1. HOME
  2. Learning
  3. 北京オリンピックの外交的ボイコットについて、外国人にしゃべってみよう!

北京オリンピックの外交的ボイコットについて、外国人にしゃべってみよう!

世界でビジネスをするための外国語習得術

■「八方美人」「日和見主義」って英語でどう言う?

2021年4月から始まったこのレッスンも10回目になりました。今後もタイムリーな情報と、語学習得に役立つアドバイス、素材をお届けしたいと思います。よろしくお願いします。

このコラムでは、引き続き、朝日新聞デジタルの日本語、英語の記事などを参考に、皆さんの「自己発信ノート」に入れるべき例文を、参考として私から紹介していきたいと思います。

北京五輪で開閉会式場となる国家体育場
北京五輪で開閉会式場となる国家体育場=2022年1月10日、中国・北京、朝日新聞社

今回のテーマは明日(4日)から始まる北京オリンピックの外交的ボイコットです。2021年12月24日、松野博一官房長官は北京オリンピック・パラリンピックに閣僚を派遣しない方針を発表しました。

私はこれを自己発信文に入れたいと思ったので、朝日新聞の英語版も参考に下記のように作ってみました。あなたは北京オリンピックついてどのような意見を外国人に伝えますか?

北京冬季五輪への閣僚らの派遣を見送ることを表明する松野博一官房長官
北京冬季五輪への閣僚らの派遣を見送ることを表明する松野博一官房長官=2021年12月24日、首相官邸、朝日新聞社

これらをもとに、自己発信文を作ります。

このように、選んだ題材の文章を少し加工するだけで、自分の意見を表す立派な文章が完成します。「日本語」を起点に、自分が外国人に言いたいこと探し、それに見合うテキストの英文をまず比較してみましょう。

もちろん、言いたい日本語をすぐに英語で言うことができないこともあるでしょう。私がこのコラムで提唱している、「英文テキストはアウトプットの材料箱」として使うと、英文はほとんどネイティブの使う英語になっているので、まずはテキストの英語をそのまま自己発信文に入れてみましょう。テキストの英文をフル活用して、そこに、③や⑩のように、自分の意見を入れてみるのです。

「八方美人」は③のように、please(喜ばせる) everybodyまたは everybody’s friendとすると分かりやすいと思います。「日和見主義」は⑩のように、一単語ではopportunism、あるいは意味をとって、wait and see, fence-sitterということもできます。

今回のレッスンを踏まえた「オリジナル単語帳」のイメージは下記のとおりです。参考になれば幸いです。(「オリジナル単語帳」の作成の方法は第5回のレッスン参照)

■ビジネスシーンでの「瞬発力」を鍛える「クイックレスポンス」

それでは、次に、外国語学習に際しての今回のアドバイスです。

これまでのレッスンで、読者の皆さんは、「自己発信ノート」を作成し、それをもとにしたあなただけの「オリジナル単語帳」を少しずつ作成されてきたと期待しています。レッスン5からは、私の方でも、自己発信の参考になるような例文を紹介してきました。

あなたが、外国人に、そしてビジネスシーンで、「アウトプット」する材料も少しずつそろってきたのではないでしょうか。あとは、それを脳から口を通じて音で出してあげるだけですね。

北京冬季五輪の選手村にある国旗
北京冬季五輪の選手村にある国旗=2021年12月24日、中国・北京、朝日新聞社

しかし、それが実はなかなか難しい。日本語→外国語の変換のスピードが最初はなかなか上がらず、また外国人の前という緊張も相まって、なかなか思うように話せないという経験は誰しもが通らないといけないものです。

24歳でアラビア語を始めた私も、とにかく人前で全く言葉がでてこない経験をたくさんしてきました。しかし、それでもそういうつらい経験と、プレッシャーがかかる舞台が積み重なることで、徐々に脳がそして口が、思うように動いてきますので、安心してください。

