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絶景の湖畔で焼き鳥屋、週末はバンドで熱唱 @サンペドロ・ラ・ラグーナ(グアテマラ)

私の海外サバイバル 更新日: 公開日:
屋台風の焼き鳥店は世界中からやってくる旅人たちでにぎわう photo: Muraoka Sadao

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グアテマラ南西部、サンペドロ火山のふもとの街。人口約1万。マヤ系の先住民族が多く暮らす。スペイン語を学びに来る人も多い。

世界一美しいとも言われるアティトラン湖に面する街で、焼き鳥屋を開いています。しめたばかりの新鮮な鶏肉を毎朝仕入れてさばき、骨からスープをとります。昼前から夕方までの営業で、地元の人や外国人、観光客など実に様々なお客さんたちがやってきます。

特に人気なのは親子丼です。若い頃アルバイトをしていたうなぎ屋のオヤジさんから教わったタレの作り方を参考に、試行錯誤の末に割り下を作りました。グアテマラ産のしょうゆは、それだけだとまずいのですが、現地の蒸留酒と砂糖を合わせて作るタレはなぜかとてもおいしい。たまに来る日本人にも好評で、3カ月間、毎日食べに来た韓国人もいたんですよ。米は長粒種ですが、圧力釜を使えば、おむすびを握れるくらいにはふっくらと炊きあがります。

JICAのシニア海外ボランティアとして、織物の天然染めを地元の人たちに教え、商品化を手伝ったのが、この国との出合いでした。今でも日曜には時折、観光客向けに天然の藍染め教室を開いています。自分ひとりで地産品を仕入れて販売し、利益を得てお客さんの喜びを直接感じることもできる。大変やりがいを感じています。

私のOFF

ここは自由人が多くて、居心地はきわめて良いです。ベトナム戦争のころから、ヒッピーが世界中から集まってきたそうです。「最近のヒッピーはクレジットカードを持っている」と地元の人たちは笑っています。標高が1500メートルほどあるため、気温も常に20度台と過ごしやすい。ただ、洗濯機はほとんど普及していません。手洗い洗濯だけは時々嫌になります。ギターに似たカバキーニョという楽器を独学し、週末は、グアテマラ人と一緒にやっているブラジル音楽のバンドでライブ演奏を楽しんでいます。

(構成 GLOBE記者 田玉恵美)

むらおか・さだお

1958年、岩手県生まれ。日本での会社員生活を経てJICAのシニア海外ボランティアに。モンゴルで観光客誘致にかかわった後、2009年にグアテマラへ移った。