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アプリ「Zenly」で居場所も移動経路も公開 今どき10代のプライバシー感覚

World Now
お互いの居場所がわかるZenlyの画面=Zenly提供

Zenlyの利用者は10代が中心。近くにいる友人と同じ電車に乗ったり、気軽に遊び相手を探したりすることにも使える。フランスの企業が開発し、2015年4月から日本語表記に対応した。日本では2年ほど前に10代女子の間で注目され、当初は「女子高生アプリ」とも呼ばれ、話題になった。

Zenlyは7月6日、アプリを使う友だちなどが移動を始めると、その出発地点と移動の経路、現在地をリアルタイムで確認できる機能を新たに追加した、と発表した。「発祥の地」フランスでは今年3月、新機能「コロナウイルス・レンズ」を発表。米ジョンズ・ホプキンズ大学の公表データをもとに、世界の新型コロナウイルスの感染者数がアプリの地図上に表示されるという機能だ。世の中のニーズにも対応している。

Zenlyのアプリ画面=Zenly提供

それにしても、居場所を公開してもストレスは感じないのだろうか? 首都圏の利用者の声を集めてみた。

ユウナさん(18)は友人に誘われて使い始めたという。「寝坊をして学校に遅刻しそうになったとき、私の居場所に気付いた友人がよく連絡してくれた」。受験期には、「友人がどれくらい塾にいるのかが確認でき、負けないようにモチベーションアップにつなげた」という。仲のよい友人としか使っていないので、「不安や心配はない」と話す。カエさん(18)は、欧州留学中に日本にいる友人と居場所を報告し合った。「ごく少数の、自分が信頼している友人だけに居場所を公開する分には心配していない」。でも、「情報が外部に漏れたら悪用される危険があるので、その点は怖い」と話す。

男子の利用も多く、ヒロシさん(18)は彼女とだけ共有。受験のときは、「相手の居場所からいま何をしているのかを想像し、がんばろうと思う元気をもらえた」という。リュウタロウさん(18)は、部活動の友人たちと共有した。このアプリのよい点は「いつでも友人の居場所を見られること」、よくない点は「いつでも居場所を友人に見られてしまうこと」。ただ、「みんな友人だから、共有を嫌だとは感じていない」とも。

一番ポピュラーな使い方は、友人との「待ち合わせ」のようだ。ユウナさんは「会う約束をしているときに、アプリを見ると相手がどこにいるかすぐわかる。LINEなどで細かい連絡をしなくても合流できた」。

登録した「知り合い限定」とはいえ、ここまでプライバシーを公開して本当に大丈夫なの? そんな心配を、とりわけ親世代はもってしまうかもしれない。

一方、若者にとってはLINEなどで「今どこ?」という文字すら打たずに、居場所を示して友人といつもつながり気軽にコミュニケーションがとれる――。そんな便利さが支持されているようだ。