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世界の原油価格高騰、日本初の石油の国家備蓄放出について外国人にしゃべってみよう!

世界でビジネスをするための外国語習得術

■日本初の石油国家備蓄放出。「時代錯誤」「臨機応変」は英語で?

こんにちは。

このコラムでは朝日新聞デジタルの日本語、英語の記事などを参考に、みなさんの「自己発信ノート」に入れるべき例文を参考として私から紹介しています。

今回のテーマは、タイムリーなトピックである石油の国家備蓄放出です。

11月24日、岸田首相が日本で初めてとなる石油の国家備蓄放出を発表しました。

石油の国家備蓄放出の方針を表明する岸田文雄首相
石油の国家備蓄放出の方針を表明する岸田文雄首相(右端)=2021年11月24日、首相官邸、朝日新聞社

私はこれを自己発信文に入れたいと思ったので、朝日新聞デジタルの英語版の英語も参考に下記のように作ってみました。

あなたは石油の国家備蓄放出についてどのような意見を外国人に伝えますか?

千葉市内のガソリンスタンド
千葉市内のガソリンスタンドでは、11月22日のレギュラーガソリン一般価格は1リットル162円だった=2021年11月22日、千葉市中央区、朝日新聞社

これらを基に、自己発信文を作ります。

このように選んだ題材の文章を少し加工するだけで、自分の意見を表す立派な文章が完成します。

「日本語」を起点に自分が外国人に言いたいことを探し、それに見合うテキストの英文を比較してみましょう。

ズワイガニを水揚げする漁師たち
ズワイガニを水揚げする漁師たち。燃料である重油代の値上がりは大きな痛手だ=2021年11月、秋田県にかほ市の金浦漁港、朝日新聞社

もちろん、言いたい日本語をすぐに英語で言えないこともあるでしょう。

まずは私がこのコラムで提唱している「英文テキストはアウトプットの材料箱」を実践して下さい。

テキストの英文はほとんどネイティブが使う英語になっているので、まずはそのまま自己発信文に入れてみましょう。

テキストの英文をフル活用した上で、⑦や⑩のように自分の意見を入れてみるのです。

⑦の「時代錯誤」については「anachronistic」という単語を知っていればベストですが、難易度は高いと思います。

このため、この四字熟語で伝えたいことは何かを考え「out of touch with the times」とすることもできます。

しかし、難しければ「時代遅れの」と言い換え、「out of date」「behind the times」「obsolete」などを使ってもよいと思います。

盛岡市内でビニールハウスを使ってトマトを栽培する男性
盛岡市内でビニールハウスを使ってトマトを栽培する男性。ハウスでは温湿度の管理に多くの重油と灯油を使うため、原油価格高騰で大打撃を受けている=2021年11月、朝日新聞社

⑩の「臨機応変に」は「according to circumstances」です。

こちらも四字熟語で伝えたいことを考えて、「as occasion may required」「take proper steps to meet the situation」「on an ad hoc basis」という表現も使っていけるといいですね。

