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韓国と北朝鮮を結ぶ南北鉄道建設「山いっぱい、道は遠い」

東亜日報より
南北の当局は早ければ今月末か来月初め、南北の鉄道と道路の連結の起工式を行うと発表したが、課題は山積みという分析が多い。京畿道坡州市の京義線臨津江駅には、次の駅が平壌駅と表示された案内板が立っている。

韓国と北朝鮮は鉄道と道路の連結のための着工式を11月末~12月初めに行うことを合意し、経済協力の「機関車」となることが期待されている。建設業者や鉄道車両製作会社など関連の業界からは南北経済協力特需という希望的観測も出ている。

しかしながら、越えるべき山は多く、道は遠いというのが多くの専門家たちの分析だ。南北の鉄道をつなげる技術的な問題だけでなく、北朝鮮の鉄道敷設をめぐる関連国間の利害関係も複雑なためだ。さらに鉄道と道路の連結は、北朝鮮の非核化及び制裁緩和がスムーズに進むという前提のため、関連の協議の行方も重要だ。

南北断絶区間の鉄道及び道路連結計画

南北鉄道連結?随所に技術的障害

北朝鮮の鉄道は韓国と同様、線路の幅が1435ミリメートルの標準レールを使っている。日本統治期に標準レールを採択したためだ。南北の鉄道を連結するために線路を変える必要はない。

しかし、電力供給システムは違う。韓国が2万5千ボルトの交流電源を使うのに対し、北朝鮮は3千ボルトの直流電源を使う。互換装置がなければ南北の鉄道連結は不可能だ。もちろん、ディーゼル機関車を活用すれば既存の線路を利用することはできる。ただ、長期的にみて、電力供給システムを統一するべきだというのが多数意見だ。特に北朝鮮は電力事情がよくないので、発電所や変電所を拡充するのは、負担になると思われる。

信号体系の統一も必要だ。アナログ方式の北朝鮮の信号体系を韓国と同じデジタル方式に転換し、将来的に高速鉄道を敷設する際の混乱を防ぐ必要がある。韓国鉄道技術研究院のパク・ジョンジュン未来革新戦略室長は「電力供給システムや設計の基準、信号体系、各種技術用語など違いが多く、南北間の協議を通して統一していくことで試行錯誤を減らせる」と指摘した。

関連国「同床異夢」

南ー北ー露 推進予定鉄道連結事業

南北鉄道の連結がヨーロッパとアジアをつなぐユーラシア鉄道の完成という点で、韓国と北朝鮮はもちろん、中国やロシアなど周辺国家まで利権に飛びつき、国際的な問題に飛び火する可能性も否定できない。

北朝鮮とロシアは、2014年10月、「北朝鮮鉄道拡大化事業」の契約を締結した。20年かけ、老朽化した北朝鮮の鉄道3500キロメートル(北朝鮮全体の鉄道路線の70%)のレールとトンネル、橋梁の刷新事業だ。総事業費だけで250億ドル(約2兆8150億円)に上る。ロシアは、鉄道の刷新をする条件で、レア・アースの採掘許可を得たと報じられている。工事はロシアの建設業者であるモストビックが行う。契約締結当時、関連業界でロシアがヨーロッパと極東を結ぶシベリア横断鉄道(TSR)との連結を念頭に事前の作業に入ったという分析もある。南北鉄道の連結に備え、北朝鮮の路線に関する既得権を主張するための布石を打ったということだ。

TSRが南北をつなぐ鉄道網と連結されれば、韓国はもちろん、日本の物流まで吸収できるため、収益性を極大化することができる。しかし、韓国としては下手すれば南北鉄道の連結費用だけ負担して、事業の主導権をロシアに奪われる可能性を念頭に置くべきだという指摘もある。

中国も同様だ。南北の京義線高速鉄道を建設すれば、中国横断鉄道(TCR)と連結する条件で、中国型高速鉄道のモデルにこだわる可能性もある。中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)が借款の提供を口実に北朝鮮を動かし、「技術は韓国、実利は中国」という状況になる可能性もある。

南北間でも鉄道刷新について「温度差」がある。韓国は相対的に経済性が高い京義線高速鉄道建設に関心が高い。一方、北朝鮮は京義線だけでなく全国の鉄道路線及び道路の刷新を念頭に置いている。具体的な協議が進めば、細かい部分で意見の対立が発生する可能性もある。

韓国交通大学交通政策学科のジン・ジャンウォン教授は「今後、収益の分配構造で韓国側の収益性を極大化する方向で協議を進めるべきだ」と助言する。

南北鉄道の連結は、ユーラシア大陸につながる物流の動脈になるだろうという部分では異論はない。しかし、道路は少し違う。北朝鮮の道路の刷新については韓国が得られる経済効果があまりないため、事業費の確保が難しく、さらに一部では有事の際、北朝鮮軍が大規模に移動できるようになるという心配の声もある。

(2018年10月20日付東亜日報ソン・ジンフプ記者)

(翻訳・成川彩)