WHOは警戒レベルの程度によって変異株を二つに分類している。感染力が強まったり、ワクチンの効果を弱めたりするなどの「懸念される変異株(VOC=Variants of Concern)」と、複数の国や地域でクラスターが発生するなど拡大しているものを「注目すべき変異株(VOI=Variants of Interest)」としている。VOCの方がより警戒度合いが高い。
WHOがミュー株をVOIに指定したのは8月30日。元々は今年1月、コロンビアで見つかっていた。日本では6月にアラブ首長国連邦から、7月にイギリスからそれぞれ入国した女性2人から検出(いずれも無症状)されたと、厚生労働省が9月1日に発表した。
WHOは変異株の呼び名について、2021年5月末からギリシャ文字を使うようになっている。最初に見つかった国や地域の名前が使われることで偏見や差別が生まれる懸念があるとの理由からだ。
WHOや厚生労働省の発表をもとにまとめた各変異株の情報は以下の通り(2021年9月2日現在)。
【懸念される変異株(VOC)】(名前、最初の検出時期と場所)
アルファ株(α) 2020年9月 イギリス
ベータ株(β) 2020年5月 南アフリカ
ガンマ株(γ) 2020年11月 ブラジル
デルタ株(δ) 2020年10月 インド
【注目すべき変異株(VOI】
イータ株(η) 2020年12月 複数の国
イオタ株(ι) 2020年11月 アメリカ
カッパ株(κ) 2020年10月 インド
ラムダ株(λ) 2020年12月 ペルー
ミュー株(μ) 2021年1月 コロンビア
【VOIから外れた変異株】
イプシロン株(ε)、ゼータ株(ζ)、シータ株(θ)