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年下の彼のリアル感と#Me Too

現地発 韓国エンタメ事情
ドラマ「よくおごってくれる綺麗なお姉さん」の一場面。(JTBC提供)

ドラマ「よくおごってくれる綺麗なお姉さん」

最近韓国で話題になったドラマと言えば、JTBCの「よくおごってくれる綺麗なお姉さん」(全16話)だ。日本でもすでにネットフリックスで見たという人もいるだろうが、7月にCS衛星劇場で放送予定という。映画を中心に活躍し、「私の頭の中の消しゴム」などで知られるソン・イェジンが5年ぶりにドラマに復帰ということで注目されたが、むしろ相手役のチョン・ヘインがブレークした。

ドラマ「よくおごってくれる綺麗なお姉さん」の一場面。(JTBC提供)

これまで助演級だった俳優だが、ソン・イェジンの年下の彼の役で、世間では「国民の年下男」と愛称がついた。確かに、笑顔がかわいい。が、特別かっこいいかと言えば、そこらへんにいそうでもあり、親近感の持てるタイプだ。人気の理由はソン・イェジンとの相性がぴったりなこと。リアルなカップルにしか見えなくて、私も完全に引き込まれてしまった。報道によれば、チョン・ヘインの年間CM出演料が、このドラマの前は1億5千万ウォン(約1500万円)程度だったのが、5~6億ウォン(5千〜6千万円)にはね上がったというから、その人気っぷりたるや。

ドラマ「よくおごってくれる綺麗なお姉さん」の一場面。(JTBC提供)

メインは二人のラブストーリーだが、気になるサイドストーリーもある。今年、韓国社会を騒がせているセクハラ問題だ。セクハラや性暴力の被害者が声を上げる「♯Me Too運動」は、韓国では1月下旬に検察庁で火がつき、その後、映画・演劇界、政界に広まった。
ドラマの中では、男性上司のセクハラを我慢していた女性社員たちが反旗を翻す。会食で男性上司に「横に来て肉を焼け」と命じられた主人公のユン・ジナ(ソン・イェジン)が応じず、それに立腹した男性上司に見せつけるように、逆に女性上司が男性社員を呼びつけて肉を焼かせる。この事件をきっかけに社内で女性社員に対するセクハラ被害の実態調査が始まる。
現実の韓国社会では、セクハラを訴えられるリスクを避けるため、会食に女性社員を呼ばない、という現象まで起きている。ジナが最後まで闘い抜く姿も現実の社会とシンクロし、余計に関心を集めたのだろう。だが、ストーリーは痛快ではあるが、#Me Tooは人権の問題であって、女性vs男性の闘いではないのだが……と思ってしまった。

ドラマ「よくおごってくれる綺麗なお姉さん」の一場面。(JTBC提供)

ドラマの好評を受けて、放映期間中の4月、ソウル市内で記者会見が開かれた。ソン・イェジンは「ジナは私自身の年齢に合ったキャラクターで、30代後半女性の社会的な位置や、両親との関係、恋愛、まさに自分が感じていることが台本に出ていて、共感しながら演じています」と話した。実は私もソン・イェジンと同じ1982年生まれ。いい歳して大人になりきれず、頼りないジナの言動は、自分を見ているようで、私を含め同世代の女性たちの共感を呼んだのは間違いない。とにかくリアリティーを追求したドラマだ。チョン・ヘインは「一日一日本当に感謝しながら、撮影を楽しんでいる。ドラマの撮影でこんなに幸せになれるなんて、初めてです」と、満面の笑顔を見せた。

記者会見後のチョン・ヘイン(左)とソン・イェジン(JTBC提供)

韓国芸能界では昨年、大ヒットドラマ「太陽の末裔」の主演、ソン・ヘギョとソン・ジュンギが結婚するというビッグニュースもあり、記者からは「お二人が本当に付き合ってるんじゃないかという声もあるんですが」という質問も。否定はしていたが、そう思わせるほどの演技力ということでもある。ベテランの域に入ったソン・イェジン、新星のチョン・ヘイン、今後どんな姿を見せてくれるのか、楽しみで仕方ない。

記者会見後のチョン・ヘイン(左)とソン・イェジン(JTBC提供)