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世界を驚かす次の日本食 グルメの希望的新春予想

マイケル・ブースの世界を食べる
Photo:Kitamura Reina

グルメは絶えず新しいものを探している。私などはそのために世界中を旅までしているわけだ。伸び縮みするストレッチ素材のズボンをはいたギリシャ神話の英雄のように、私たちはおいしさへの飽くなき欲求を満たそうと、新しい味や商品、流行を永遠に追い求める定めにある。それは、信仰の欠落を埋めるためのものであったり、空しさや死という気が遠くなりそうな恐ろしい深淵からの逃避なのかもしれない……。それはそうと、新しいクレームブリュレドーナツはもう食べました?

私も食の世界もどっちもどっちだが、毎年この時期には次の年に話題になりそうなトレンドをリストにしている。今回は、世界の人たちの耳に入れておいた方がいい日本食をいくつか提案したい。

2018年はもち、お好み焼き、ラーメンが来る!?

私がいまだに理解できないのは、もちがどうして万国共通のスイーツにならないのかだ。日本にいると、コンビニの冷蔵コーナーでどんなもちスイーツがあるか確かめずにはいられない(クリームが入ったフルーツ味のもちは、天にも昇るおいしさだ)。それにあの、もちに包まれたアイスクリーム! これ以上すばらしい食べ物があるだろうか?

もちと同じように、何年もインタビューやコラムで熱弁しているのが、お好み焼きのグローバルな可能性だ。パリやロンドン、日本人コミュニティーがあるアメリカの都市には、お好み焼き屋があるが、すしのようにメジャーになるにはまだ時間がかかりそうだ。しかし、私にはマクドナルド式のお好み焼きチェーン店が世界を制する姿が目に浮かぶ。何しろお好み焼きにはすべてがある。早くて安い。キャベツもいっぱい。体にいいものを食べている気になる。豚肉や魚介類でたんぱく質もばっちり。わずかなお金で、セメントを入れたバケツみたいにおなかがふくれる。

もちろん、お好み焼きといえばあのソース。2018年、「やみつき茶色ソース」系の日本食はどれもとてつもないポテンシャルを発揮するだろう。たこ焼き、串カツ、とんかつ、焼き鳥……。どれも大豆をベースに塩味、酸味、甘みと香味を絶妙のバランスで配合したソースやディップ、調味料が利いている。

そしてラーメン。読者諸兄の考えは承知している。ラーメンはもう世界中でおなじみだとお思いだろう。しかし、それはとんこつに限った話。日本以外では、ラーメンといえばとんこつだが、私のお気に入りリストのランクはずっと下の方だ。願わくは、魚介ベースのラーメンが早く流行しますように。魚介だしを少しでも混ぜたスープに勝るものはない。

日本酒はここ数年、世界で成功を収めてきた。国内で売り上げが落ち込むなか、輸出は急増している。しかし、日本食についての次回作を書くために調べていたところ、焼酎の驚くほど多様なおいしさを知った。ストレートならウォッカの代わりになるし、いろいろな飲み物と割ることもできて、可能性は計り知れない。東アジア以外ではほとんど知られていないが、ロンドンで最近、(そこまでおいしくはないが)焼酎をつくっているという地元の酒造家に出会った。ブームはすぐそこまで来ている。

日本酒、焼酎とくれば、日本の牛肉そして豚肉だ。日本人1人が食べる量は、牛肉より豚肉のほうが多いと知ったときは驚いた。そのわりに日本の豚肉はほとんど海外に出回っていない。世界が、甘くてうまみたっぷりの鹿児島産の黒豚を味わったら、そんな現状も変わるに違いない(特にイギリス人は、黒豚がかつてヴィクトリア女王から日本に贈られたバークシャー種の改良形と知ったら放っておかないだろう)。和牛のようにブランド化すれば、完璧だ!

もしここで挙げたおいしいものが2018年になっても食通の舌を唸らせることがないようなら……次はもちろん2019年がある。(訳・菴原みなと)