「アフリカの北朝鮮」と呼ばれることもあるアフリカ東部のエリトリア。あまり知られていませんが、イタリアに長く統治されていたため、今もイタリア様式の建築物が多く残っています。謎に満ちたエリトリアを紹介する2回目の今回は、世界遺産にも指定された首都アスマラの街並みなどについて取り上げます。
イタリアが他の列強諸国と同様に、アフリカ進出の拠点としてこの国を植民地にしたのは1890年ごろ。
1941年までアスマラに教会や映画館、銀行などを建設し、「第2のローマ」「リトルローマ」などと呼ばれました。2017年には「アフリカの近代主義都市」として世界遺産に指定されました。
アスマラ中心部の大通りに面するのは、カトリックの大聖堂。高い建物がほとんどないアスマラで、時計塔は散歩をする際の目印にもなります。すぐ近くには、エリトリア正教の教会もあります。どちらも礼拝がある日曜日に訪れたので、大勢の信者が祈りを捧げていました。
イタリア人建築家の設計で建てられたというガソリンスタンドの建物は、なんと飛行機型。遊び心が満載ですが、両翼が崩れる可能性もあるらしく、現在は休業中とのこと。標高が2千㍍超もあるアスマラから、標高の低い東部のマッサワに向かう途中には、山の合間にできた道をラクダ使いがゆっくりと下っていました。
世界遺産巡りに疲れたら、街の至る所にある喫茶店に寄るのがお薦め。地元の人たちと同じように、コーヒーや紅茶を飲んで一息入れましょう。店から通りを見ると、80年代くらいの日本車などが今も現役で走っていました。中には、ワイパーがうまく動作せず、後部座席のドアが開かない車もありましたが、それも古い建物が残る景観とマッチしているような気がしました。