■なぜ多くの日本女性は、他人と比べるの?
お便りを読みました。
バイタリティすごいですね!
留学できるくらいの資金を数年でためられる人なんて、あまりいないですよ。
つい使ってしまいます。
でもその目標と、将来のやりたいことにつながるこの留学がコロナのせいでダメに……。
たぶん同じように、やろうと思ったことがコロナのせいでダメになった方、いっぱいいますね。
毎日コロナを恨みたい!
実は世界のみんなに関係してくることですよね。
文句を言ってる方も多いけど、それでもがむしゃらに働いている人もいます。
今まで一生懸命働いたからこそ、「ヨ〜シ今からだ!」とジャンプ台に立ってしまったからこそ、ガッカリ度が大きい。
でもね、わたしも同じ立場。
周りの友達も。
でも、お便りに書いてあったように、みんな夢を叶えてますよね。
もちろん向かっているところは違う。
だから余計に喪失感を感じているかもしれないけど、なんで日本の女性の多くは、人と比べるのかしら?
これはどこで相談を受けても毎回思うことです。
「周りの友達は〜」って必ず書いてあります。
自分のことを相談したいんですよね?
1つの例として書いてくれたと思いますが、もう人と比べないで下さい。
日本の女性の多くは人を見て、そこと比べて、自分が不幸だと決めつけることが多い。
海外にそのうち行くならなおさら、それを言っちゃうと、外国人は「は?」と。
わたしはよく“夢を叶えられる人”と言われます。
「前回お会いした時に○○に挑戦したいと言ってましたが、見事にやりましたね!」と。
もちろんわたしは目標を叶えたい。
でもそこがうまくいかなくても、わたしは必ず“プランB”を用意してます。
いや、プランC、プランDまで(笑)
だって、物事なんて思うようにいかない。
思い通りにいったら“スーパーラッキー”ですよ!
まず、26歳で留学しようと思ったら、正直言って30歳でも変わらない。
ここからがむしゃらにまた働いて(←前のあなたにはできたからね)、夢が叶った時に予想より少し良い場所に住めるかも。
買いたいものも買える。
だから惨めな思いをしなくていい。
これは最高に良いこと。
どちらの国に行こうとしたか分からないけど、アメリカで貧しい経験なんて一番嫌です。
わたしは経験済み!
神様がもう1度、今までよりゆっくりプランニングして、将来の夢を確実に一歩一歩描くように言ってくれてるのかも。
次の仕事が見つからないのは、選んでるからです。
これはいつも言ってること。
覚悟とやる気があれば、仕事はあります。
■人々が北海道の小さなパンカフェを訪れる理由
そう、その“やる気”をなくしてしまったんですよね。
これは脳と体の連携がうまくいかなくなった証拠。
わたしもたまに「テレビを見てポテトチップスを食べた〜い! なにもしたくない!」と思うこともある。
そんな時は嫌々、本当に嫌々、ジムに行く(笑)
「無理〜」と心の底から思うけど、体を動かすと元気になります。
これはみんなが言うこと。
そして朝日を浴びること。
脳内が活性化されます。
そして『しあわせのパン』を観(み)ること!
今回の作品は癒やしの旅。
なんでこれにしたかというと、劇場公開時にこう思いました。
「いま疲れている人がこれを観たら、北海道に引っ越してしまうのでは?」と。
たぶん番組で紹介した時にも言った気がします。
この映画には、ゆっくりとした時間が流れます。
「どうやってここを見つけた?」と聞きたくなるような、静かな場所に建つ一軒家。
北海道の洞爺湖で小さなパンカフェを営む夫婦、水縞尚(みずしま・なお)と、りえが主人公。
おいしいパンと煎(い)りたてのコーヒーを作る夫婦が、来たお客さんの脳と心と胃袋を満たしていく。
毎日来る人もいれば、都会に疲れてしまった人も。
彼氏にフラれた香織が来て、愚痴ばかり言って、ワインを飲み過ぎて酔っ払って……でも温かい心を持った人に救われる。
小さな女の子も、親の離婚で心のバランスを崩してしまい、お父さんとの生活で孤独を感じ、お母さんが以前作ってくれた料理が恋しくて恋しくて……。
でもある出来事から、彼女は1つ理解することができる。
そして、まるで心が入れ替わったかのように笑顔になる。
老夫婦の話もあったり、「今は焦らないで」というメッセージが一番必要かも。
「いろいろあるけど、正しいところに目を向けてね」と。
やることはいっぱい。さぁ、忙しいぞ!
この映画の夫婦のように、いろんな話を聞いてくれる友達はいますか?
おしゃべりをするのも、とっても大事なこと。
自分の中に閉じこめないこと。
このパンカフェを営む水縞夫妻を、大泉洋さんと原田知世さんが演じてます。
原田さんはテレビCMでも癒やしの存在になってます。
そして大泉さんはこの映画で、コミカルなところを封印。
わたしもこの夫婦に会いたいと思います。
静かに見守ってくれて、迷惑をかけてもそれに対して何も言わない。
いつも柔らかな笑顔。
それは「ここに来る人がなんらかの理由で疲れている」と理解しているからです。
そして最後には、彼らにももしかしていろいろあって、都会を離れた理由があったかも、というハートウォーミングなエンディング。
あなたにはまず、不安症をなくすことが大事です。
海外だと助けてくれない可能性があります。
治す時間をもらったと、プラスに考えて下さいね。
多くの方は「もう昔のようには頑張れない」と言うけど、それはやってないから。
わたしは20歳の時みたいにできます。
51だけど。
若干鈍臭くなったかもしれないけど(笑)
でも毎日小さな“良いこと”を貯金してます。
そこから見えてくる自分の人生像。
だからまず、友達にいろいろ話してみて。
仕事を与えてくれる人もいるかもしれない。
そして将来へのビジョンをさらに描ける余裕をもらったと考えて。
素敵な映画で心を癒やして、不安症を少しでも取り除くこと。
体を動かす、陽(ひ)に当たる!
さぁ、忙しいぞ。
自分の人生は自分で素敵に演出してね。
(朝日新聞社の経済メディア『bizble』から転載しました)