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「イランの本当の姿伝えたい」 サヘル・ローズが語る「イランと私」 

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サヘル・ローズさん=山本和生撮影

【前の記事を読む】公園を埋め、そして消えたイラン人 あの波は日本に何をもたらしたか

中学生のころ、いじめに遭いました。当時、日本にいたイラン人について変造テレホンカードの売買や不法滞在などの報道があり、「イラン出身」という私に、言葉によるいじめがエスカレートしていきました。

そのことで、イランのことが嫌いになった時期もあります。でも、母からは「自分の国を嫌いなんて言っちゃだめ。誇りに思いなさい」と諭されました。

親のほうが大変なんです。子どもは学校で友達もできるけれど、親は最初は言葉もできないし社会になじむのに時間がかかる。三者面談にもいけない。朝から晩まで必死に働いている親のことを悪く言われるのが一番つらかった。

いまもアメリカのトランプ政権がイランに対して経済制裁をしています。イランは平穏なのに、周りの国で起きている紛争と一緒くたにする人も多く、イランというと「大変だね」のひと言で終えられてしまうのが切ないですね。

なぜなら、イランは文明発祥の地であり、映画をはじめ芸術の国でもあります。砂漠の印象が強いと思いますが、四季があり、スキー場もあり、マリンスポーツもできる素敵な国なのです。

せっかく芸能界でお仕事をさせていただいているので、イランの本当の姿を発信したい。イランが苦しい状況に追い込まれれば追い込まれるほど、私にも何かできないかと考えてきました。

残念ながら「イランを出た君に何がわかるんだ」と言われてしまうこともあります。それでも、最近は周りの見る目が変わってきたとも感じます。「サヘルのおかげでイランが好きになった」と言ってくれる人が増えてきたのです。

「出る杭は打たれる」といいますが、出ない限り打たれないので、とことん出ていこうと思っています。      

*1985年、イラン生まれ。幼少時代を孤児院で過ごし、8歳で養母と共に来日。高校時代から芸能活動を始める。「探検バクモン」(NHK総合)で司会役を務めた。夢はイランに児童養護施設をつくること。