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4億人が貧困生活のアフリカ 対岸の火事ではいられない

アフリカを旅する
リベリアの首都モンロビアの市場で、ポーズを取る少年=2018年1月21日、石原孝撮影

首都の中心部に30階建て以上の高層ビルが立ち並ぶ一角に、トタン屋根の民家が点在する。富裕層も利用するレストランやスーパーマーケットの前では、子どもたちが物乞いのために待ち構える。今年6月、アフリカ有数の石油産出国、アンゴラで見た光景だ。

アンゴラの首都ルアンダ中心部。高層ビルの合間に、トタン屋根の家が並んでいた=6月7日、石原孝撮影

サハラ砂漠以南のサブサハラ諸国(49カ国)は、2015年時点で約10億人の人口を抱える。経済成長とともに富を得て豪邸に住む人がいる一方、世界銀行の統計では、全体の3分の1以上となる4億1300万人が今も貧困ライン(1日1.9ドル以下)での暮らしをしている。1日あたり200円での生活だ。

アンゴラに限らず、南アフリカでもケニアでもナイジェリアでも、高層ビル群とスラム街が共存する国は多い。貧富の格差は、如実に現れている。

1人の女性が5人の子どもを産むのは珍しくなく、一夫多妻制度がある国や地域も少なくない。2030年になっても貧困ラインで暮らす人数はほとんど変わらないとみられている。

ウガンダの首都カンパラから北東に約45キロ離れた村で暮らす子どもたち。学校には行けず、料理の手伝いをしていた=2017年10月15日、石原孝撮影

何度か訪れている南スーダンの首都ジュバでは、知人の親族の結婚式に招待されたことがあった。独立から紛争が続き、地元の人でも夜間の外出を避けようとする時期だった。私は遅くなる前に途中で退席させてもらったが、政治家ら数百人が出席した盛大なパーティーは深夜まで続いた。

だが、結婚式会場からさほど離れていない場所には、戦禍を逃れた避難民が暮らすキャンプもあった。

複数の家族に取材をすると、いずれもキャンプで生まれた赤ん坊や幼子がいた。避妊が浸透していないのは明らかだった。地元で名士だったという男性は、3人の妻(専業主婦)と10人以上の子どもたちと暮らしていた。「生活は苦しいが、どうすることもできない」と嘆いた。

南スーダンの首都ジュバ近郊にある避難民キャンプで暮らす家族=2017年12月14日、石原孝撮影

国連などが運営する学校で学んでいた中学生年代の子どもたちも、置かれた環境は不安定だ。「医者になりたい」「弁護士になりたい」などと自分たちの夢を語ってくれたが、食事は配給に頼り、大学に進学できる保証はない。運良く入学・卒業できても、安定した職が見つかるかは分からない。

資本主義の社会で生きている以上、多少の格差は付きものだし、それを否定するつもりはない。だが、困窮する若者たちを放置していれば、過激派グループに入って私たち外国人を狙ったテロ事件を起こしたり、欧州などに渡ったりする人も出てくるだろう。対岸の火事とは言ってられないのが実態なのだ。