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自殺したソウル市長の市葬を巡り紛糾する世論

東亜日報より
12日、ソウル市中区のソウル市庁前のソウル広場に設けられた朴元淳前ソウル市長の焼香所。弔問に訪れた市民たちが芝生の周りに列をなした。

朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長の出棺前日、共に民主党など与党関係者の間で追慕の雰囲気が広まった。一方、未来統合党は朴市長の「ソウル特別市葬」は「被害者に対する民主党による公式加害」と批判した(注:朴市長は女性へのセクハラをめぐって告訴されていた)。週末の間に朴市長の葬儀を「ソウル特別市葬」として執り行うことに反対する青瓦台のへ国民請願賛成者数が55万人を超えるなど、反発する世論の声が大きいためだ。

朴市長の葬儀委員会が13日、告別式をオンラインで行ったのもこのような状況を鑑みたものとみられる。「オンライン告別式」について公式的な説明は「新型コロナウイルス感染症の防疫のため」だが、当初葬儀委員会は13日午前の出棺後、ソウル市庁前で追悼を行う方針で検討していたとされる。

週末の間、遺体安置所を訪れた与党関係者は朴市長の業績を尊重すべきだというメッセージを述べた。12日、柳寅泰(ユ・インテ)元国会事務総長は弔問後、記者たちに「よくやってきた人が最後にこうなるのは残念だが、韓国社会の改革に大きく寄与した。人間はみな似たり寄ったりだが、過度に道徳的に生きようとすると事故が起きる」と話した。金瑛録(キム・ヨンロク)全羅南道知事は「本当に尊敬する、温かく、信念のある方が突然こんなことになって惨憺たる気持ち」と話し、李錫玄(イ・ソクヒョン)元議員はフェイスブックに「死を選択するとは、どんなに辛かったことか。知人が亡くなれば弔問は道理だ。弔問にも行かないという政党が追求する世の中はどんなに世知辛いものか」と書いた。遺体安置所を訪れた金慶洙(キム・ギョンス)慶尚南道知事も「(被害者の)話は重要で私たちが耳を傾けるべきだ。しかしながら、同じ理由で朴市長の業績もまた十分に追慕する価値があると考える」と話した。「弔問しない」と公表した柳好貞(リュ・ホジョン)、張恵英(チャン・ヘヨン)ら正義党の女性議員たちのSNSは与党支持者たちからの非難のコメントでいっぱいになった。

党内外でこれまで女性の人権について声をあげてきた民主党女性議員たちは今回の事態について矛盾する態度をとっているという指摘もある。国会女性家族委員長で「韓国女性の電話」常任代表だった鄭春淑(チョン・チュンスク)議員は10日、フェイスブックに「1992年から共に様々な仕事をやってきた。先輩、ご冥福をお祈りします」と書いた。11日、徐瑛教(ソ・ヨンギョ)議員はSNSに「国民、市民のために常に尽くしてきた彼の心が、天国で彼と共にありますように」と書いた。一方、韓国女性の電話、韓国女性民友会、韓国性暴力相談所など女性団体は被害者の保護と真相究明を求めた。韓国女性の電話は、「再び被害者でなく加害者の側に立つ韓国社会の一面に憤りを感じる」とし、韓国女性民友会は「ソウル市は真実を明らかにし、今後の被害を防ぎ、被害者と共にあるべきだ」とした。韓国女性記者協会も12日、「今回の事案が被害者たちの勇気を委縮させるものになってはならない」との声明を出した。

朴市長の弔問予定を保留した金鍾仁(キム・ジョンイン)統合党非常対策委員長は12日、白善燁(ペク・ソンヨプ)将軍の遺体安置所で記者たちに「(朴市長の弔問は)健全な常識で判断すればいいこと」と話した。この日統合党議員48人は2次被害の防止を求める声明を出し、「3選目のソウル市長という大物を相手に数年間勇気を持てなかった被害者を社会が保護するべきだ」と主張した。

統合党は20日に開かれる金昌龍(キム・チャンリョン)警察庁長官の聴聞会で、朴市長をめぐる疑惑について議論する方針を検討している。党関係者は東亜日報との電話で「被害者に対する2次加害が深刻な状況で『公訴権なし』ということで事案をなかったことにするのは難しい」と話した。

(2020年7月13日付東亜日報、キム・ジヒョン、ユン・ダビン、カン・スンヒョン記者)

(翻訳・成川彩)