絶景プロデューサーの詩歩(しほ)です。
2015年から、自分へのミッションとして毎月海外へ絶景を取材しに渡航しています。それらの期間はまちまちですが、その間日本にいる期間にも、毎週地方へ取材に出かけています。
取材中に撮影し、Instagram等SNSで発信するのは、撮影に成功した美しい絶景たち。ですが、実はその裏側には、表には出さない隠された苦労が隠れているのです。
2017年7月に訪れたウクライナ。
1冊目の書籍「死ぬまでに行きたい!世界の絶景」でも巻頭の絶景として紹介した絶景「恋のトンネル」を見るために、ウクライナまで行ってきました。
この「恋のトンネル」があるのは、リヴィウという西部の街の郊外。日本からはポーランド経由でリブネに入国し、そこから電車で2時間半の行程です。大きな問題もなく、無事に目的地である「恋のトンネル」までたどり着きました。
お目当ての絶景はというと・・・この美しさ!
全長4Kmの線路沿いに自然にトンネルが形成された、自然の芸術。そのロマンチックな光景から「恋のトンネル」と呼ばれ、意中の人と歩くと恋が結ばれるとか、結ばれないとか。この線路は今なお列車が通る線路ですが、木材運搬の業務用の列車が朝のみ通過するため、線路上を観光してもOKなのです。
わたしが訪れた日も、地元のカップルや外国からの旅行客が数十人訪れていました。
しかし、上記のロマンチックな光景を撮影している間が、実はわたしにとって戦いの最中だったのです。
なんとこの地は「蚊」が大量発生する場所だったのです!
普段から刺されやすい体質の私。事前リサーチでその情報は知っていたため、日本から考えうる虫除けグッツを持参。夏の暑い日ですが、長袖長ズボンはもちろん、虫除けスプレーやポータブル蚊取り線香などをバックパックから吊るして、トンネルへ出陣しました。
ところが・・・
蚊がわたしの身体に寄ってくるわ、寄ってくるわ!「恋のトンネル」は森の中にあるトンネルで、その森の到るところに湖があり、そこで蚊が大量発生している様子。サイズも日本の蚊とか比べ物にならないほど巨大で、刺されたそばから腫れ上がっていきます。
それでも、美しい光景を目の前にして写真撮影をしたくてたまらないので、手足をジタバタ動かしながら、撮影。1枚目は三脚を使ってセルフタイマーで撮影したものですが、撮影時だけ長袖長ズボンを脱ぎ、終わった瞬間に急いで着ました。
こちらが、実際に刺された右手。
写真だと分かりづらいのですが、右手の甲だけでなんと20箇所も刺されていました。もはやどこを刺されたのか分からないほど、手のサイズが一回り大きくなってしまいました。
ずっと恋い焦がれていた、夢にまでみた絶景。この光景を目の前に、できれば本でも読んで1日を過ごしたい…と思っていましたが、そんな希望はあえなく散り、90分で限界に達しました。
SNSでお見せしているのは華やかな光景ですが、実はその裏側にはこんな面白い(?)苦労話もあるのです。そんなこともチラリと思い出していただくと、同じ絶景写真もまた違った楽しみ方ができるかも、しれません。