1. HOME
  2. LifeStyle
  3. 「アジアでプロサッカー選手になりたい」 夢を叶え、セカンドキャリアの不安も解消

「アジアでプロサッカー選手になりたい」 夢を叶え、セカンドキャリアの不安も解消

アジアの渡り鳥
アスリート支援「ワイドPLUS」を始める大栄建設の里圭介社長(左)と伊藤壇=写真はすべて本人提供
アスリート支援「ワイドPLUS」を始める大栄建設の里圭介社長(左)と伊藤壇=写真はすべて本人提供

海外でプロサッカー選手としてプレーすることを夢見て、アルバイトをして渡航資金を貯めている人の話をよく聞きます。その際、急に舞い込んでくるトライアルの話を、アルバイト先との契約の都合で逃してしまうケースが多いのが現状です。

これまでアジア20の国や地域を渡り歩いてきた僕ですが、自身の経験やコネクションを活かし、そんな境遇の選手をサポートするプロジェクト「ワイドPLUS」をスタートさせました。

札幌に本社を置く「大栄建設」が、プロ契約を目指すサッカー選手を正社員として雇用し、チームが見つかった場合は休職扱いとし、オフシーズンや引退後には復職できるシステムをつくりました。道外からの希望者も見据え、すでに石狩市内に5LDKの一軒家を借り、受け入れ態勢は万全です。このアスリート支援「ワイドPLUS」は休職中も海外での住宅手当を保証するなどして夢を持ったアスリートを強力にバックアップします。

僕はアドバイザーという立場で選手の窓口となり、またチーム探しの際に仲介人いう形でプロジェクトに携わります。11月上旬、「スポーツ報知」が報じて、その後Yahoo!ニュースでも配信されたことでご存じの読者もいらっしゃると思います。

JFLや地域リーグでは、企業所属のプロ契約選手やチーム在籍中はスポンサー企業で働いている選手はいますが、そのほとんどは引退後のことは何も保証されていません。セカンドキャリアとして指導者や仲介人などをめざす選手は多くいますが、今の日本のサッカー界では、元日本代表ですらその肩書だけでは食べていけないのが現状です。

伊藤壇さん4回1
サッカースクール「チャレンジャス」で練習する子どもたち

一方、建設業界は深刻な人手不足なので、ワイドPLUSを実現することでWin-Winの関係になると考えました。

かつて僕と同じ登別大谷高校(現大谷室蘭高校)サッカー部のユニフォームを着て国立競技場を目指していた里圭介社長だからこそ、夢を持った選手の気持ちや不安を誰よりも理解してサポートしてくれることになったと思います。

選手たちが、海外に行っている間は「大栄建設」の一員であることを自覚して感謝を忘れずプレーするとともに、現地で得た建設業界の実情をレポートしたり、そこでコネクションを築いたりしてほしいと思っています。それらが、ひいては大栄建設の海外進出への足がかりとなる可能性を秘めています。

定員は特に定めていませんが、社員となるからには、将来的には大栄建設を支える存在となるべく、努力してくれるような人材を求めています。そのために、会社側では、資格取得にかかる費用までバックアップしてくれますし、海外に出る前の社内ポジションは帰国後も保証してくれます。また、いずれはサッカーだけでなく他のスポーツの選手も受け入れたいと考えています。

2016年にモンゴルリーグでプレーした山本真也さん(46)が、すでに受け入れ第1号として決まりました。彼は仙台大学サッカー部の先輩でもあり、僕が2017年10月に地元札幌でスタートしたサッカースクール「チャレンジャス」を手伝ってもらっています。12月1日付で入社し、働きながらアジアの国での監督を目指します。

伊藤壇さん4回2
「チャレンジャス」で指導をする山本真也さん

このように、選手のみならず、監督やコーチなどサッカー関係で夢を抱いている人たちも対象です。

これとは別に、2014年から毎年12月、アジア各国でプロ契約を目指している日本人選手をバンコクに集めて合同トレーニングを開いています。これまで、アマチュア選手から元日本代表選手まで数多くの参加者を得て、お互いが刺激を受け合い、質の高いトレーニングをして契約に結びつけてきました。

気候や治安もよく物価も安いバンコクは、トレーニングには最適の地と言えます。またこの時期、バンコクにはアジア各国のチームが強化合宿に訪れるため、その国まで出向かなくてもバンコクにいながらにしてチームのトライアルに参加できるというメリットもあります。

伊藤壇さん4回3
アジア各国でプロ契約を目指している日本人選手をバンコクに集めて合宿の合同トレーニングを開催

今年からは年末年始を使い、子どもを対象としたバンコク短期留学もスタートすることにしました。合同トレーニングに来ている日本人プロ選手たちとのトレーニングや直接指導、現地のチームとの練習試合を組む予定です。

現地タイのプロチームはオープントライアルを実施しているところも多く、そこには世界各国から日本人を含め何百人もの選手が参加し、しのぎを削ります。通常、オープントライアルはゲーム形式で行われ、30~45分の決められた時間内でアピールしなければなりません。最後に名前を呼ばれた数名のみが契約となる非常に狭き門です。子どもたちには、真剣勝負であるオープントライアルを見学する場を設け、プロサッカー選手になることの厳しさも伝えていけたらと思います。

なお、各プロジェクトへのお申し込みやお問い合わせは、「チャレンジャス」サイト内コンタクト(http://challengeus2014.com/contact/)から受け付けています。チャレンジャスは、全国の熱い志を持った選手たちをサポートしていきます。

(構成 GLOBE編集部・中野渉)