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【英語で名言】50歳を迎えた名優マシュー・マコノヒーが「人生とは」を表した一言

やる気が出る名言で学ぶビジネス英語 更新日: 公開日:
安河内哲也撮影

■今週の名言

Life is a series of commas, not periods.

(人生はカンマの連続さ、ピリオドではなくね)

■名言を味わう

「人生はカンマの連続であり、ピリオドではない」と言っています。うーん、とても気の利いた例え、比喩ですね。

これは比喩のなかでも隠喩(暗喩)となります。「メタファー」と日本語にもなっているように英語では、metaphorと言います。

隠喩=metaphorは、例えを用いて何かを説明するときに、「~のようだ」「~の如し」といった表現を使わないものです。例えば「時は金なり(Time is money.)」「君は僕の太陽だ(You are my sunshine.)」のように、あるものの特徴を、直接ほかのもので表現する方法です。

いっぽう「~のようだ」を使った例えが直喩ですね。この直喩にあたる英語はあまり知られていませんが、simileと言います。「シミル」ではなく「シムゥリィー」のような発音になります。英語ではlikeのほかに、as if...(まるで~のような)やas~as...(…と同じくらい~)などを使った比喩がsimileにあたります。

さてmetaphorを解釈するときのポイントは、metaphorに使われる名詞の本来の性質は何かを考えることが大事になります。

comma(カンマ)は、文章を読みやすくするために、一文の区切りのいいところにつける読点のような存在です。ですから、カンマで一文が終わることはなく、その後ろに文が続いていきます。

いっぽうperiod(ピリオド)は文末につけて、その一文を終わらせる句点の存在となります。

ですから、commaはいわば区切りや休憩で、periodは終了という位置付けになると言っていいでしょう。そう、マコノヒーは、「人生には区切り、一旦停止はたびたびあっても、(命がある限りは)終わりはない」と言っているわけです。

人間、最低、最悪なことがあると、「ああ、もう人生終わった!」という気持ちになってしまうことも。そんなときにこの名言をつぶやいてみれば、未来に向かって希望が持てる。私はそんな気がするのです。

■名言の単語ピックアップ

period

終わり;期間;時代

日本人の大半が最初に知るperiodの意味は、上の「名言を味わう」で既に説明した、「(カンマとピリオドの)ピリオド」でしょう。文を終える点ですから、periodには「終わり」という意味があります。文脈によっては「終止符」「完結」といった訳も使えるでしょう。

「終わり」と同じくらいポピュラーなperiodの意味としては、「期間、時期」があります。よく耳にする表現にfor a long period of time(長い間、長期にわたって)とfor a short period of time(短い間、短期間)が挙げられます。

My new laptop’s battery lasts for a relatively long period of time.

(私の新しいラップトップのバッテリーは、比較的長い時間持つ)

*relativelyは「比較的に、相対的に、どちらかと言うと」といった意味の副詞。

(a)period of timeで「期間、期限、時間帯」といった時間を表すわけですが、periodとtime、単独でそれぞれ「時間」という意味を持つ名詞を、なぜわざわざ一緒に使うのか? 

こう突っ込みたくなるかもしれませんね。ですが、これはもうあれこれ考えず、「熟語でこういう言い方をするんだ」と割り切って覚えて、使っていくようにしてください。

以下の表現も、「期間」という意味のperiodとしてよく目にします。

trial period 試用期間

grace period (ローンや借金の支払いの)猶予期間

cooling-off period クーリングオフ期間、冷却期間

transition (transitional) period 移行期間

さらには、ある特定の「時代、年代」という意味もあります。Roman period(ローマ時代)、Edo period(江戸時代)のようになります。ちなみにこの「時代」という意味のperiodは、eraやtimes(通常複数形)に置き換えることも可能です。

「時代、年代」のperiodは歴史的な長い歳月だけでなく、例えば自分語りをする際にも使えます。

My twenties and early thirties were a difficult period of my life. I was still looking for what I really wanted to do.

