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ウクライナ国境のポーランドに着弾のミサイル ロシア発ではない? NATOに緊張

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緊急会合に臨むバイデン米大統領(奥左)=2022年11月16日、インドネシア・バリ島、代表撮影

ウクライナ国境からわずか6kmほどのポーランド南東部の村プシェボドフで15日午後、集落にミサイルが着弾し、2人が死亡したことについて、インドネシア・バリで開催中のG20サミット(主要20カ国・地域首脳会議)のために集まっていたアメリカのバイデン大統領ら主要7カ国やNATO加盟国の首脳が16日、緊急会合を開いて対応を話し合った。

バイデン大統領は同日、緊急会合の様子をツイートした。

ミサイルがロシア側から発射されたものであれば、今年2月のロシアによるウクライナ侵攻以降で、核保有国・米国を中心とした軍事同盟であるNATO加盟国が攻撃を受けた初めての例になり、ロシアとNATO加盟国の間の緊張が一気に高まる。

着弾したミサイルについて、ロシア国防省は「国境付近は攻撃していない」と関与を否定。ポーランドのドゥダ大統領は、「ミサイルはロシア製のようだ」と述べていた。

NATOのストルテンベルグ事務総長は16日、「NATOは状況を注視しており、同盟国と緊密に協議している。すべての事実が確立されることが大切だ」とツイートした。

ミサイルはロシアの発射でない可能性も

ロイター通信によると、バイデン大統領は16日、緊急会合の後の記者会見で、「(ロシア発射説に)それに異議を唱えるような予備的情報がある」と述べ、ミサイルの軌道などから、ミサイルはロシアから発射されたものではない可能性が高いとの見方を示した。

ソーシャルメディアの投稿や公開情報から事実を分析・解明するOSINTOpen source intelligence、オシント)の手法を駆使するジャーナリストらからも、着弾したミサイルが、ツイッターに投稿されたミサイルの破片の写真などからウクライナ軍も使用するロシア製防空システムの迎撃ミサイルではないかとする指摘が出ている。

OSINT手法を用いた民間の調査報道機関「ベリングキャット」の創設者エリオット・ヒギンズ氏は、「(ウクライナ軍の迎撃ミサイルか、ロシア軍の巡航ミサイルか)より多くの破片の画像があれば確認できるだろう」とツイートした。