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【英語で名言】一日の始まりに感じたい、プリンスが遺した言葉

やる気が出る名言で学ぶビジネス英語 更新日: 公開日:
安河内哲也撮影

■今週の名言

Every day I feel is a blessing from God. And I consider it a new beginning. Yeah, everything is beautiful.

(私が感じている毎日は神からの授かりものだ。そして私は毎日を新しい始まりだと考えている。そうだ、何もかもが美しい)

■名言を味わう

セックスシンボルとしても名を馳せたプリンスですが、人生後半は信心深くなり、若いころとは大きく異なるライフスタイルだったようです。神を信じることで心の平穏を得ていたのかもしれませんね。

信仰のあるなし、または何を信じるかは人それぞれですが、人間は自分たちだけで生きているのでなく、いろんなものに“生かされている”。そんなふうに考えるのは、誰にとっても大切なことのような気がします。

そして、プリンスのように毎日が新しい始まりで、万物は美しいと感じながら日々を過ごせていけたら、こんなにすてきなことはないと思います。私も今度イライラがマックスに達したときは、この言葉を読み返して心を落ち着けてみます。

さて、「神」という意味のgodは小文字で表記される場合もありますが、今回のように、大文字表記で目にすることが多くなります。しかも不可算名詞で冠詞は付きません。

これはキリスト教のように特定の神が唯一絶対の存在とみなし、その神だけを信仰する一神教の観点から見た表記と考えればいいと思います。つまりGodは固有名詞扱いだということです。

最近は日本語でも「オーマイガー!」などと言いますが、英語ではOh my God!と、やはりgodが大文字。同様にI swear to God.(神に誓う)。Thank God!(ああ、ありがたい!)なども大文字です。

反対に多神教の場合は、gは小文字となりgodとなります。そして、There are lots of gods living in nature.(自然にはたくさんの神が生きている)のように複数形で使われます。

神をどう捉えているかで大文字になったり小文字になったり、複数になったりする「god」。これから英文を読むときは、どう表記されているかにも注目してみてください。

■名言の単語ピックアップ

blessing

神の恵、ありがたいもの、祈り

bless

祝福する、感謝する、賛成する

英語圏では日常的に使われる単語なので、この機会にしっかり意味をおさらいしておきましょう。

元の単語としては「(神が恵など)を授ける」「~を加護する、祝福する」という動詞のblessがあります。blessingはその名詞形で「(神から授かった)恩恵」「(神の)祝福」といった意味があります。

よく耳にするのはこれでしょう。

God bless you.

アメリカでは大統領をはじめとした政治家の演説の最後は、God bless you. (あなたに神のご加護がありますように)や 、God bless the United States of America.(アメリカ合衆国にご加護がありますように)でよく締めくくられます。

日本では政治家が公の場で宗教的な発言をするのは控えるべしという考え方があるのですが、キリスト教の価値観が強いアメリカは、blessという言葉だったり、聖書の引用をしたりすることがあります。

また、もっとパーソナルなレベルでも、このGod bless you.は日常的に使われます。人間のある生理現象が起こった直後に言うのですが、さて何だと思いますか?

正解はくしゃみ(sneeze)です。周囲でハクション!(英語だとAchoo!)と誰かがやると、周りにいた人がくしゃみをした人に向かって、God bless you.と言います。Godを省略したBless you.もポピュラーです。この場合は「お大事に」といった意味になります。

くしゃみをした人になぜこう言うのかは諸説あるようですが、くしゃみと一緒に魂が口から肉体を抜け出して病気になる、脆弱化してしまうという迷信から来ているとする説が一般的なよう。それを防ぐために「神のご加護を」と言ったということですね。

日本にはない風習なので、海外でくしゃみをして、(God) Bless you.と言われて戸惑った日本人は少なくないかもしれません。

かく言う私も、学生時代に初めてアメリカを旅行した際に、見ず知らずの人にいきなりBless you.と言われて驚いたのをよく覚えています。くしゃみに対して何か文句言われているのかと思い、無言でその場を立ち去ってしまいました。

くしゃみをして(God) Bless you.という一言もらったときの返しは、Thank you.の一言でオッケーです。このお礼の言葉を、相手の目を見ながら、スマイルと一緒に言えればパーフェクトでしょう。

ただしコロナ禍では状況が一変しています。公衆の面前でくしゃみをした人に対して、この言葉をかける余裕は、今の私たちにはまだないかもしれませんね。

では、次に名詞blessingでの使い方を見ていきます。ビジネスの世界では「承認、賛成、賛意」という意味でよく使われます。この意味ではapprovalと置き換えが可能と言っていいでしょう。

He gave his blessing to our plan to expand our business.

