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【地球をつまみ食い】本場・四川は「串串香」 特派員が愛する辛口スープの正体は

地球をつまみ食い 更新日: 公開日:
四川省では、串に刺さった食材を火鍋にくぐらせて食べる

仕事のヤマを越えた日の「ご褒美」といえば? 中国特派員が選ぶのは「麻辣湯(マーラータン)」。100種以上の具材から自分好みに作る、中国定番のB級グルメ。「週1回」のルールを決めるほどハマる、その中毒性の正体とは。

この記事は、朝日新聞(デジタル版)の連載「地球を食べる」で2021年2月1日に配信された記事を再構成してお届けしています。本編記事はこちらから

麻辣湯のポイント4つ

  1.   100種からカスタムできるお店も! トングとボウルを手に、野菜や肉、練り物などを自由に選ぶ量り売りシステム。自分だけのオリジナルスープが作れる
  2.   スープを吸った「お麩」が最強。 記者のマストアイテムは、スープが染みてとろける油面筋(お麩の一種)。ニンニクのきいた微辛スープと相性抜群
  3.   記者が自らに課した絶対ルール。 あまりに好きすぎて飽きるのを避けるため、そして感動を保つため、食べるのは「週1回まで」
  4.   作る人によって、または日によって味が微妙に変わる一期一会メシ。好みの味の店を見つける楽しみは無限大

もっと知りたい

1, 生活を決めるほどの中毒性

仕事を頑張った日、疲れた夜に無性に食べたくなるのがマーラータン。その魅力に取り憑かれた中国特派員の記者は、自宅アパートを決める際も、好みの味の店が近くにあることを決め手にするほど

2,  特派員こだわりのマスト具材

おすすめの具材は、白菜、ホウレン草といった定番に加え、タケノコ、湯葉、魚のすり身団子など。特に欠かせないのが、だしが効いてほんのり甘い「日本豆腐(卵豆腐)」と、スープを吸わせて絶妙な食感になる「油面筋(お麩)」や「油条(揚げパン)」だ。この組み合わせが、やみつきになる味の決め手

3, 8年で価格は激変!中国の物価高騰

お好みの具材は量り売り。今回の取材時は約620円の注文となった。この8年前にほぼ同じ量で注文したときは約150円だった。この差からも、中国の物価の値上がりを強く実感できる。それでも、マーラータンの満足感とボリュームを考えると、コスパはまだまだ悪くない

4, 本場・四川は「串」スタイルが源流

マーラータンの起源は、中国の内陸部・四川省。かつて長江を下る船乗りが火を焚いて作った土鍋料理が始まりとされる。本場四川では、ラーメンのような器ではなく、具材が串に刺さった「串串香(チュアンチュアンシアン)」と呼ばれるスタイルが主流だ。これは少し軽めの四川火鍋という感覚に近く、記者は雨の日に汗をかきながら一人で70本を食べ尽くした

記者の食レポ

辛いスープをたっぷり吸った揚げパンとお麩を口に入れる瞬間がたまらない。「うーん、うまい!」と思わず唸る。ビールとチビチビやりながら食べるのが至福の喜びだ。中国の物価は上がったているが、中毒性があるこの味には価格以上の価値がある。日本でもお店が増えているが、本場の活気の中でまた味わいたい