アメリカ建国の父で、 歴史に残る偉大な政治家のこの言葉、直球でグサリと心に刺さりますね。今の国内外の政治家のみなさんに、ぜひ100回ぐらいは音読してもらいたいものです。
ビジネスにおいても、嘘をついてごまかしたところでどうせ何かのきっかけでばれてしまう。何でも可能な限り正直に言ったほうが得策でしょう。嘘は問題を大きくしがち。ワシントンのこの言葉、全部で6単語と短い一文です。そらんじて毎日唱えていれば、あなたのポリシーになるかも!?
■名言の単語ピックアップ
policy
政策、方針、やりかた(名詞)
ロングマン現代英英辞典でpolicyを調べてみると、a way of doing something that has been officially agreed and chosen by a political party, a business, or another organization(政党、企業、そのほかの組織で正式に合意され、選ばれた、ある物事のやり方)と説明されています。
It’s my policy to upset as few people as possible.(可能な限り人に心配かけないのが私のポリシーです)のように 個人の信条について使われることもなくはありませんが、会社や政党、団体の政策、施策、方針を表すことに使われるケースのほうが断然多くなります。
たとえば、国策ならnational policy、営業方針ならbusiness policyです。会社のプレゼンなどでは、It’s our policy to…(〜することが我が社、私たち組織の方針であります)というような表現でよく使われます。policyは、組織として進む方向性を皆と共有することができる非常に便利な単語です。
以下の例文3つでしっかり使いこなせるようになりましょう。
The company has adopted a no-smoking policy.
(その会社は禁煙の方針を採用している)
*has adoptedと現在完了形にすることで、ある過去の時点から今も採用しているという継続の意味を表している。a non-smoking policyという言い方もある。
Which type of accounting policy should our company choose in this case?
( こうした場合、わが社はどの会計方針を選ぶべきなのだろうか?)
* accounting policyで会計方針。会社、組織あるところにpolicyありなので、辞書でよく使いそうな方針、政策の種類をまとめてチェックしてみよう。
Your insurance policy covers fire and theft only, not medical.
(あなたの保険証券は火災と盗難しか保証されず、医療は適用されない)
*insurance policyは保険証券(証書)のこと。insurance policyの前にautomobile(自動車)、travel(旅行)、marine(海上)などを持ってくると保険の種類が明確に。
■名言を解剖する
Honesty is always the best policy.
(正直が常に最善の策である )
honestyは名詞で、この一文の主語です。形容詞のhonest、副詞のhonestlyとセットで覚えておきましょう。例:You can give me your honest opinion.(率直な意見を言ってください) You should tell your story honestly.(正直に話しなさい) また、冒頭のhは発音しませんよ。
honestyと聞いて私たち世代が思い出すのは、ビリー・ジョエルの歌っていたナンバー。日本では特大ヒットとなりましたが、アメリカではそこまでではなかったようです。日本のCMに使われた影響も大きかったでしょうが、日本でのヒットの裏には、日本人の洋楽の特徴的な聞き方が如実に反映されている気がします。
それは、「歌詞ではなくメロディーを聞く」というものです。ビリーのHonestyは、メロディーがとても美しい。ですが、歌詞を聞いてみるとけっこうネガティブなことを言っています。サビの一部を取ってもHonesty is such a lonely word. Everyone is so untrue.(誠実というのはとても孤独な言葉であり、誰もかれもが嘘をつく)という内容です。
意味に「そうだよなあ」と共感して好きになった日本人はあまりいないのかも。昔好きだった洋楽は、歌詞を見ながら聞いてみると、「こんな内容だったのか!」という驚きの体験もできるはず。楽しく英語学習する一環としてぜひお試しを!
■今週の1枚
とある会議に出席するため出張でアメリカのワシントンDCへ行ったときに撮った1枚です。会議が終わってホッとした気分で首都周辺を散歩していたら、Washington Monument(ワシントン記念塔)が湖面に反射している姿に遭遇。美しいなと思いながらシャッターを押しました。
味わい深い名言を写真とともに心に刻み込む。そして、名言の中の英単語をピックアップしてビジネスで使える英語を学び取る。それがこの連載にかかわる私たちチームのpolicyです。
さて次週(10月14日更新予定)の「やる気が出る名言で学ぶビジネス英語」は、「すべての滝にはメッセージが隠されている」と主張する一文を紹介します。このメッセージがわかれば何でも怪我知らずになるようですが……。
では、どうぞお楽しみに。See you next week!
(構成・山本航)
■「やる気が出る名言で学ぶビジネス英語」は毎週月曜朝に配信します。