前回に引き続き、シリコンバレーの「当たり前」が今年、日本にも登場して、もしかしたら日本でも「当たり前」になる「かも」しれない例の続きをご紹介していきます。
その1 Slack (コミュニケーションツール)
私はシリコンバレーの南方面の会社訪問などの際にはサンフランシスコとサンノゼを結ぶCalTrain(カルトレイン)、通勤は北に向かうBart (バート)という電車を利用して移動しています。座っている乗客はどんな様子かというと、朝は座っている人はほぼ全員ラップトップで仕事。到着駅手前になり、立ち上がってふと周囲を見渡すと、全員のスクリーンが紫のSlack の画面のときがときどきあって、その光景はちょっと圧巻です。スマートフォンを見ている人も同様にSlackを見ている人が多いです。チーム内のコミュニケーションツールのSlack は、シリコンバレーの特にテック系の企業では使っていないところがないのではないかでは、というくらい浸透しています。
私もそうですが、Slack は1日何百通以上も届くメールに心底うんざりしているユーザの心をぐっと掴んで成長しました。類似のチャットプラットフォームは他にもありましたが、ユーザビリティがなんと言っても高く、使い勝手が素晴らしい。日本語版も開始されているので、これから日本でもさらに浸透していくかもしれません。Slack はオープンコミュニケーションなので、下からの意見を吸い上げて全体的にまとめていき、何かが決定する際には全員がもう周知の事実、という日本のボトムアップ型に馴染む気がしています。また、メールでのやりとりだと余分な操作も発生するし、意見を発言するのに躊躇しがちなメンバーもSlack のようなチャットだと気軽にディスカッションに参加しやすいのも特徴です。
最近は会社以外でも頻繁にやりとりがある相手とはメールより生産性がぐっと高まるのでSlackを利用することが多くなりました。アカウントがどんどん増えてきているのがちょっと悩み。
その2 レンタルドレスのサブスクリプション
私くらいの世代になると、結婚式に出席する回数は減少し、また、親しい友人のお子さんが結婚するにはまだ早いので、華やかな場に参加することはしばらくなかったのですが、ふとしたことから北カリフォルニア・ジャパンソサエティの仕事をすることになって、華やかなパーティのGALAや、レセプション、新年会、式典などなどで、カクテルドレスを着る機会が増えました。だからと言って、一着 $1,000以上するドレスを頻繁に購入するのは経済的な負担が高く、また、違うパーティでも出席者が一部同じだったりすると、「また同じドレス着てる」と思われるかもしれないので(まあ、どなたも気にしてないかもしれないですが)、Rent The Runway(レントザランウェイ)というレンタルドレスサービスを利用しています。
普段の仕事服では、Le Tote という同様のレンタルドレスサービスとRent The Runwayと交互に利用していますけれども、ウェブで注文、着たあと郵送で返却、注文してまた着たら返却と繰り返します。Rent The Runway は、 ドレスなど単品で数日間だけ期間限定で借りることもできます。気に入ったら購入することも可能。何よりクリーニング不要でただ戻せばいいだけなので、手間が省けるのと、レンタルなので買わないけどちょっと試してみたい、という冒険ができるのと、服がどんどん増えていかないので気に入っています。
「年間約$1000も洋服レンタルに費やすのであれば、$100の服を年に10枚所有できるじゃないか。」という声が上の世代から聞かれますが、ミレニアル世代が望むのは10枚の服を所有するのではなく、100枚の服を楽しむことに価値を置く傾向があります。
Rent The Runwayの実店舗でも返却や実際に洋服を見たりすることができます。サンフランシスコのユニオンスクエアの側にある店舗では、こんなに盛り上がっている小売店はない!と思うくらい仕事帰りの若い女性で大にぎわいしています。
シェアリングオフィスのWeWork とRent The Runwayが提携し、洋服返却ボックスがWeWork のコ・ワーキングスペースの一部に置かれるようになりました。これをみたときは、どっちもニーズ分かっているわぁ、と感心しました。 WeWorkのユーザは、まさしくRent The Runwayのユーザでもあるからです。
日本の方がアメリカよりもずっとファッションに対する意識が高い人が多いので、普及するかもしれないですね。
その3 娯楽としてのマリファナ
前回の記事でも触れましたが、コーヒーの飲む量が減っている、お酒を飲む量も減ってる、タバコを吸う人口も減少している、というミレニアル世代。では、この嗜好品がカットされた分はどこにいっているのかというと、マリファナに多少いっているのかな、と思うことがあります。カリフォルニア州では医療目的では以前からメディカルカードを所有していればマリファナの購入は可能でしたが、昨年から嗜好品として一般人でも買えるようになりました。マリファナビジネスのスタートアップも増えて、街中でも大々的に宣伝しています。
マリファナは1000%絶対に日本で普及することはないと思うんですけど、カリフォルニアのトレンドとしてご紹介してみました。