味が移ることもあるかもしれません。彼らをみていて心の準備ができてきました。

日本語クラスの様子