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日本も無関係ではない 数減らすアフリカゾウ

アフリカを旅する
南アフリカのクルーガー国立公園で、巨大な二頭のゾウがゆったりと歩いていた=8月、石原孝撮影

南アフリカ北東部にあるクルーガー国立公園。8月下旬、枯れ木が目立つ草原を車で回っていると、十数頭のゾウの群れに出くわしました。大きな鼻を器用に動かし、木の葉を食べて腹ごしらえをする様子は、まさにアフリカらしい光景です。

南アフリカのクルーガー国立公園近くの動物保護区で、木の葉を食べるゾウの親子=8月、石原孝撮影

四国ほどの大きさがあるこの国立公園には、約1万4千頭のゾウが生息しています。3日間の滞在中、私が確認できたゾウは約30頭。立派な牙がある巨大なゾウの姿も見ることができました。

南アフリカのクルーガー国立公園で、こちらに接近してきた巨大なゾウ=8月、石原孝撮影

ただ、象牙を狙った密猟によって、ゾウの群れはアフリカ全土で減っています。経済発展を遂げた中国などの富裕層の間で、装飾品や置物として需要が高まったことが原因と指摘されています。

今月には、生息数13万頭のボツワナの野生動物保護区の付近で、90頭近いゾウの死体が見つかりました。多くが牙を目当てに殺されたと言われています。

1970年代までアフリカ大陸に100万頭以上いたとされるゾウは、70年代以降に密猟で激減。89年にワシントン条約で象牙の国際取引が原則禁止され、2000年代半ばに約50万頭まで回復しました。

南アフリカのクルーガー国立公園で、道路を横断するゾウ=8月、石原孝撮影

ただ、16年8月に発表された調査では、生息が確認されたのは18カ国で約35万頭。アフリカ東部やアフリカ中部の国で減少がひどく、近年では年間2万頭のゾウが犠牲になっているようです。専門家は「野生のゾウは今後1世代のうちに絶滅する恐れがある」と警告。国際的な批判を浴びた中国は最近になって、国内取引を禁止しました。

日本は、象牙が箸や印鑑などに利用されてきた歴史的背景などから、国内取引が続けられています。一方で、日本から中国に向けた象牙の密輸も起きており、昨年11月には象牙の印材605本(重さ約7㌔、約31万円相当)を許可なく密輸出しようとしたとして、中国籍の男が警視庁に逮捕されました。
国際社会からは、国内取引を続ける日本への視線も厳しくなっています。楽天などネット通販各社が象牙の取り扱いをやめる動きも広がっており、東京五輪の開催を前に、より厳しい対応が求められそうです。