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駐車場DX、アスリート支援事業…スタートアップW杯東京予選、多彩な企業が出場

スタートアップワールドカップ 更新日: 公開日:
スタートアップワールドカップ東京予選で1位になったデジタルエンターテイメントアセットの共同CEOの山田耕三・共同CEOら
スタートアップワールドカップ東京予選で1位になったデジタルエンターテイメントアセットの共同CEOの山田耕三・共同CEO(中央)ら=2024年7月19日、東京・六本木、関根和弘撮影

ランディット株式会社(藤林謙太・代表取締役社長CEO)

自動運転、物流、渋滞、過疎などを解決します。駐車場が今どこに何台空いているかがわかるデータベースを構築することにより、駐車場版「一休.com」のようなものを作っています。もう駐車場を探しません。駐車場はニッチに見えますが、日常生活と切り離せません。また、衛星画像は相続や建物の増改築などもすべてアップデートされ、住宅やオフィスの価格もわかり、建設情報もすべて入ります。さらには農業、災害、都市計画などにも応用することができます。

スタートアップワールドカップ東京予選でプレゼンする藤林謙太氏
スタートアップワールドカップ東京予選でプレゼンする藤林謙太氏=2024年7月19日、東京・六本木、関根和弘撮影

株式会社HAKKI AFRICA(小林嶺司・代表取締役)

信用スコアリングを独自で開発し、中古車のマイクロファイナンス事業をアフリカでやっています。アフリカの社会課題の一つに、多くの人が信用不足で自動車ローンの審査に通らないことがあります。中でも我々が注目しているのはタクシードライバーです。彼らは車を買えず、仕方なくレンタカーでビジネスをしています。そこで彼らのモバイルマネーの利用明細を分析することで、信用評価できるシステムを開発しました。具体的には車を購入したいタクシードライバーが、モバイルマネーの利用明細をダウンロードし、弊社のサイトにアップロードします。それに対し、当社の信用スコアリングのシステムが審査します。不良債権率は0.72%で、我々の信用評価が有効だと言えると思います。

スタートアップワールドカップ東京予選でプレゼンする小林嶺司氏
スタートアップワールドカップ東京予選でプレゼンする小林嶺司氏=2024年7月19日、東京・六本木、関根和弘撮影

株式会社Yuimedi(グライムス英美里・代表取締役社長)

研究や臨床に使える医療データを 簡単にすぐに医療現場に届けます。我々は医療データの「前処理」を自動化する会社です。医療機関の人たちはデータの前処理に80%以上の時間を使っていて、命を救うために研究したいのに医療データが使えないという課題があります。これに対し、弊社は二つのソリューションを提供しています。一つはデータの標準化で、AIのサポートにより、専門家でなくてもデータを標準化してくれます。もう一つはデータの抽出です。AIにこんな研究をしたいと伝えると、すぐにそれに関係するデータを取り出してくれます。人が数カ月かかることを数分でやってくれます。

スタートアップワールドカップ東京予選でプレゼンするグライムス英美里氏
スタートアップワールドカップ東京予選でプレゼンするグライムス英美里氏=2024年7月19日、東京・六本木、関根和弘撮影

株式会社シコメルフードテック(川本傑・代表取締役社長)

料理の「仕込み」革命から日本の人手不足を解消します。外食産業の人手不足は74.8%、2023年にはサービス業全体で400万人が不足すると言われています。そこで私たちは中小の食品工場と飲食店を効率的にマッチングするシコメルというサービスを展開しています。食品工場の得意商品を理解し、隙間時間をコントロールします。一方で、飲食店のメニューの中で工場に落とし込めるものを発見、再現することでクラウド上に「セントラルキッチン」を作っています。飲食店は人手不足を補うことができるだけでなく、スタッフが本来行うべき接客やクリエイティブな仕事に集中できます。また、工場は苦手な営業に時間を取られることなく、彼らの工場が高品質、高回転に生まれ変わっていきます。生産された商品は飲食店が許可をすれば業界全体にアプリでシェアされ、飲食店側には売り上げの2%が毎月還元されます。

スタートアップワールドカップ東京予選でプレゼンする川本傑氏
スタートアップワールドカップ東京予選でプレゼンする川本傑氏=2024年7月19日、東京・六本木、関根和弘撮影

株式会社オルツ(高橋勇・CCO)

自身の意思をデジタル上で再現する、デジタルクローンつまりP.A.I.を研究・開発する会社です。今の生成AIの時代がやってくると信じ、2014年に創業してやってきました。若い労働人口が少なくなる中、AIでカバーしようということでもあります。一人ひとりがAIを作ることによって、日本のGDPも大きくなることを目指しています。

スタートアップワールドカップ東京予選でプレゼンする高橋勇氏
スタートアップワールドカップ東京予選でプレゼンする高橋勇氏=2024年7月19日、東京・六本木、関根和弘撮影

LocationMind株式会社(桐谷直毅・代表取締役CEO)

