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南アフリカで続く計画停電 信号も冷蔵庫も使えず 電力会社と政治家は癒着

アフリカを旅する
計画停電を続ける国営電力会社エスコムに対する抗議デモを実施する人々=2月28日、ヨハネスブルク、 レフロゴノロ・モコテディ撮影

計画停電はこの1、2年で不定期に実施されている。昨年3月にはほぼ毎日、数時間の計画停電が続き、民家だけでなく交差点の信号も多くが止まった。本来、地域ごとに停電時間は決まっているが、短時間で終わる場合もあれば、数週間に及ぶケースもある。

事態を受けて、多くの企業は自家発電を導入。朝日新聞の支局が入る建物も停電でインターネットなどが使えなくなる事態が頻発したために自家発電を設置し、家賃が上がった。

だが、国内の失業率は約30%にも及んでおり、経済的に貧しい家庭は自家発電を設置する余裕はない。冷蔵庫の中身が腐ったり、ランタンやろうそくを使って明かりをともしたりする家もある。

停電で付かなくなった信号機は、珍しくない光景になっている=3月9日、プレトリア、 レフロゴノロ・モコテディ撮影

相次ぐ停電に抗議するため、最大都市ヨハネスブルクでは2月28日、野党経済的解放の闘士(EFF)の支持者ら約2万人がデモを実施。学校を休んで参加したというドウェシ・モディセさん(18)は「いつもは与党を支持しているけど、今日のデモは全ての南アフリカ人のためのものだ」と語った。

デモ中には激しい雨も降ったが、同党のマレマ党首は「どんな雨も私たちを止めることはできない」と訴え、計画停電を止められない与党アフリカ民族会議(ANC)とエスコムを批判した。

電力供給量の大半を石炭火力発電所に依存してきたエスコムは、計画停電が続く理由について、発電施設の老朽化や維持補修にかかる資金不足が影響していると説明する。2015年ごろまでに完成予定だったメデュピ、クシレ石炭火力発電所の建設も遅延。建設費用も増加している。

建設工事が遅れているクシレ石炭火力発電所=2018年11月27日、レフロゴノロ・モコテディ撮影

国民生活に直結するインフラ事業のため、政府からの公的資金に頼ってきた放漫経営が続き、政治家との癒着や巨額の使途不明金も判明。現在の債務残高は4540億ランド(約3兆円)に上る。

1994年以来、政権の座にあるANCは水力発電などの供給量の増加のほか、エスコムを発電や送電、配電事業の3社に分割する方針を示している。だが、野党EFFは反発しており、与党の支持基盤である労働組合も賛同する保証はなく、計画が順調に進むかは不透明だ。

*この記事は、朝日新聞ヨハネスブルク支局スタッフのレフロゴノロ・モコテディ(Lehlogonolo Mokotedi)が多くの取材・執筆を担当。石原孝が一部を加筆し、日本語に翻訳しました。