SDGs(持続可能な開発目標)の関連イベントで、新型コロナウイルスでつらく不自由な生活を強いられている若者たちに向けて、「新型コロナによるロストジェネレーションではなく、新たな挑戦をしているウェルカムジェネレーションだ」と励ました。
演説後、事前に国連本部前で撮影したとみられる新曲「Permission to Dance」の動画が披露された。
演説の全文は次の通り。
RM 第76回国連総会議長アブドゥラ・シャヒド様、事務総長アントニオ・グテーレス様、韓国大統領文在寅様、そして世界各地の著名なリーダーの皆さま、本日はこの場にお招きいただき光栄です。私たちはBTSと申します。韓国大統領の特使に任命されました。今日は皆さまと未来の世代の物語を共有するために参りました。
私たちは事前に世界中の10代、20代の若者たちに対し、この2年間のことや、今自分がいる世界のことについて質問しました。ジンが回答の一部を紹介します。
ジン はい、それでは見ていきましょうか。ざっと見ただけでも好感触だと分かるかと思います。私自身、この2年間は戸惑ったり、悩んだりした時間でしたが、それでも「生きていこう、この瞬間にベストを尽くそう」と気勢を上げる人たちがいます。
ジミン というのも、新たな挑戦をする人生の好機を迎えているのに、じっとしているわけにはいかないですからね。誰かを責めるわけにもいかず、いらいらせざるを得なかったでしょう。私は昨日までの自分と変わらないのに、世界が変わってしまいました。一瞬にしてパラレルワールドに移動してしまったかのようです。
ジョングク 入学式や卒業式が中止になったと聞き、悲しくなりました。それは人生の中で祝福したい瞬間です。それができないのは、苦しいことに違いありません。私たちも長い間予定していたコンサートツアーが中止になってつらかったですし、しばらくの間、ツアーを完結させたかったなと考えていました。
シュガ そうですね、新型コロナウイルスが私たちから奪ったものを悼む時間でした。それと同時に、今まで当たり前だと思っていた瞬間というものがどんなに貴重なものだったかを知ることができました。
ジミン シュガが今、「当たり前と思っていたものが貴重だった」と言いましたが、私たちの質問に対し、たくさんの人が自分の貴重な瞬間の写真を共有してくれました。多くの人が自然の中ですごした写真を寄せてくれました。この2年間で、自然をいたわり、その中で体験した大切な時間というものに気づいたのではないでしょうか。
ジェイホープ そうですね。でももしかしたら、地球にいる私たちの時間に限りがあるという恐怖が迫っているのを感じているからなのかもしれません。
今、私たちは悼むことについて話していますが、地球を悼むことを思うと身震いします。気候変動が重要な問題であることは誰もが認めるのに、最善の解決策について話すことは簡単ではありません。結論を出すのが難しいテーマです。
RM そうです、難しい議論です。でも、今日のために準備をしていてわかったのは、環境問題に興味を持ち、それを研究対象に選ぶ若者がたくさんいるということです。未来は未知の領域であり、私たちが誰よりも長い時間を費やす場所にもなるでしょう。私たちが未来をどうやって生きるか、その問いに対する答えをそういった若者たちは探していました。
V ですので、将来は恐ろしい暗黒だと考えなくていいのだと期待しています。世界を心配し、答えを探している人たちがいるのですから。
私たちのこの物語はまだ多くのページが残されていますが、結論がすでに決まっているかのようなことを言うべきではないと思いました。
ジョングク もちろん、前に進む準備ができていたとしても、時には世界が行き詰まっているように思えることがあるかもしれません。道を見失ったと感じることがあるかもしれません。私たちも同じように感じたときがありました。
RM 今の10代、20代の人たちは新型コロナウイルスによるロストジェネレーションと言われると聞きます。新しい挑戦をしなければならない最も多様な機会が必要な時期に、彼らは道に迷ったのだと。しかし、大人の視点では見えないからと言ってそう断じるのは、言いすぎだと思います。
ジミン はい、こちらの写真を見てください。オンラインという新しい方法で友情を育み、新しいことを学び、より健康的な生活を送ろうと努力している人がたくさんいます。
この子どもたちは、新しいことを理解しようとしたり、学んだりしています。彼らは道に迷ってなどいません。
ジン 新たな勇気に気づき、新たな挑戦をしているように見えます。だからこそ、ロストジェネレーションという言い方ではなく、ウェルカムジェネレーションという名前の方がより適切だと思います。なぜなら、この世代は挑戦を恐れる代わりに、「ようこそ」と言って前に進んでいくのですから。
RM その通りですね。もし予想外のことが起きても可能性と希望を信じれば、私たちは道に迷うのではなく、新たな道を見つけることができるでしょう。
シュガ 完璧ではない選択をすることもあるでしょう。でも、だからといって私たちが何もできないわけではありません。それが私の考えです。
ジェイホープ 大事なことは、変化に直面したとき、私たちがどんな選択をするかだと思います。そうですよね?私たちが国連にやってくるというニュースを聞いた人の中には、私たちがワクチンを接種したかどうか気になっている方も多いのではないでしょうか。この機会に「はい」と言っておきます。もちろん、私たち7人ともワクチンを接種しました。
RM ワクチン接種は私たちがファンに会うためのチケットのようなものでした。それによって本日、この場にいることができています。ちょうど本日お伝えしたように、私たちもまた、今できることをやっています。
V ワクチンのように、新たな現実を前進させるための努力が続けられています。私たちが直接会える日が再びやってくる日もそう遠くないと思います。それまで、私たちの日々を前向きなエネルギーで一杯にしたいですね。
RM 世界は止まってしまったと思っていましたが、そうではなく、前進し続けています。私たちのあらゆる選択は終わりではなく変化の始まりだと信じています。
この生まれたばかりの新しい世界で、私たちはお互いに 「ウェルカム」と言えることを願っています。そして今、未来を歓迎するかのように、「Permission to Dance」を私たちのウェルカムメッセージとして皆さんと共有したいと思います。