データで見るワイン 消費量は過去10年で1割増加、中国やアメリカ、ロシアで増える
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ワインはどこの国でつくられ、どこの国で飲まれているのか? 世界全体では、生産量や消費量は増えているのか、減っているのか? グラフを見れば、ワインの世界情勢が見えてくる。
世界のワイン消費量は、過去10年で1割ほど増えた。フランス、イタリアなど伝統的な生産国でワイン離れの傾向があるものの、米国、中国、ロシアなどで伸びている。
ワインバブルの様相もある。中国では高級ワインに自動車のような値がつくことがある。ワインそのものの品質というより、ステータスを象徴する高級ブランドを手に入れるため、ありあまるマネーが投じられている。
かつての日本にも、同じようなブームやバブルがあった。
1980年代、11月のボージョレ・ヌーボー解禁日に、「1秒でも早く飲みたい」という人々が成田空港近くのホテルでパーティーを開いた。
バブル期には、1本数万円もする高級シャンパンがバーやクラブでどんどんあけられた。1990年代には、「赤ワインのポリフェノールは体にいい」と報じられ、国内のワインの課税数量(出荷量)はバブル期の倍以上に急増した。
「自分だけが知っているという快感を味わえる一番旬なモノ」。1998年の朝日新聞は、そう報じた。ワインの価値は素人にはわかりづらいせいか、いいワインを飲む自分に酔ってしまう人もいた。
その後、日本の消費量は激減し、課税数量もここ10年は横ばいだ。1人あたりの年間消費量も約2リットルと10年前より少ない。ブームに踊らされた宴の後といえなくもない。
世界のワインの広がりは、一時的なバブルやブームで終わるのか。各国の幅広い人たちの間で定着するのか。今はまだ見えない。