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あなたの思考は、そのままあなたの人生になる 前向きに生きるための名言

やる気が出る名言で学ぶビジネス英語 更新日: 公開日:
安河内哲也撮影

■今週の名言

Life is a mirror and will reflect back to the thinker what he thinks into it.

(人生は鏡であり、鏡のなかで考えたことが、考えた張本人にそのまま反射して戻ってくる)

■名言を味わう

直訳ふうに訳すと「人生は鏡で、自分が鏡のなかで考えた内容が、考える張本人にそのまま反射して戻ってくる」となります。

つまり、「人生は鏡のようなもので、自分が普段から思い考えることが、結局自分の人生に如実に反映されていく」といった趣旨のことを言っているのでしょう。己の人生に関する考え方が、自分の未来の人生にそのままつながっていく……。うーん、何とも深い言葉です。

仕事もそうですが、人生のようなもっと大きなくくりで、常に前向きな思考を持った人は、ポジティブに楽しく人生を送っているように見受けられます。

反対にいつも後ろ向きの人は、生き方もネガティブになりがち。こういうタイプの人と飲んだりすると、こちらまでどんよりした気分にさせらたりしますね(笑)。

人生思い通りにならないことはもちろんたくさんありますが、「こうありたい、こうなりたい」と夢見たり、目標を掲げたりするのは自由です。現実を受け入れつつも、なりたい自分を常に思い描いて、前向きな姿勢で毎日を送っていこう。この名言は私に、そう語りかけてくれたような気がします。

■名言の単語ピックアップ

reflect

反射する、反響する、反映する

よく耳にする単語です。「反射する」という意味でreflectを覚えている人が多いと思いますが、そこから派生した重要な意味もあります。ビジネスでも使い勝手のいい単語です。

まずは、reflectの元の意味「〜を反射する、〜を反響する」を見ていきましょう。これは例えば、光がガラスや鏡に当たって反射する、または、音が壁に当たって反響するといった、物理的な様子を表した動詞です。

例えば、A mirror reflects light.と言えば「鏡は光を反射する」という意味になります。反射という現象を一般論として述べているので、冠詞にはa、動詞には現在形が使われていますよ。

What material reflects the most heat?と尋ねれば「熱をもっとも反射する素材は何ですか?」、A white shirt reflects sunlight and stays cool while a black shirt absorbs the light and gets hot.と言えば「白いシャツは日光を反射するので涼しさを保つが、黒いシャツは光を吸収して熱くなる」となります。

ちょっと物理の授業のような例文ですが(笑)、熱の反射に関してもreflectを使います。また反対語となる「吸収する」にあたる動詞absorbも一緒に覚えておいて。

Brick walls are not ideal for live performance spaces because they reflect too much sound.

(レンガの壁は音が反響しすぎるので、ライブ公演のスペースには理想的でない)

またreflectには鏡や窓、水面に物体が反射して「映す、映し出す」という意味もあります。

Her big sunglasses reflected my bed hair while I was talking to her.

(彼女と話しているとき、彼女の大きなサングラスに私の寝ぐせのついた髪が映った)

*bed hairで「寝癖(のついたボサボサの髪)」という意味になる。

さらに、物理的な意味でのreflectは人の心を表現する、心理的な意味にも派生して使われます。

This new company policy does not reflect the way most employees think.

(この新しい会社の方針は、大方の社員の考え方を反映していない)

このように、心情や考え方を表す「反映する」にもreflectが使われるのです。

もう1つreflectは、reflect onという使い方も非常によくします。The moonlight was reflected on the water.(月光が水面に映し出された)という物理的な反射にも使われますが、「〜を熟考する」という意味でも非常によく使います。

It’s good to take a break once in a while to reflect on what really matters in life.

(人生で本当に大切なことが何かをよく考えるために、時々休むのはいいことだ)

このようにreflect onは、何かをじっくりよく考えるようなときにぴったりの表現です。

物理的な「反射」よりも、むしろ心理的に「反映する」「熟考する」という意味のreflectのほうが、特にビジネスでは頻出する大事な意味だと言えるでしょう。

最後に名詞形と形容詞形も紹介しておきます。セットで覚えてくださいね。どちらも動詞と同じく、物理的、心理的両方の意味がありますよ。

名詞はそう、reflectionです。「反射、反響、投影、熟考、内省」といった意味です。

Schools being replaced by senior centers is a reflection of our aging population.

(学校が高齢者施設に取ってかわっているのは、我々の高齢化する人口の反映だ)

形容詞はreflectiveとなります。「反射する、反映する、反省する」といった意味になります。

It’s important to wear reflective clothing when jogging at night.

(夜のジョギングには反射服を着るのが重要だ)

*reflective clothingは、安全のために光る反射ベストのような服のこと。

His comment about social distancing was not reflective of the public mood.

(彼のソーシャルディスタンスに関するコメントは、国民の気持ちを反映していなかった)

■名言を解剖する

Life is a mirror and will reflect back to the thinker what he thinks into it.

(人生は鏡であり、鏡のなかで考えたことが、考えた張本人にそのまま反射して戻ってくる)

ここでのlifeは「人生」です。主語である名詞lifeの直後の述語動詞isは、like(〜のような)やas if(まるで〜のような)といった表現を伴わず、life is a mirrorとストレートに言っています。

ですからこの名言は、metaphor(暗喩、隠喩)と呼ばれる例えです。metaphorとsimile(直喩)の違いは、過去に説明しているので、詳しくはこちらをご覧ください。

mirrorはもちろん「鏡」ですが、「反射鏡」と訳してもいいかもしれません。

thinkerは、「考える」という動詞thinkの末尾にerが付いた形。-erで「〜する人」となりますから、「考える人」となります。

thinkerの前の冠詞がtheになっているのは、考える人が限定されているから。では、どんなthinkerかという限定の説明は、直後のwhat以下でされています。

ここでのwhat は「何」ではなく、「〜すること(もの)」という意味の関係代名詞です。heはthe thinkerを、そして最後のitはa mirrorを指しています。ですから、「その考える人が、鏡のなかに(に対して)考えたもの(こと)」となります。

intoは、「〜のなかに」という前置詞ですね。鏡の中を覗き込むように考えるということで、intoを使っています。

ちなみに、the thinkerをなぜheで受けているかですが、これは特に「彼」と男性を想定しているわけではありません。本来であればhe or sheとすべきところですが、長くなるので省略していると考えられます。特に古めの名言では、男女を含めた人間を指す場合でもheとなることも多い。こう頭の片隅に入れておくと、今後混乱せずに済むでしょう。

■今週の1枚

沖縄県の那覇空港から車で15分ほどのところにある瀬長島で撮影しました。夕陽の絶景スポットとして有名ですが、静かでmirrorのような水面にも心を奪われました。岩のreflectionをしっかり撮ろうと、頑張った1枚です。

さて次週(5月25日更新予定)の「やる気が出る名言で学ぶビジネス英語」には、本連載の初回を飾った、ヘンリー・フォードが再登場。自動車王がbest friendについて定義する一言をフィーチャーします。

どうぞお楽しみに。See you next week!

(構成・山本航)

■「やる気が出る名言で学ぶビジネス英語」は毎週月曜朝に配信します。