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コケのフィルター、ヘッドフォンに内蔵…進化する空気清浄機 高さ25mのタワー型も

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イギリス発の「持続可能な空気清浄機」Briiv。フィルターはコケやココナツの殻、活性炭でできている=モダニティ提供
イギリス発の「持続可能な空気清浄機」Briiv。フィルターはコケやココナツの殻、活性炭でできている=モダニティ提供

大気汚染による健康被害の顕在化やコロナ禍を経て、身の回りの空気をきれいにしたいという意識は世界的に高まっているようだ。中にはユニークな製品や取り組みが登場している。

イギリス発の「Briiv(ブリーヴ)」(税込み6万9850円)は、天然素材を使った「持続可能な空気清浄機」を掲げる。空気をきれいにするフィルターは乾燥させたコケ、ココナツの殻、活性炭と100%が天然素材でつくられ、使用後は堆肥にできる。製品全体でも90%が天然および再生可能な素材でできているという。

オランダのデザイナー、ダーン・ローズガールデらは2015年、世界初の「スモッグ・フリー・タワー」をロッテルダムに設置した。高さ7メートルのアルミ製の塔でスモッグを吸い込み、イオンの作用で1時間あたり3万立方メートルの空気を浄化するという。中国やポーランド、韓国、アラブ首長国連邦にも建設した。

アラブ首長国連邦のアブダビに設置された空気をきれいにするスモッグフリータワー=Daan Roosegaarde提供
アラブ首長国連邦のアブダビに設置された空気をきれいにするスモッグフリータワー=Daan Roosegaarde提供

集めたスモッグの粒子を透明な立方体に閉じ込めたジュエリー「スモッグ・フリー・リング」も制作。アムステルダム市立美術館などに収蔵されている。

スモッグフリータワーで集めた大気中の汚染物質でつくったスモッグフリーリング
スモッグフリータワーで集めた大気中の汚染物質でつくったスモッグフリーリング=Daan Roosegaarde提供

同様の発想でインドのデリーにも2021年8月、「スモッグ・タワー」が設置された。高さ25メートルの塔上部から40台のファンで空気を取り込み、フィルターを通して浄化するという。

だが現地報道などによると、200万ドル(約3億円)以上をかけて建設されたタワーは、その後、長らく放置され、専門家が「影響は半径50メートルに限定されている」「役に立たず、効果がない」「全くの無駄」と指摘するなど、批判も上がっている。

空気清浄機「スモッグタワー」
空気清浄機「スモッグタワー」。高さ20メートルにもなる=2021年8月、インドのデリー、ロイター

掃除機などを手がけるイギリス創業の家電大手ダイソン(本社・シンガポール)は、空気清浄機能のついたヘッドホン「ダイソンゾーン」(オープン価格)を開発した。

ヘッドホンの耳に当てる部分に二重構造のフィルターが組み込まれており、口元を覆う取り外し可能なシールドをつければ、浄化した空気を鼻や口元に届けることができる。掃除機などの開発で培ったモーターや気流の技術を生かし、都市部の騒音と大気汚染への対策としてつくられたという。

空気清浄機能のついたヘッドホン「ダイソンゾーン」=ダイソン提供
空気清浄機能のついたヘッドホン「ダイソンゾーン」=ダイソン提供