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「幽霊駅」でホラー映画はいかが? 韓国ロケ誘致

現地発 韓国エンタメ事情
雪景色のNソウルタワー=ソウル映像委員会提供
雪景色のNソウルタワー=ソウル映像委員会提供

韓国は近年、映画やドラマのロケの誘致に力を入れている。日本でも都道府県や市などにフィルムコミッションがあり、ロケ地を紹介したり、撮影に協力したりしているが、韓国はさらに渡航費や滞在費など、金銭面でも支援が手厚い。11月末、フィルムコミッションの役割を果たしている韓国映像委員会やソウル映像委員会、仁川映像委員会などが来日し、日本の映画、ドラマ関係者に向けた説明会を開いた。

よく日本の映画関係者から、「韓国は映画製作に対する支援が手厚くてうらやましい」という話を聞くが、支援の対象が韓国映画に限らないというのはあまり知られていなかった。韓国ロケに興味のありそうな日本の監督やプロデューサーを誘って、私も東京での説明会に参加してみた。

ソウル映像委員会の支援内容を聞いてみると、まずはソウルを舞台にした映像作品のシナリオ創作支援。ソウルに滞在しながら、ソウルを舞台にしたシナリオを書く場合、日本とソウルの往復航空券、30日間のホテル滞在費をソウル映像員会が負担してくれる。もちろん何でもかんでも支援してくれるわけでなく、シナリオ(または草稿)の提出など条件はある。

その他、ロケ地を探すためのロケハンにかかる費用や、製作費の一部も負担してくれる。細かい条件があって一律には言えないが、製作費の3割を負担してくれることもあるそうだから、かなり太っ腹だ。

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Nソウルタワーかいわいの夜景=ソウル映像委員会提供

ところで、日本の代表的なフィルムコミッションに一つに、神戸フィルムオフィスがある。2000年に立ち上がった神戸フィルムオフィスが、その名をとどろかせたのは、映画「GO」(2001)だ。主人公の杉原(窪塚洋介)が、迫りくる地下鉄を背景に線路を猛ダッシュするという、迫力のシーン。市営地下鉄が、よく撮らせてくれたな、と驚いた。神戸フィルムオフィスの尽力の賜物だ。

ソウル市にも、そんな撮影にぴったりの場所があるという。普段は非公開の、「幽霊駅」だ。ソウル映像委員会の担当者は、「地下鉄2号線新設洞(シンソルトン)駅の下に実はさらにもう一つの駅があるんです」と言う。地下鉄の路線建設計画が変更されたため、廃駅となってしまった。映画やドラマの撮影の場合は、特別に入らせてもらえるそうだ。周りの韓国の友達に話してみても、一様に「そんな駅があるなんて本当?」と、信じられない表情だった。「ホラー映画に最適です」と、担当者。

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撮影OKの普段非公開の廃駅=ソウル映像委員会提供
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通常は非公開の廃駅=ソウル映像委員会提供

さらにおすすめのロケ地を聞いてみたら、似たような理由で、ソウル市の中心部からちょっと離れた上岩洞(サンアムドン)のデジタルメディアシティーかいわいを挙げた。放送局が多い地域だが、後から整備された地域のため、道路は広々としている。交通量が少なく、交通規制をしての撮影が容易だという。ハリウッド映画「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」(2015)も、ここで撮影された。

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交通規制が容易なデジタルメディアシティー=ソウル映像委員会提供

そして何より、ソウルのシンボル、Nソウルタワー(注:南山タワーから名称変更)。雪景色のタワーも、タワーから見下ろすソウルの夜景も、絶景だ。

ソウル以外も、仁川、釜山、済州など全国各地に映像委員会があり、それぞれ支援をしている。どこで撮ったらいいのか分からない場合は、統括している韓国映像委員会(http://www.kfcin.or.kr/)へ。説明会に来ていた、ドキュメンタリー映画「ゆきゆきて、神軍」「ニッポン国VS泉南石綿村」などで知られる原一男監督は、「日本で撮るつもりだった企画中の映画があるが、設定をがらっと変えて韓国で撮ろうかな。その方が早そうだ」と、話していた。撮影許可、資金面で悩んでいる皆さん、韓国ロケという選択肢もありますよ。