【名言で学ぶ英語】片腕のプロサーファーが語るサーフィン愛がすごい！

やる気が出る名言で学ぶビジネス英語更新日：2019.09.25 公開日：2019.09.23

安河内哲也撮影

「やる気が出る名言で学ぶビジネス英語」＃３みなさん、こんにちは。英語の勉強楽しんでいますか？　私はいろいろな人の気持ちがこもった英語の名言に触れるのが本当に大好き。知らない単語やイディオムの意味なんかも、参考書の無味乾燥な例文ではなかなか覚えられませんが、名言だと心に響いてグッと記憶に定着しやすい。だから、英語学習にも役立つこと請け合い！
この連載で英語の名言に触れる楽しみと、学習としてのお役立ち感の両方を味わってもらえたらうれしいです。楽しいことは苦痛に感じないから長く続けられ、結果的に学習時間も増えますよ。（安河内哲也）

■今週の名言

Surfing for me is more than my lifestyle; it’s my passion, my love, and it’s a part of me.

（私にとってサーフィンは、ライフスタイルを超えたもの。それは私の情熱、愛、そして自分の一部です）

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ベサニー・ハミルトンの名言を安河内先生が解説

■名言を味わう

今週の名言は、ハワイ出身の現役女性プロサーファー、ベサニー・ハミルトンのものです。サメに襲われ片腕を失ったにもかかわらず大好きなサーフィンをあきらめずに続け、29歳の今も活躍する彼女が、自分にとってサーフィンはどんな存在かを語った一言です。サーフィンに対する情熱が、逆境をはねのけ成功する原動力になったことがよくわかりますね。

長年英語を教えることを生業にしている私にとって英語は、ライフスタイル、仕事、お金を稼ぐための手段ではありますが、それ以上に自分の生きる目的、自分自身の一部のように感じるものです。やっぱり英語を教えることは大好きだなと、ベサニーさんの言葉で再認識できました。

こんなふうに名言を、自分（の仕事）に置き換えて考えてみるのも楽しいものです。私ならTeaching English for me is more than my lifestyle; it’s my passion, my love, and it’s a part of me. となりますが、みなさんはどうなりますか？

■名言の単語ピックアップ

more than

〜より多い、を超える

「〜以上」という意味ですが、厳密に言うと日本語の「以上」とは違います。たとえば日本語で「５以上」と言えば５も含まれますが、英語のmore than fiveは「５よりも多い」という意味なので５は含まれません。つまりmore than fiveは日本語の「６以上」に相当するのです。この微妙なずれに注意しましょう。

では日本語の「５以上」を英語でどう表現すればいいかと言うと、five or overとなります。「５かそれ以上」と言っているので５も含まれるんですね。

more than の反対にあたるのがless than…（〜未満の、満たない）です。ビジネスでは数字が頻繁に登場しますから、more than やless thanを会話の中でうまく使いこなすことは大切。

では、以下の例文３つをしっかり覚えておきましょう。

If you would like to get a group discount you need to come with more than five people.

（グループ割引を受けたければ、６人以上で来てもらう必要があります）

＊more thanは「＋１の数以上」、less thanは「−１の数以下」と覚えて。

More than ten thousand people bought our new product over the last three months, but that’s less than three percent of the entire market.

（過去3カ月に我が社の新商品は1万を超える人が購入したが、その数は全体のマーケットでは３パーセントにも満たない）

＊more thanとless thanが一文で一緒に使われることも。たくさんの事例に触れて早く読み取れるようになろう。

I’m more than happy to help you with the report.

（レポートを作るのを喜んで手伝いますよ）

＊（be）more than happy to…で「〜を喜んで〜する」。I’m happy to…よりも「喜んで」の度合いを強く表現できる。happyの代わりにglad、willingを使うことも。

■名言を解剖する

Surfing for me is more than my lifestyle; it’s my passion, my love, and it’s a part of me.

（私にとってサーフィンは、ライフスタイルを超えたもの。それは私の情熱、愛、そして自分の一部です）

lifestyle（１語です）はそのままカタカナにもなっていますが、あえて訳すなら「生活様式」。more thanはmore than 10のように数字が後ろに来れば「〜より多い」という意味になりますが、more than lifestyleのように数字ではない名詞が後ろに来ると「それを超越した何か」という意味になります。「〜以上」と訳してもいいでしょう。

その後ろにセミコロンがありますね。セミコロンやコロンは、直前に書いた（言った）抽象的な事柄をもっと具体的に言い換える際に用います。「「ライフスタイルを超越した何か」という抽象的な発言を、「情熱、愛、自分自身の一部だ」と言い換えているわけです。「. （ピリオド）」と違って文は終わってはいないので、セミコロンの直後は小文字になります。セミコロン以降に２度出てくるit’sのitはもちろんsurfingのこと。

（a ）part of…は「〜の一部」。a part of meを使って自分の心の葛藤を説明することもできますよ。(A) Part of me wants to accept that exciting job offer but another part of me wants to stay with my current lucrative job.（そのエキサイティングな仕事のオファーを受けたい気持ちもあるけど、もうかる今の仕事を続けたい気持ちもあって）

■今週の１枚

今年５月に鎌倉の由比ガ浜を訪れたところ、キッズ対象のサーフィン教室が開かれていました。少年たちがサーフボードを持って楽しそうに歩いている風景を、モノクロで撮ってみました。

英語が得意になるためには、勉強を毎日続けることがとにかく大事。サーファーが毎日でもサーフィンしたいと思うのと同じように、ちょくちょく英語の波に乗りたいという気持ちになれたらしめたものです。

そのためには、心に響く名言を使って、楽しめる要素を学習の中に取り入れるのも一案。英語学習を苦行ではなくfun and joyに変えて、長く続けていきましょう！

さて次週（9月30日更新予定）の「やる気が出る名言で学ぶビジネス英語」は、さまよい人と都会の関係性を哲学的に記した男性作家の言葉を紹介します。

どうぞお楽しみに。See you next week!

（構成・山本航）

■「やる気が出る名言で学ぶビジネス英語」は毎週月曜朝に配信します。