今回のレッスンを踏まえた「オリジナル単語帳」のイメージは下記のとおりです。

参考になれば幸いです(「オリジナル単語帳」の作成方法は第5回のレッスン参照)。

■外国語学習を「リーディング」から始めるのは「悪魔のささやき」

次に、外国語学習に際してのアドバイスです。

これまでの日本人の外国語学習は、学習当初のインプットが多すぎて、インプットすること自体が学習の目的になってきました。

受験英語はその典型ですよね。

しかし、そうなると外国語という未知のものを「受け身」の形で学習せざるを得なくなります。

何事も「受け身」でいると面白くなく、疲れるものです。

このためインプットだけで疲れ、満足して、最も大事なはずのスピーキング能力向上につながらず、使えない外国語で終わってしまうのです。

そして、その典型的な失敗が、外国語学習を「アウトプットの伴わないリーディング(インプット)から始める」ことです。

これまでの習慣で「リーディング」から始めると、その対極にあるアウトプットを意識しづらくなります。

その上、リーディングは自己完結しやすく、黙々と努力すれば成果が出やすいので、ついつい自分の語学力が伸びたように錯覚しがちです。

これは「悪魔のささやき」とも言うべきものです。

本来リーディングは、語学の学習というよりは、各自が関心のあるトピックを理解する一助にするためのものです。

そして、それが必要となるのは、その外国語を通じてしか知識や情報を得られないときだけです。

つまり、リーディングは「最後の仕上げ」なのです。

■「インプット」と「アウトプット」の割合は5対5で

以上のような考え方から、このコラムでは初回のレッスンから一貫して「アウトプット・ファースト」を強調し、実際の学習法についてお伝えしてきました。

レッスン9まで来て、改めて「アウトプット・ファースト」とはどういうことかをお伝えしたいと思います。

それは、あなたは「何を外国人に話すのか」を全てのスタートラインにするということです。

書店に行って外国語の本を探す前に、「どこの国の人に何を話すのか」を考えることです。

そうすれば、あなたが学習する外国語は、当たり前のように「英語」とはならないかもしれません。

時にはそういう「原点」に戻ることも重要です。

一方、外国人に話したいことを決めた上で全く新しい外国語にチャレンジする場合、基本となる参考書が最低限必要となるでしょう。

その際、やみくもに1章から20章までインプットするのではダメです。

1章ごとに「インプット」して「アウトプット」(必ずしも人前でなくても、1人音読で十分です)することが重要です。

つまり「インプット」と「アウトプット」は5対5が上達の秘訣(ひけつ)なのです。

これが、私がアラビア語を24歳から始めても上達できた最大の秘訣です。

逆に、すでに基本を学習しているはずの英語なら「アウトプット」を先に考えて、それに見合う「インプット」ができるでしょう。

この場合も、その割合は5対5になるはずです。

ただ、言うは易く行うは難し。

これまで、ほとんどの方がそんな比率でアウトプットをしてこなかったと思いますが、是非トライしてみてください。

突破口が開けると思いますよ。

さて、最後に今回の宿題は以下の通りです。

これまでのレッスンでお勧めした「パラフレージング」の練習としても効果的です。

次回レッスンまでに書き出して、あなたの「オリジナル単語帳」に入れてみてください。

それぞれ最低3つの英単語が考えられますよ。

回答例は次回お伝えします。

41 決定する
42 求める
43 実行する
44 得る、獲得する
45 熱望する、専心する
46 達成する、果たす(今回の自己紹介文にも入っています)
47 議論する
48 勧める
49 評価する
50 参加する

また、前回(レッスン8)の宿題の回答例をお伝えします。

レッスン5でお伝えした「日本語からは発声できなかったが、見れば知っていた」というカテゴリーの単語や表現があれば、ぜひ「オリジナル単語帳」に、簡単な例文とセットで入れてみると効果が上がると思います。

私が示した回答は網羅的ではないので、それ以外に別の回答を見つけられた方は、その単語や表現も入れてみてください。

この宿題が、あなたの新たなアウトプットの可能性を導くきっかけになれば幸いです。

なお、この日本語から英語の「置き換え」は、正確な訳出ではない、単語によって用法が異なるとして異論がある方もいらっしゃるかもしれません。

ただ、私のポイントは、とにかく言いたいことを柔軟な発想で、バリエーションを持って伝えていくことにあります。

その点はご理解いただければ幸いです。

31 行動 action, behavior, act, conduct, deed
32 欠点、短所 weakness, demerit, disadvantage, defect, fault
33 目標、目的 goal, aim, target, purpose, objective
34 進展、発展 progress, development, advance
35 能力、才能 ability, capability, capacity, competence
36 結果 result, outcome, consequence
37 計画 plan(map out), project, program, scheme
38 影響、効果 influence, impact, effect, affect
39 意見、見解 view, opinion, idea, suggestion
40 感謝 thanks, appreciation, gratitude

(この記事は朝日新聞社の経済メディア『bizble』から転載しました)