1. HOME
  2. 特集
  3. ナショナリズム 私たちを映す鏡
  4. 「何もない」から盛り上がる 埼玉県出身、斎藤ちはるアナが語る地元愛

「何もない」から盛り上がる 埼玉県出身、斎藤ちはるアナが語る地元愛

People
テレビ朝日アナウンサーの斎藤ちはるさん

――良くも悪くも初めて埼玉県人を意識したのはいつごろですか。

中学生くらいです。進学する高校を決めるとき、埼玉の学校も考えていたんですけど、以前していた乃木坂の仕事の関係もあって、東京の高校に行こうと思ったんです。その時、ちょっと意識し始めたのかもしれません。

――埼玉と東京は隣接しています。どういう点で違うと思いますか。

明確に違うわけではないんですけど、東京の方がスタイリッシュ、最先端な感じがします。埼玉は安全で安心なところですが、スタイリッシュなイメージはあまりないように思います。

――「ダサイタマ」「海なし県」とやゆされた経験はありますか。

あんまりなかったです。外の人から言われたことはなくて、身内でちょっと自虐的に言い合うような感じでしょうか。

高校で一番仲がよかった友人も埼玉県出身、もう一人、仲がよかった子は千葉県出身でしたけど、あまり言われた印象はないです。覚えていないだけなのかもしれないですね(笑)。言われても流していたのかもしれませんし、そもそもそんなに自信を持って、埼玉県出身だと言っていなかったかもしれません。

でも海が好きで、埼玉県にないからこそ、行くのがすごく楽しみ。海を見たらすぐ写真を撮ります。海に対する憧れはすごく強いと思います。 

■「何もない」ゆえの注目

――出身地を、隣接する人口が多い県などと偽るアイドルもいます。乃木坂時代も埼玉県出身だと公表していましたか。

はい。乃木坂のメンバーは、埼玉県出身が東京出身者より多かったんです。埼玉出身メンバーだけで取材を受けることもありました。仲間が多かったので、すごく楽しかった思い出があります。

――「羽鳥慎一モーニングショー」で全国各地へロケにも行っています。行く先々で埼玉県のよさを感じたことはありますか。

住みやすさが一番いいところだと思います。でも一方で、名産品が少ないのかな……と。福岡だったら、博多ラーメンもめんたいこもある。「埼玉、何が有名?」と聞かれたときに、あんまり浮かばないのが寂しいですよね。草加せんべいと深谷ネギ、所沢の焼き団子……自慢の品はたくさんあるんですけれど、名産品の知名度が低いのも少し寂しい印象です。

埼玉県を代表する農産品の深谷ネギ=埼玉県深谷市

――埼玉県所沢市にある球場でプロ野球の試合を観戦し、埼玉西武ライオンズを応援していたとか。

祖母の家が所沢市にあり、球場が近く、何度か行っていましたね。地元ということで親近感がありました。西武園ゆうえんちにも行っていました。

――夏の甲子園はどうですか。

学校名に「埼玉」とついていると、応援したい。そういう面でも、結構「埼玉愛」はあると思います。

――埼玉県東松山市出身で埼玉大学卒の梶田隆章さんがノーベル物理学賞を受賞し、同県深谷市出身で「日本資本主義の父」と称される実業家の渋沢栄一(1840~1931)が新しい1万円札の肖像画に決まりました。埼玉県をディスる映画「翔んで埼玉」も大ヒット。埼玉県がこれまでになく勢いづいています。

ノーベル物理学賞受賞が決まり、母校の埼玉大学の学生から花束を受け取る梶田隆章さん=2015年10月、さいたま市桜区の埼玉大学

これまで、埼玉はあまり注目されていなかったと思うんです。「翔んで埼玉」をはじめ、何もない埼玉だからこそ注目されているのかな、という感じもあります。映画を見て、より埼玉が好きになりました。埼玉だけ、しかも何もない、名産も少ないようなところだけがフィーチャーされる映画はこれまでなかったですよね。

――埼玉県の坂の名前や地名をアイドルグループ名にするとしたら。

何ですかね。う~ん。川越ですかね。埼玉の観光地で一番有名ですし。行ってよかったと思える場所。そういう面で、いいかなと思います。

――埼玉県は東西に長く、鉄道は各地域から都心へと向かう路線が発達し、横のつながりが弱いとも言われます。県としての連帯感はありますか。

「モーニングショー」キャスターの羽鳥さんも埼玉県出身、コメンテーターの一人、吉永みち子さんも埼玉県出身。そういう面では、出身地について「どこなの?」と話すところから話も膨らみます。連帯感というより、話のきっかけになります。

――乃木坂時代に埼玉県出身メンバーで取材を受けたときは連帯感はありましたか

みんな話がバラバラになりがちでした(笑)。仲はいいんですけど。 

■ラグビー日本代表、すごくいい

――スポーツは国を背負ってチームや選手が対戦することがあり、観戦する側の愛国心も高揚します。昨年はラグビーW杯が日本で開かれ、盛り上がりました。日本代表のあり方がサッカーや野球などと違います。

すごく素敵だなと思います。自分のやりたいことができるところに行き、その国のために戦うとか。そこで自分の本領を発揮し、日本に住んでいたことがその後の活動の中で広がっていけば、いろんな活躍の場も広がっていくと思います。すごく多様化されてて、すごくいいなというか、素敵だなと思います。

――改めて埼玉の「ここがいい」「すばらしい」と思う点を。

う~ん。何でしょうか(笑)。埼玉県はとても住みやすいです。何もないからこそ、みなさん東京やほかの県に行き、いろんなものを発見することができる気がします。そして埼玉について、友達同士で話が盛り上がることもあります。ほかの県にはない「“何もない”からこその一体感」じゃないですけど。自虐的な意味も含め「何もないよね~(笑)」と笑い合える仲間の関係性みたいなものがあるのはいいところだと思います。