東京大学発のベンチャーです。皆さんは何かしら人間にサービスを提供しながら事業をしていると思います。ところで僕たちは色んな空間を切り取って分析します。建物や道路、国全体。ところが我が社は自分たちで位置情報を集めません。通信会社、自動車会社、国が持っているデータを持っているところと買いたい人たちを結ぶのが仕事です。皆さまにもデータをサブスクしてもらい、その間は毎日でもデータが更新されます。

スタートアップワールドカップ東京予選でプレゼンする桐谷直毅氏
スタートアップワールドカップ東京予選でプレゼンする桐谷直毅氏=2024年7月19日、東京・六本木、関根和弘撮影

XANA(ザナ) LLC(Rio Takeshi Kubo〈久保武士〉CEO)

メタバース市場は今後10年で380兆円の市場規模になると言われています。これだけの可能性があるにもかかわらず、すでに多くの業者が撤退しました。なぜか。膨大なコストがかかる上、人材の慢性的な不足、クリエーターにとっては収入になりにくいため、いいコンテンツが生まれず、ユーザーが集まる場所になっていないからです。この負のスパイラルを打ち砕くためには、ヒト、モノ、カネがもっと簡単にメタバースに集まる必要があります。そのソリューションがXANAです。XANAはメタバースにAIとweb3.0の技術を融合させることで、誰もが簡単にメタバース上にコンテンツを作ることができ、それを収益化できます。ありとあらゆるデバイスからアクセスできるワンストップ型のメタバースプラットフォームです。

スタートアップワールドカップ東京予選でプレゼンするRio Takeshi Kubo氏
スタートアップワールドカップ東京予選でプレゼンするRio Takeshi Kubo氏=2024年7月19日、東京・六本木、関根和弘撮影

株式会社アーシャルデザイン(小園翔太・代表取締役CEO)

私たちはスポーツの力を使い、もうかるからやるのではなく、社会に必要な事業だからこそ挑戦を続けてきました。アスリートのキャリア問題があります。それに提供するソリューションが「アスリートエージェントテック」です。競技人材にプログラミング教育をして、IT企業やプロジェクトとマッチングさせるプラットフォームです。これを可能にするリスキリングシステムもあります。web開発、DX支援向けの言語が多いですが、今後はITの分野だけでなく、ニーズの高い分野に向けて幅を広げていきます。巨大なマーケットですが、その中で我々が勝ってこられた秘訣は、スポーツで培ったヒューマンスキルとITのスキルのかけ算により、IT分野の中でも希少性の高いプロジェクトマネージャー型のエンジニアを育成できるからです。

スタートアップワールドカップ東京予選でプレゼンする小園翔太氏
スタートアップワールドカップ東京予選でプレゼンする小園翔太氏=2024年7月19日、東京・六本木、関根和弘撮影

株式会社Spectee(村上建治郎・代表取締役CEO)

「危機を可視化する」というのが我々のミッションです。世界中にあるあらゆるデータを解析し、そこから危機を可視化し、分析し、予測をするというソリューションを展開しています。災害などの情報について、SNSや人工衛星、交通データ、気象データ、街中にあるライブカメラのデータなどを統合的に解析し、リアルタイムでアラートを出します。例えばSNSで動画が上がってくると、いったい何が起きているのか自動的に解析します。煙と炎が映っていれば火事だと分かります。SNSと人工衛星のデータを組み合わせることで被害の範囲もわかります。防災・危機管理に関するソリューションだけでなく、サプライチェーンのリスク管理についてもサービスを展開しています。例えば車の製造には多数の部品が必要で、世界中のサプライヤーから調達しています。災害が起きれば部品の供給が止まってしまいますが、そういった状況を我々の仕組みでは1分で可視化します。分析して、お客様の納期にどういった影響があるのかを予測します。すでに100以上の企業や自治体で使われています。

スタートアップワールドカップ東京予選でプレゼンする村上建治郎氏
スタートアップワールドカップ東京予選でプレゼンする村上建治郎氏=2024年7月19日、東京・六本木、関根和弘撮影

株式会社タスカジ(和田幸子・代表取締役)

ある日、保育園からの帰り道、息子から「今日はパスタがいい」と言われ、家に帰ってパントリーを開けてみるとなんとパスタが切れているのです。息子は床に寝そべって泣きわめきました。このような悲劇は毎日、どこかで世界中で何回も起きています。これには理由があります。管理する日用消費財は100アイテム以上あります。これらを管理することは「名もなき家事」と言われ、非常にタフな作業として知られています。そこで私たちはIOTデバイスで家の中の在庫品センシングし、在庫がなくなり次第、最適なタイミングで自動購入するソリューションを展開します。一方、メーカーや小売りからは、消費者のニーズがわからないとか、消費者が期待通りに使ってくれるわけではないという悩みが寄せられました。私たちは消費者とメーカーを結びます。メーカーが正しいタイミングで消費者にパーソナライズしてレコメンドを送ることもでき、両者をダイレクトに結ぶ流通のDXを起こすことができます。

スタートアップワールドカップ東京予選でプレゼンする和田幸子氏
スタートアップワールドカップ東京予選でプレゼンする和田幸子氏=2024年7月19日、東京・六本木、関根和弘撮影