「ゼロコロナ」日本でも中国政府に抗議
中国は新型コロナウイルス感染症への対策として、都市封鎖(ロックダウン)や厳しい行動制限など、強制的な対策で市中感染を徹底的に抑え込む「ゼロコロナ」政策を維持しているが、11月24日に1日の感染者数が3万人を超える過去最高を更新し、その手法は限界に近かった。
「FREE CHINA」「すべて独裁に殺された人のために」「習近平くたばれ」
手書きのプラカードを持って新宿西口の地下広場に集まった人数は「100人ほどいたと思う」と話すのは、現場で取材したルポライターの安田峰俊さん。「若い人も多く、本当に普通の人が集まっていました」。
参加者たちは次々と演説し、「共産党は下野せよ」「習近平は下野せよ」と連呼したという。
安田さんによると、集会はもともと、24日の夜にあった中国の新疆ウイグル自治区ウルムチ市での火災の犠牲者を追悼するためだったという。
「もともとゼロコロナのためのロックダウンに不満が溜まっていた。この火災ではロックダウンのために犠牲が大きくなったという話が伝わり、ひとつのスイッチになったようです」
集会ではプロテストソングとして、中国国歌の斉唱もあった。
中国本土でも各地で抗議の動き「仲間はここにいる」
きっかけは、在日中国人らがチャットサービスのテレグラムなどで追悼をしようという話が自然発生的に生まれたことだった。実際に開催場所や時間が決まったのは当日の午後になってだったという。
「主催者発表だと数百人って言ってました。驚くほど集まったのは確かですね」と安田さんは話す。それだけ現在の習近平体制への反発は根深いのだろう。
主催者の一人はツイッターで、「大陸の方々は命を貼っている」「啓発が第一の目的ではない」とし、「仲間はここにいるよ」ということを伝えたかった、と書き込んだ。
「自由がある国でやるのはなんの意味があるの」と思われるかもしれないが、大陸の方々は命を張っている、我々はこの権利を使わないとどうする
— R. J. (@loyloyree) November 27, 2022
日本人への啓発は第一の目的ではない。身近な人でさえ声を発することができない、誰が敵誰が味方なのかわからない中「仲間はここにいるよ」という勇気を届く https://t.co/4dYo5GxsYS
抗議は、中国国内で広がりを見せている。
火災のあったウルムチで25日に大規模なデモが起きたほか、27日には習近平国家主席の母校でもある北京の清華大学で、数百人の学生が抗議に参加。南京や上海などでも抗議活動があったことが伝えられている。