(彼は私たちの事業拡張案に賛成してくれた)

give one’s blessing to...で「〜に賛成する、〜を承諾する」という意味になります。頻出表現なのでぜひ覚えてください。

また、「ありがたいこと、幸運なこと、幸いなこと」といった意味のblessingも、仕事の英語でよく出てきます。

It is a blessing that our project has been such a huge success.

(我々の事業があんなに大成功したのはありがたいことだ)

It was a blessing that nobody got laid off after the recession.

(あの不況のあとでも誰もレイオフされなかったのは幸いだった)

要はラッキーなことが起きたときに、このa blessingが使えるということです。ただのluckyよりも「よかった」という気持ちを込めて使うことができます。

最後にもう2つ、よく使うblessing表現を紹介します。

・blessing in disguise 不幸に見えてありがたいもの

「ぱっと見は悪いことに見えるけれども、結局のところはいい物事」「つらいけれど、あとになってためになる物事」を指します。

Being laid off was a blessing in disguise. I got a much better job within a couple of weeks.

(レイオフされたのは不幸中の幸いだった。それから数週間でずっといい仕事に就けたんだから)

・a blessing and a curse 幸運でもあり不運でもある

ある物事が、いい面と悪い面の両方がある、ということです。

Having internet access during a long flight is a blessing and a curse. You can get some work done, but you’re always reachable.

(長時間のフライト中もインターネットにつながるのは、幸運と同時に不運でもある。仕事ができるが、常に連絡がついてしまう状態にもある)

■名言を解剖する

Every day I feel is a blessing from God. And I consider it a new beginning. Yeah, everything is beautiful.

(私が感じている毎日は神からの授かりものだ。そして私は毎日を新しい始まりだと考えている。そうだ、何もかもが美しい)

every dayの後ろには関係代名詞のthatが省略されていると考えるといいでしょう。そうすると、every day I feelは「私が感じている日々」となります。

is a blessing from Godのblessingは名詞ですから、主語はevery dayのday、動詞はisで、blessing from Godが補語となり「神からの授かりものである」となります。

I consider itのconsiderは、consider A Bで「AをBと考える」という意味になります。consider+名詞A+名詞Bという名詞が続く形を取るので、「名詞A=名詞Bと考える」となります。名言ではAがit。itが指す「every day=a new beginning(B)と考える」ということです。

yeahは口語で多用されるyesの略式。ここでは「うん、そうだね」といったニュアンスです。

「何もかも、すべてのもの、ありとあらゆるもの」という意味の代名詞everythingは単数扱いですから、動詞はisとなっています。Everything is all right.(万事順調です)、Everything has its beginning and end.(物事にはみな始めと終わりがある)など、everythingに付く動詞は常に単数を使うようにしてください。

■今週の1枚

雨ばかりで屋外撮影ができなかった梅雨の時期に、自宅で撮影した1枚です。文房具屋さんで買ってきた色画用紙をバックに敷き、フラッシュをたいて、ふんわりとした雰囲気を出してみました。

さて次週(8月24日更新予定)の「やる気が出る名言で学ぶビジネス英語」は、昨年一躍時の人となった、グレタ・トーゥンベリの名言を再びフィーチャー。若き環境活動家の言葉は環境保全を訴えるスピーチ内のものですが、仕事のやる気アップにも十分つながる内容だと思います。

どうぞお楽しみに。See you next week!

(構成・山本航)

■「やる気が出る名言で学ぶビジネス英語」は毎週月曜朝に配信します。