ミュージカル輸出けん引する演出家ワン・ヨンボム
国内のミュージカル市場は、米国や英国のライセンスミュージカルの依存度がかなり高い。公演の売り上げの10~20%ほどを海外の原作プロダクションにロイヤリティーとして支払ってきた。
こういう事情で、数年前から国内のミュージカル制作者たちは、創作ミュージカルを成功させようと相当な努力を重ねてきた。そんな中、韓国創作ミュージカルの成功神話を作った人物がいる。ミュージカル「フランケンシュタイン」の演出家、ワン・ヨンボム氏(44)が、その主人公だ。
「フランケンシュタイン」の3度目のシーズンを1ヶ月半後に控えた5月6日、ソウル市鍾路区の東亜メディアグループ社屋でワン氏に会った。彼は「『フランケンシュタイン』の初演時のように今シーズンも準備している。初演とアンコール公演の成果について色々考え、完成度をより高めるための努力をしてきた」と話した。
「フランケンシュタイン」は、大劇場の創作ミュージカル史上初めて、日本の大手制作会社「東宝」とライセンス契約を結び、韓国ミュージカル輸出の新境地を開いた。
「2017年1月8日、東京の日生劇場でフランケンシュタインの日本公演が幕を開きました。初公演が終わってカーテンコールの時、東宝が原作者として私を観客に紹介してくれました。1300人余りの観客が立ち上がって拍手を送ってくれて…。本当に涙が出るほど感動しました」
「フランケンシュタイン」は日本に続き、最近、中国からもワン氏の新作「ベン・ハー」と共に200万ドル(約21億4千万ウォン、約2億1400万円)規模の投資を受けた。
最初からヒットを予測していたわけではなかった。ワン氏は「初演前、周りからは『頭にネジが刺さった怪物の話で何が作れるのか』『作品性が保証されているわけでもなく、アイドルの出演なしに成功は難しい』などと言われた。『興行よりも、真摯にいい作品を作ろう』という気持ちが通じたんだと思う」と話す。
2015年のアンコール公演の際は、観客の熱望を受けて公演を3週間延長した。
「『フランケンシュタイン』を愛してくれるファンの熱意はすごかった。上下2巻の『ミュージカルフランケンシュタイン辞典』を作って配る方もいたほど」
パク・ウンテ‐ハン・ジサンにミン・ウヒョク‐KAI加勢
6月20日~8月26日、ソウル公演
今回の公演では初演のメンバー、パク・ウンテ、ハン・ジサン、リュ・ジョンハンのみならず、ミン・ウヒョク、KAI(カイ)ら新たな俳優たちも加わる。
「キャラクターを生かすのに最もふさわしい俳優たちをキャスティングしました。俳優らは禁欲的な生活を送りながら作品に没頭し、200%情熱を注いでいます。あはは」
6月20日~8月26日、ソウルのブルースクエア・インターパークホール。6万〜14万ウォン(約6千〜1万4千円)。
( 2018年5月14日付東亜日報 キム・ジョンウン記者)
(翻訳・成川彩)