(20代と30代前半は私の人生のなかで難しい時期でしたね。自分が本当に何をしたいかまだ模索中で)

また、女性の生理のこともperiodと言います。正確にはmenstrual period(「月経の周期→月経)のことですが、menstrualは日常会話では省かれます。have one’s periodで「生理中である」となります。ですから、今自分が生理だと伝えるならI’m having my period. です。I’m on my period.とも言います。

ただしビジネスの世界では、生理としてのperiodが気軽に使われることはまずありません。意味を知っておくことは大切ですが、使用は極力避けて。特に男性が女性に向かって、(×)You’re in a bad mood. Are you on your period?(機嫌悪いね。生理中?)などと尋ねるのは言語道断です。

ほかにも、医学用語で「過程、周期、段階」といった意味(例:the incubation period で「潜伏期間」)や、授業の「時限、授業時間」といった意味もあるperiod。幅広く使われる単語ですので、少しずつ守備範囲を広げていきましょう。

最後に仕事とプライベートの両方で即使える、とても簡単なperiod表現を紹介しましょう。

それは、Period!またはPeriod.です。この一語で「以上、(これで)終わり、それだけだ」という意味になります。

使い方としては、発言の終わりであることを強調する一言となります。あれこれ議論や言い合いなどをしていたものの、もうらちが開かないといった際の捨て台詞的なニュアンスでも、しばしば使われます。

その場合は以下のように強い口調でPeriod!を言ったら、その場をすぐ立ち去るのが効果的でしょう。ただし、相手が追いかけてこなければ、関係修復が不可能な可能性もあることを考慮してくださいね(笑)。

You’re no longer working for me. Period!

(もう君は私のために働いてもらわなくていいから。以上だ!)

You’re not my boyfriend anymore. Period!

(あなたはもう私の彼氏じゃない。これで終わりよ!)

I won’t say another world. Period!

(もうこれ以上一言も言わない。それだけだ!)

■名言を解剖する

Life is a series of commas, not periods.

(人生はカンマの連続さ、ピリオドではなくね)

冒頭の単語lifeは、「生活」「命」「人、生き物」「活力」など、これまた幅広い意味を持つ単語ですが、ここでは「人生、人の生涯、一生」といった意味です。

「連続」という意味のseriesは、a series of...(ひと続きの~)と、形容詞のように使われています。

名詞「連続=series」が、a series of...と3つの単語のかたまりになって形容詞の働きをするわけです。似たようなパターンとしてはa kind of...(一種の~)や、a lot of...(たくさんの~)があります。

commaは発音に注意です。カタカナだと「カンマ」だけでなく「コンマ」と言う人もいますが、「ン」は発音せず「カァマァ」のようになります。

またperiodも「ピリオド」ではなく「ピリウッドゥ」のようになります。このとき舌を口のどこにもつけずに丸めるrの音と、上の歯ぐき裏につけて音を出すdを、特に意識しながらトライしてみて。

最後の「,(カンマ)」以下の2つの単語は、not periodsとnotの後ろに名詞が来ていますね。つまり一文を通して見るとA is B, not C.という形になっています。

これは、「AはCではく、Bだ」という意味です。A is not C but B.としても同じことが言えますが、今回のように「~, not C.」と否定の部分を最後に持ってくることで、「ピリオドではなくてね」 を強調したかったのでしょう。

今回の名言の和訳は、マコノヒーのフレンドリーでざっくばらんな印象を反映させて、かなりくだけた口調にしてみました。

■今週の1枚

淡路島で講演があった際、前日に神戸市の舞子駅周辺に泊まりました。この写真は翌朝目覚めて、ホテルの窓から撮影したものです。明石海峡大橋のバックには、雲の切れ目から朝日も顔を覗かせています。急いでコンパクトサイズの新しいカメラを取り出して、パチパチ撮ったなかの1枚です。雲の様子がlifeにおけるa series of commasの象徴になるかなと思ったのですが、どうでしょう? 言葉で説明している時点でまだまだですね(笑)。もっと精進します!

さて次週(5月4日更新予定)の「やる気が出る名言で学ぶビジネス英語」は、またアメリカ人俳優となりますが、ジェフ・ブリッジスの言葉をフィーチャー。世界を変えるために個人がどう行動すればいいかに言及した一言は、今の苦しい状況にこそ読んでみたい名言だと思います。

どうぞお楽しみに。See you next week!

(構成・山本航)

■「やる気が出る名言で学ぶビジネス英語」は毎週月曜朝に配信します。