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湯沸かし器や非常ベル、まさかの利用法 ローマのホテルが明かす「迷惑あるある」

World Now
イタリア・ローマのベットーヤ・ホテルの担当者たち

訪れたのはローマ中心部のテルミニ駅にほど近い「ベットーヤ・ホテル」。グループで周辺に合わせて1千近くの客室を持つ。日本や米国をはじめ、世界中から観光客が訪れるという。フロントオフィス担当の従業員に聞くと、宿泊客の迷惑行為で多いのは、主に二つのジャンルだという。「水回り」と「電気関係」だ。

ローマの「ベットーヤ・ホテル」

浴槽にお湯を入れている途中に寝入ってしまい、部屋が水浸しになるというのは、よくあるトラブルだ。ひやりとした経験がある人も多いのではないか。被害の程度にもよるが、宿泊客に損害賠償を請求することもあったという。

もう一つは、想定外だった。ホテルのバスルームにある非常ベル。気分が悪くなった時などに「ひも」を引っ張る形式のものがある。これがトラブルのもとになっているというのだ。「ひもをぴんと張って、洗濯物を干すために使う人がよくいます。警報が鳴ると、すぐに駆けつけなければいけません。物干しに使うのはやめてほしいですね」と従業員のセレーナ・ムチオさん(38)。

電気関係でトラブルになるのは、客室に備え付けの湯沸かし器でパスタをゆでようとする宿泊客。その時は電気を使いすぎて、その客室の階全体が停電になってしまった。部屋の暖房のつけ方が分からず、ヘアドライヤーをずっとつけて暖房代わりにしていた人もいたという。

ホテルの予約は近年、インターネットを使ってするのが一般的だが、「ネット予約だけでは不十分なようで、予約を証明する正式な手紙を別途送ってください、と電話やメールをしてくるお客様もいます。特にロシアやアラブの国々からが多い印象です」と従業員のアリアンナ・タラブさん(43)は話す。

ホテルの上層階からは、ローマ市内が一望できる

予約の際の「大人何人、子ども何人」というのも、言語の違いから受け取り方によって思わぬトラブルの種になる。家族旅行で来た人が、成人した息子や娘を「子ども」として予約して、料金支払いの際にもめることもあるという。

ベットーヤ・ホテルでフロントを担当するガブリエレ・ボッツォリさん

ただ、ホテルにとってトラブルが起きるのは日常茶飯事。宿泊客が何かに困っていたり、誤解していたことの現れでもある。「トラブルが起きても迷惑だな、と考えている暇はありません。何が起きても、すぐに対応させていただきます。大事なのは『臨機応変』です」とフロント担当のガブリエレ・ボッツォリさん(40)。「どこかで問題が発生すると、その部屋だけでなく、もしかしたら隣の部屋や階全体にも影響があるかもしれません。まわりのお客様も守らないといけませんから、うかうかしていられません」