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【エール!】楽しみだった全国転勤。「思ったのと違う」と感じたら

働くあなたへ シネマサプリ 更新日: 公開日:

■憧れの職業の裏に、見えない努力あり

こんにちは!

お便り、ありがとうございます。

やってみたかったお仕事が、いざやってみたら合わない……。

よくあることだと思いますよ。

そこは自分を責めないでね。

責めてないかもしれないけど、一応言ってみた。

憧れの職業は外から見るとバラ色の日々を想像しますが、裏の努力は他人にはわからない。

でも私からしてみたら、いつ、どこへ行くのかがわからないワクワク感があります。

もともと、それを楽しそうと感じて希望を持っていましたものね。

収入は安定しているからなかなか新しい道に進みにくくて、人生設計がしにくい。

でも正直言って、人生設計ができないこともひとつの人生設計。

今の時代、あえてオフィスを持たず、あっちこっちでパソコンを開いて仕事をする方も多いですよね。

“総合職”の言葉を初めて聞いたので調べましたが、どこの街に行かされるのかがわからないと。

でも行ったこともないような街に行って、たくさんの勉強ができて、出会いと知識が増えるって最高!

と言いたいけど、本当はもうやめたいんですよね。

ただ、収入が減るかどうかはわからないですよね?

何も決まってないのに、そこは決めつけないほうがいいかと思いながらも、総合職ってそんなにお金がいいんですね!

と、逆にわたし勉強になりました。

■東京で働いてみるのもいい。でもたぶん……

今どこの街にいるのかがわかりませんが、東京への憧れは誰だってあると思います。

もちろん1回トライするのはいいと思いますよ。

ただ、東京は人口も多いですし、変わりゆくオフィスのあり方に惑わされて、また「思ったのと違う」にならないかな?

誰か友達が東京にいるなら、どうなのか聞けるといいですね。

するとたぶん、また今の仕事と同じように「思ったのと違う」が浮かぶ気がします。

なぜかわかりますか?

この世の中の仕事って、ほとんど「思ったのと違う」からです。

社会はそんなもの。

「社会がオレを受け入れてくれない」と言う人が結構いますが、社会は誰をも受け入れないんです。

人が社会に合わせて、合わせて、ちょっぴり嫌な思いもして、また合わせて……。

そうすると何年か経って、やっとうまく回るようになります。

素敵な先輩や友達が近くにいることを願ってます(^^)

きっと同じことを言います。

一度リストをつくってみたらどうかな?

今の仕事のやりがい、収入、働く時間帯、環境、と書いて、仕事を変えた場合の予想も書いて。

そうすると、どっちがいいのか少しわかるかもしれない。

もちろん、これからの仕事は予想になってしまいますが。

まぁ、毎日叫びたいほど今の仕事にウンザリなら、若いうちにいろいろトライしたほうがいいかと。

若いうちにいろいろ試すと、それは自分の経験になって、今後の人生でとても大切な宝物になります。

■優しく背中を押してくれるフランス映画はいかが?

とても優しく背中を押してくれる2014年のフランス映画『エール!』はどうですか?

『エール』から
©LaFamilleBélier©2015-Jerico-MarsFilms-France2Cinéma-Quarante12Films-VendÔme Production-Nexus Factory-Umedia

4人家族のお話。

お父さん、お母さん、兄弟は耳が不自由。

長女のポーラは家族の中で唯一、耳が聞こえるので、日頃から彼女は家族と社会をつなげてあげる通訳。

本人もそんな生活に慣れていたけど、1つだけ彼女を悩ませるものがありました。

『エール』から
©LaFamilleBélier©2015-Jerico-MarsFilms-France2Cinéma-Quarante12Films-VendÔme Production-Nexus Factory-Umedia

それはポーラがとても歌が好きだったこと。

でも彼女の素晴らしい歌声は家族には伝わらない。

歌を本格的に勉強したい気持ちも、残念なことに伝わらない。

ファンキーな歌の先生は彼女をバックアップしますが、家族内での雰囲気は悪くなる。

ポーラが違う街に行って歌を本格的にやれば、家族はどうやって商売を続けていくのか?

家族を捨てたと言われてしまうのか?

住んでいる小さな街を捨てたと言われてしまうのか?

心の中はもやもや。

『エール』から
©LaFamilleBélier©2015-Jerico-MarsFilms-France2Cinéma-Quarante12Films-VendÔme Production-Nexus Factory-Umedia

お母さんとは、かなりぶつかり合いますが、もちろんお母さんなりの不安と思いがあるから。

でもこの家族のお父さんがとても理解のある方。

ポーラとお父さんの心温まるシーンに涙が流れます。

ポーラの決断、その勇気が少しあなたにも飛び移ってくれることを願ってます。

『エール』から
©LaFamilleBélier©2015-Jerico-MarsFilms-France2Cinéma-Quarante12Films-VendÔme Production-Nexus Factory-Umedia

そしてこの作品をオススメしたもう1つの理由は、現在公開中の『Coda コーダ あいのうた』があるから。

これはこの『エール!』のハリウッドリメイク版。

もちろん舞台はアメリカになって、家族の商売などは設定を変えたりしてます。

ヨーロッパとアメリカの感情の違いもちょっとあったりして、見比べることがとても楽しかったし、2回も背中を押されたわ(笑)

ラッキー❤︎

『エール』

(朝日新聞社の経済メディア『bizble』から転載しました)