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スタートアップW杯東京予選、「カウシェ」優勝 ゲーム×ECの次世代買い物体験で世界へ

スタートアップワールドカップ 更新日: 公開日:
「スタートアップW杯2026」東京予選で優勝した「カウシェ」代表取締役の門奈剣平氏(右前)と主催者のアニス・ウッザマン氏(左前)=2026年7月17日、東京都内、玉川透撮影

世界最大級のスタートアップ(新興企業)によるビジネスコンテスト「スタートアップワールドカップ(W杯)2026」東京予選が7月17日、東京都港区のグランドハイアット東京で開かれた。約250社の応募の中から厳正な審査を経て選ばれたファイナリスト10社が集結。世界決勝への切符をかけた激戦を制したのは、ゲームとEコマース(EC)を掛け合わせた新しい買い物体験を提供する「株式会社カウシェ」(本社・東京都渋谷区)だった。

2017年に始まったスタートアップW杯は、米シリコンバレーを拠点とするベンチャーキャピタル「ペガサス・テック・ベンチャーズ」が主催。8回目となる今回は世界130以上の国・地域で予選が開催されている。

東京予選の会場には、オンラインを含めて約4000人の観客が詰めかけ、各社代表によるプレゼンに熱い視線が注がれた。 

優勝したカウシェが展開する事業は、欲しいものを検索して買う従来のECとは異なる、「発見型EC」というお買い物体験。その中核となるのが、2023年10月にリリースされた農園ゲーム「カウシェファーム」だ。ユーザーがアプリ内でデジタルの作物を育てて収穫すると、実際の農産物などの商品が無料で自宅に届く。

物価高が続く中で「お得さ」と「楽しさ」を両立させた独自のビジネスモデルが高い評価を受け、累計ダウンロード数は2026年7月時点で700万件を突破しているという。 

この日の審査でも、ゲーミフィケーションを農業につなげたユニークな発想と仕組み、グローバル市場での可能性が高く評価された。

自らプレゼンに登壇し、優勝を決めた代表取締役CEOの門奈剣平氏は、「絶対勝つつもりで来ました。応援に来てくれた30人の従業員の前で、結果的に勝つことができて本当にうれしい。お得だと思ってやっていたけれど、気がついたらみんなとの絡みの理由ともなって、生活も楽しくなっていくというところを、日本ならではのストーリーとして世界に持っていきたいです」と世界決勝へ向けての意気込みを語った。

スタートアップW杯2026の日本国内予選は、名古屋(4月23日)、東京(7月17日)、九州(8月26日、熊本)の3地域で開催される。各予選を勝ち抜いた日本代表3社は、2026年11月に米サンフランシスコで開催される世界決勝に出場。世界中から集まる各国のチャンピオンたちと競い合い、みごと世界王者に輝けば、優勝投資賞金100万ドル(約1億6000万円)を獲得できる。

優勝した「カウシェ」門奈CEOの東京予選プレゼンの主な内容は以下の通り。

「スタートアップW杯2026」東京予選でプレゼンずる「カウシェ」代表取締役の門奈剣平氏(中央)=2026年7月17日、東京都内、玉川透撮影
「スタートアップW杯2026」東京予選でプレゼンする「カウシェ」代表取締役の門奈剣平氏=2026年7月17日、東京都内、玉川透撮影

「日本はまだまだ元気だ」をシリコンバレーで証明する

次世代の買い物アプリをつくるカウシェです。

いきなりですが、皆さん、いま世界では買い物をエンタメ化するというのが、めちゃめちゃ盛り上がっていまして、最大ですと、年20兆円のビジネスになっているところもありますね。その仕掛けとは何か?

正解はなんと野菜ゲームと掛け合わせたEコマース(EC)になるんですね。

秘密をご説明します。お客様は1カ月野菜を育てていくと、タダでもらえるんですね。本当にタダで配っているんですよ。

なぜ、我々が無料で配ることができるかというと、育てる過程にはアイテムが必要なんですね。それは、水とか肥料なんですけど、そのためには、買い物をしていただいたりとか、友達を招待していただいたりする必要がありますね。

つまり、お客様が野菜の成長を目指していく過程で、カウシェの成長にも同時に貢献していただく仕組みになっています。

お客様からの声ですが、最初はお得だと思ってスタートしたんですけど、今は、パートの職場のみんなと楽しくワイワイするきっかけになっていると言っていただいて、非常にうれしいなと思っています。このジャンル、新しいんですが、「ソーシャルコマース」「ゲーミフィケーションコマース」とも呼ばれたりしています。 

いま、私たちの月間の粗利(売り上げ総利益)が約5.2億円。年換算をしていくと、62億円になっています。日本の中心スタートアップの中で、この数字はあまり見ないと思います。

お客様の濃度が非常に高いです。半分の方が毎日訪問していて、1日なんと50分滞在していただくんですね。それは、買い物として促しやすいわけなんです。非常にビジネスとしても効率が高いです。

私たちは、46億円をVC(ベンチャーキャピタル)や銀行から調達しました。さらに先日、DeNAと、日本でも珍しい資本業務提携をしています。それは何かというと、我々自身は独立した経営の状態ですけど、DeNAからUX(ユーザーエクスペリエンス)にすごく強い人材を10人出向していただくという形なんですね。この領域で一番強いUXをつくっていくポジションを押さえていきます。 

じつは私たち、年62億円の粗利をたった39人の従業員でつくっているんですね。1人当たり換算すると、年1.6億円の粗利を生んでいることになります。これまで「数百人じゃないとECはつくれない」と言われてきたんですけど、とにかく少人数で、何でもスケーラブルにしていくことを目指しています。

私たちは、新しい買い物文化を創造していきます。何より、私自身が創業した目的でもあるんですが、日本にユニコーン(評価額が10億ドル以上のスタートアップ企業)、デカコーン(100億ドル以上)がどんどん出てきて、「まだ日本は元気だ」ということを世界に証明していきたいと思っています。

「スタートアップW杯2026」東京予選で優勝した「カウシェ」代表取締役の門奈剣平氏(右)と主催者のアニス・ウッザマン氏=2026年7月17日、東京都内、玉川透撮影