そのためには、練習が必要ですね。要は、あなたの「脳」の中で、言葉の「置換力」「瞬発力」が向上すればいいわけですから、練習法はシンプルです。そして、逆に言えばこの練習をしていただくために、あなたのビジネスシーンに必要な単語だけをえりすぐった「オリジナル単語帳」の作成をお勧めしてきたのです。

■「オリジナル単語帳」がネタ元。「イントロクイズ」もおすすめ

今、あなたの単語帳には、左に日本語、右に外国語があるはずです。それを日本語(左)→外国語(右)の順番でチェックします。

これまでの既存の勉強法と異なるのは、必ず、日本語が先ということです。それはこのレッスンで繰り返し強調してきた「日本語脳」を強化するためです。

外国語を話すには、結局日本語が起点で、それを外国語に置き換えるスピードが勝負なのです。そして、私の経験から言えば、日本語→外国語がちゃんと置き換えられるようになったら、外国語から日本語にすることもできるようになる、要は外国人が話していることも理解できるようになるのです。残念ながら、その逆はありません。

パンダをモチーフにした北京五輪公式マスコットのグッズを手にするボランティア
パンダをモチーフにした北京五輪公式マスコットのグッズを手にするボランティア=2022年1月24日、中国・北京、朝日新聞社

とにかく、最初はオリジナル単語帳の上から順に覚え、10題ずつテストしてみる、そして徐々に範囲を広げ30題、50題にしていければいいですね。そして、その際に、大事なのは音を出すことです。受験勉強だとどうしても黙読しがちですが、ビジネスパーソンにとって大事なのは、ビジネス本番を意識して「音」を出すことだと思います。

この作業は一人でもできるのですが、もしあなたに口頭テストを手伝ってくれる人がいたら、ぜひその方の力を借りてみてください。これはまさに「イントロクイズ」の世界です。

理想は、ある日本語を外国語に置き換え、口から音として出すまでの時間を1秒以内にすることです。実は通訳もこの練習をやっていて、「クイックレスポンス」と言います。首相通訳は、このスピードをゼロ秒台前半まで持ってくることを目指しています。

さて、最後に、今回の宿題は以下のとおりです。これまでのレッスンでお勧めした「パラフレージング」の練習としても効果的です。

次回レッスンまでに書き出して、あなたの「オリジナル単語帳」に入れてみてください。それぞれ最低3つの英単語が考えられますよ。回答例は次回お伝えします。

51 理解する
52 頼る
53 確信する
54 提案する
55 与える、供与する
56 争う
57 強化する
58 反対する
59 説明する、実証する
60 驚かせる

また、前回(レッスン9)の宿題の回答例を参考までにお伝えします。

レッスン5でお伝えした「日本語からは発声できなかったが、見れば知っていた」のカテゴリーの単語、表現があれば、ぜひ「オリジナル単語帳」に簡単な例文とセットで入れてみると、効果が上がると思います。

私が示した回答は網羅的ではないので、それ以外に別の回答を見つけられた方は、その単語、表現ももちろん入れてみてください。

なお、この日本語から英語の「置き換え」は、正確な訳出ではない、単語によって用法が異なるとして異論がある方もいらっしゃるかもしれません。ただ、私のポイントは、とにかく言いたいことを柔軟な発想で、バリエーションをもって伝えていくことにあるので、その点はご理解いただければと思います。

この宿題が、あなたの新たなアウトプットの可能性を導くきっかけになれば幸いです。

41 決定する decide, determine,make up mind
42 求める ask,seek,request,call for
43 実行する practice,implement, carry out, perform, execute
44 得る、獲得する get,gain,obtain,acquire
45 熱望する、専心する keen to, devote to, aspire,eager to, dedicate to, enthusiastic
46 達成する、果たす achieve,realize,come true,accomplish, fulfill
47 議論する discuss, argue, debate
48 勧める urge,encourage,inspire,cheer up,advocate, advise, recommend
49 評価する evaluate, assess,estimate,appreciate
50 参加する join,participate, take part in

(この記事は朝日新聞社の経済メディア『bizble』から転載しました)