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外国語のリスニング、ビジネスで使うなら「聞き流すだけ」はNG! その理由は?

世界でビジネスをするための外国語習得術

■日本のコロナ予防の水際対策を外国人に話してみよう! 「時期尚早」って英語でどう言う?

こんにちは。このコラムではまず、朝日新聞デジタルの日本語、英語の記事などを参考に、皆さんの「自己発信ノート」に入れるべきだと私が考える例文を、参考として紹介しています。

今回のテーマは、ビジネスパーソンにとってそろそろ気になる海外出張、そのための日本政府のコロナ感染予防をめぐる水際対策です。

成田空港では水際でインド型変異株などの流入を食い止めようと検疫を実施している
成田空港では水際でインド型変異株などの流入を食い止めようと検疫を実施している=2021年5月23日、朝日新聞社

外国人とのビジネスにおいても関心が高いテーマだと思います。私はこれを自己発信文に入れたいと思ったので、朝日新聞の英語版の英語も参考に下記のように作ってみました。

あなたは日本の対策について、どのような意見を外国人に伝えますか?

これらの記事をもとに、自己発信文を作ります。

このように、選んだ題材の文章を少し加工するだけで、自分の意見を表す立派な文章が完成します。

「日本語」を起点に、自分が外国人に言いたいことを探し、それに見合うテキストの英文をまず比較してみましょう。

成田空港の検疫検査場でドイツからの到着客に質問票への記入を説明する検疫官ら
成田空港の検疫検査場でドイツからの到着客に質問票への記入を説明する検疫官ら=2020年3月21日、朝日新聞社

もちろん、言いたい日本語をすぐに英語で言うことができないこともあるでしょう。

私がこのコラムで提唱している、「英文テキストはアウトプットの材料箱」として使うと、英文はほとんどネイティブの使う英語になっているので、まずはテキストの英語をそのまま自己発信文に入れてみましょう。

テキストの英文をフル活用して、そこに、上記⑥、⑩を持ってきて、あたかも自分の意見のように活用するのです。

⑥の「時期尚早」については、「premature」という単語が出てくればベストですが、伝えたいことは何かを考え、「too early」、「too soon」でももちろんいいですし、また、「It is not time for~」としても十分伝わります。

両方知っていれば、2回に分けて使って、外国人に表現の豊富さをアピールしてみましょう。

今回のレッスンを踏まえた「オリジナル単語帳」のイメージは下記(別添)のとおりです。参考になれば幸いです。(「オリジナル単語帳」の作成の方法は第5回のレッスン参照)

■リスニングで「聞き流し」が絶対にダメな理由は?

今回から「インプット」の方法についても触れます。

まずは、「インプット」で最も難しいと言われる「リスニング」のコツです。

よく英語の学習教材で、「1日何分『聞き流す』だけで、みるみる上達」などのフレーズを目にしますが、英語を楽しむために学習する方はともかく、ビジネスパーソンは絶対やってはいけません。

なぜでしょうか。

このコラムで私は、外国語学習ではゴールを設定する重要性を繰り返し説いてきました。このコラムの読者のゴールは、「外国語を使ってビジネスで交渉ができること」です。

それでは実際にその場面を思い描いて見てください。

社運をかけた交渉では、外国人の相手の言うことを一言一句聞き漏らさず的確に対応していかなければ、商談があなたの会社に有利なように進むわけがありません。

にもかかわらず、ふだんから聞き流す癖をつけてしまうと、ビジネス本番でもっとも重要な「集中力」が養われず、本番で悪い癖が出てしまい、致命傷になるものです。

それでは、聞き流さないようにするにはどうすればよいのでしょうか。

答えは、簡単です。知らない単語が出てくるから聞き流すしかないのです。

だったら、最初からすでに理解している文章だけを聞けばよいのです。

わかりやすく言えば、「私はりんごが好きです」という文章を読めて理解できるようになったら、それを耳で確認するのです。決して、別の「私はみかんが好きです」という文章をリスニングしてはいけません。

自分が読めない、分からないことを聞いて、理解することは決してできません。日本語ではあたり前のことが、なぜ外国語学習ではそうなっていないのかが不思議でなりません。

■リスニング学習はスピーキングと不可分!

リスニングについて、もう一つの側面から触れてみましょう。みなさん、リスニングの能力を伸ばすには、とにかく外国語の「音」を聞いて慣れるしかない、だから「音から入る」学習があたりまえだと思っていませんか。

それでは質問です。そもそもリスニングって、どのような場面で必要でしょうか。

それはビジネスシーンであれ日常会話であれ、外国人とコミュニケーションをとる、つまりあなたが何かを話して、そして外国人の話を聞く場面ですよね。

その意味で、リスニングは本来、スピーキング、つまり「音を出す」こととセットで考えなければならないはずです。

それなのに、スピーキング(アウトプット)は大変だからといって、より作業が簡単なリスニング(インプット)を独立しておこなっている方が多いのではないでしょうか。

実際のビジネスシーンであなたがあまり外国語を話せないのに、外国人があなたに外国語でべらべらと話してくることはほとんどないでしょう。

あなたは、日本語が話せない外国人に日本語でべらべらと話をしますか。

だから、リスニングはあくまでもスピーキングを補完するくらいの考えでいないと、結局、あなたの勉強法はこれまでどおり、安易なリスニング・ファーストになってしまうでしょう。

今回の宿題は以下のとおりです。前回のレッスンでお勧めした「パラフレージング」の練習としても効果的です。

次回のレッスンまでに書き出して、あなたの「オリジナル単語帳」に入れてみてください。それぞれ最低3つの英単語が考えられますよ。解答例は次回お伝えします。

【宿題】

21 豊富な、裕福な
22 義務の、義務的な
23 友好的な、社交的な
24 危険な、有害な
25 結局、ついに
26 おおよそ、だいたい
27 少しずつ、段階的に
28 ときどき
29 たぶん、おそらく
30 偶然に、たまたま

最後に、前回の宿題の回答例を参考までにお伝えします。レッスン5でお伝えした「日本語からは発声できなかったが、見れば知っていた」のカテゴリーの単語、表現があれば、ぜひ、「オリジナル単語帳」に簡単な例文とセットで入れてみると効果が上がると思います。

私が示した回答は網羅的ではないので、別の回答を見つけられた方は、その単語、表現ももちろん入れてみてください。

この宿題が、あなたの新たなアウトプットの可能性を導くきっかけになれば幸いです。

なお、この日本語から英語の「置き換え」は、正確な訳ではない、単語によって用法が異なるとして異論がある方がいるかもしれませんが、私のポイントは、とにかく言いたいことを柔軟な発想で、バリエーションを持って伝えていくことにあるので、その点はご理解いただければ幸いです。


【前回の宿題の回答例】

⑪明らかな clear,obvious,apparent,evident
⑫故意の on purpose,intentionally,deliberate
⑬愚かな stupid,foolish,ridiculous,absurd
⑭おもしろい interesting,funny, amusing,entertaing
⑮並外れた superior,remarkable,extraordinary,unusual
⑯中心の center,middle,focus,main,hub
⑰迅速な fast,quick,rapid,immediate,prompt,right away
⑱有益な useful,helpful,beneficial,profitable
⑲複雑な、困難な difficult,hard,complex,complicated
⑳適切な right,proper,suitable,appropriate

(この記事は朝日新聞社の経済メディア『bizble』から転載しました)